トップ > 数字経済 > 経済 > 円安はなぜ頭痛のタネなのか？
「日本はなぜすすんで自国通貨の価値を落とそうとしているのだろうか。そして一体なぜ円安を私たちが心配しなければならないのだろうか」と、今から疑問を解いてみましょう。
日本の安倍晋三首相は2012年12月の首相就任以来、20年以上続いてきた日本のデフレ（deflation・物価の継続的な下落）と円高（円高）から脱出するために「輪転機を回して通貨を無制限に刷るなど、すべての政策手段を動員する」と明らかにしました。日本の中央銀行（BOJ）はこれまで2年のあいだ市場に132兆円、韓国のお金で1200兆ウォンを超える膨大な規模のお金をばらまきました。
日本が意図的に市場に円をばらまくわけは、インフレ（Inflation／物価上昇）を誘発し、経済に活力を吹き込むことです。物価は過度に高くても問題ですが、低すぎる場合はより大きな問題になります。経済学では、物価が持続的に下落して経済活動が停滞する現象を「デフレーション」と呼んでいます。デフレ状況では、現金通貨の流通量が減少し、銀行融資が減って預金通貨量が減少します。自然に企業は投資を減らすなど、企業活動は萎縮します。こうなると企業は人もそれだけ少なく雇い、雇用市場では失業者が増加します。
問題は、日本が「失われた20年」から抜け出すために無差別にお金をばらまく行為は、日本自身には良いことになりえますが、韓国を含む周辺国の経済には悪材料だということです。韓国政府と企業が円安を懸念する理由です。外国為替は他の商品と同様に、需要と供給によって価格が決定されます。したがって、特定通貨の供給が多くなると、その通貨価値が下落することになります。昨年、ドル=90円水準だった円・ドル為替レートは、最近は110円を突破しました。昨年ならば90円で1ドルを購入することができたけれど、今では110円を超えてこそ1ドルを買うことができるというわけです。
それだけ円の価値が低下したことを意味します。ウォン・円相場も同様です。ウォン・円レートはソウル外国為替市場の円・ドル為替レートと、東京外国為替市場の円・ドル為替レートを基準に自動換算されて決まります。私たちはこれを「財政為替レート」と呼びます。ドルや韓国ウォンの価値の変動に比べて円が急激に落ちた場合、韓国ウォンの価値は上がることになります。実際、昨年初め1190ウォンだった100円当たりのウォンの値は、最近の960円まで上がりました。100円を交換するには、昨年は1190ウォンを払わなければなりませんでしたが、今では960ウォン出せばいいということです。
輸出競争、韓国企業には「締めつけ」…現代自動車3四半期の営業利益28%↓
簡単に見えますが、これはとても重要な変化を意味します。日本の自動車会社であるトヨタが、米国の消費者に3万ドルの車を売っていると仮定してみましょう。トヨタは昨年まで車一台を売れば270万円（3万ドル×90円）を手にすることができました。しかし円の価値が下落して、トヨタは現在、自動車1台当たり330万円（3万ドル×110円）を売り上げとしてつかむことができます。生産コストや人件費など、他の価格が不変であれば、為替変動だけで22％の利益が増えるわけです。
全世界を相手に、自動車だけでなく電気・電子（IT）や家電製品、鉄鋼・石油・化学・大型船舶など、様々な分野で質の高い商品を輸出する日本が「安くより多く」海外に物を売ることができる契機が準備されたわけです。もし日本企業がすぐさま製品価格を下げなくても、研究開発（R＆D）に投資できる現金が増えます。日本企業の立場では喜ばれることでしょう。日本政府が円の価値を落とした核心理由がまさにここにあります。
いまやなぜ私たちが円安を心配するか、理解できたでしょう？まさに日本と全世界を相手に輸出競争を行っている国内企業が、円安によって利益が急減しているためです。現代・起亜自動車（自動車）、ポスコ（鉄鋼）、現代重工業・サムスン重工業（造船）、サムスン電子、SKハイニックス（半導体）、SKエネルギー、GSカルテックス（精油）、LG化学（化学）など、韓国を代表する企業はすべて日本企業と競争しています。トヨタ、ホンダ、日産、など日本の自動車メーカーと、米国・ヨーロッパ・日本・東南アジアなど全世界の市場を対象に競争している現代車の場合、今年第2四半期の営業利益が前年第2四半期より13.3％減少し、第3四半期の営業利益は、昨年第3四半期より28.3％減ったことがわかりました。
円安はなぜ頭痛のタネなのか？
安倍首相、不況脱出のためにお金を発行して日本製品の値は安くなり、海外輸出が活気
日本の安倍晋三首相は2012年12月の首相就任以来、20年以上続いてきた日本のデフレ（deflation・物価の継続的な下落）と円高（円高）から脱出するために「輪転機を回して通貨を無制限に刷るなど、すべての政策手段を動員する」と明らかにしました。日本の中央銀行（BOJ）はこれまで2年のあいだ市場に132兆円、韓国のお金で1200兆ウォンを超える膨大な規模のお金をばらまきました。
日本が意図的に市場に円をばらまくわけは、インフレ（Inflation／物価上昇）を誘発し、経済に活力を吹き込むことです。物価は過度に高くても問題ですが、低すぎる場合はより大きな問題になります。経済学では、物価が持続的に下落して経済活動が停滞する現象を「デフレーション」と呼んでいます。デフレ状況では、現金通貨の流通量が減少し、銀行融資が減って預金通貨量が減少します。自然に企業は投資を減らすなど、企業活動は萎縮します。こうなると企業は人もそれだけ少なく雇い、雇用市場では失業者が増加します。
問題は、日本が「失われた20年」から抜け出すために無差別にお金をばらまく行為は、日本自身には良いことになりえますが、韓国を含む周辺国の経済には悪材料だということです。韓国政府と企業が円安を懸念する理由です。外国為替は他の商品と同様に、需要と供給によって価格が決定されます。したがって、特定通貨の供給が多くなると、その通貨価値が下落することになります。昨年、ドル=90円水準だった円・ドル為替レートは、最近は110円を突破しました。昨年ならば90円で1ドルを購入することができたけれど、今では110円を超えてこそ1ドルを買うことができるというわけです。
それだけ円の価値が低下したことを意味します。ウォン・円相場も同様です。ウォン・円レートはソウル外国為替市場の円・ドル為替レートと、東京外国為替市場の円・ドル為替レートを基準に自動換算されて決まります。私たちはこれを「財政為替レート」と呼びます。ドルや韓国ウォンの価値の変動に比べて円が急激に落ちた場合、韓国ウォンの価値は上がることになります。実際、昨年初め1190ウォンだった100円当たりのウォンの値は、最近の960円まで上がりました。100円を交換するには、昨年は1190ウォンを払わなければなりませんでしたが、今では960ウォン出せばいいということです。
輸出競争、韓国企業には「締めつけ」…現代自動車3四半期の営業利益28%↓
簡単に見えますが、これはとても重要な変化を意味します。日本の自動車会社であるトヨタが、米国の消費者に3万ドルの車を売っていると仮定してみましょう。トヨタは昨年まで車一台を売れば270万円（3万ドル×90円）を手にすることができました。しかし円の価値が下落して、トヨタは現在、自動車1台当たり330万円（3万ドル×110円）を売り上げとしてつかむことができます。生産コストや人件費など、他の価格が不変であれば、為替変動だけで22％の利益が増えるわけです。
全世界を相手に、自動車だけでなく電気・電子（IT）や家電製品、鉄鋼・石油・化学・大型船舶など、様々な分野で質の高い商品を輸出する日本が「安くより多く」海外に物を売ることができる契機が準備されたわけです。もし日本企業がすぐさま製品価格を下げなくても、研究開発（R＆D）に投資できる現金が増えます。日本企業の立場では喜ばれることでしょう。日本政府が円の価値を落とした核心理由がまさにここにあります。
いまやなぜ私たちが円安を心配するか、理解できたでしょう？まさに日本と全世界を相手に輸出競争を行っている国内企業が、円安によって利益が急減しているためです。現代・起亜自動車（自動車）、ポスコ（鉄鋼）、現代重工業・サムスン重工業（造船）、サムスン電子、SKハイニックス（半導体）、SKエネルギー、GSカルテックス（精油）、LG化学（化学）など、韓国を代表する企業はすべて日本企業と競争しています。トヨタ、ホンダ、日産、など日本の自動車メーカーと、米国・ヨーロッパ・日本・東南アジアなど全世界の市場を対象に競争している現代車の場合、今年第2四半期の営業利益が前年第2四半期より13.3％減少し、第3四半期の営業利益は、昨年第3四半期より28.3％減ったことがわかりました。
- 毎日経済_パク・ユンス記者/図=チョン・チャンドン | (C) mk.co.kr
- 入力 2014-11-05 17:06:52
