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サムスン、第一毛織の企業価値上がるまで待つ可能性


  • サムスン、第一毛織の企業価値上がるまで待つ可能性
  • < サムスングループ循環出資現況/サムスングループ 持株会社転換シナリオ *資料=KB投資証券 >

サムスングループの支配構造の頂点にある第一毛織が18日、有価証券市場に上場されることで、サムスングループの支配構造改編の信号弾が上がった。第一毛織の上場で、サムスングループの持株会社体制への移行が加速すると予想されるからだ。現在、金融当局は各企業に、持株会社設立に対する課税特例を適用している。持株会社に転換するために取得した株式のうち、現物出資により発生した譲渡差益に対し、譲渡所得税あるいは法人税課税を繰り延べしている。

該当の法案の適用期限は2015年12月31日までだが、2000年に導入された後に4回延長されたという点を勘案すれば、2018年末まで延長される可能性もある。とにかく、サムスングループもこのような課税優遇を受けるために、持株会社設立を急ぐ可能性があるという分析だ。

韓国投資バリュー資産運用のイ・チェウォン副社長は、「サムスンSDSなどのいくつかの系列会社で、サムスングループのオーナー一家の持分比率が高すぎるうえに、グループ全体の循環出資構造をなしていて、’イルガミモラジュギ’(特定企業に仕事を集中させる)疑惑を受けやすい形態」だとし、「経営権の継承過程でふくらむだろう雑音を鎮めるために、透明な支配構造の持株会社体制に進む可能性が高い」と語った。

今後、サムスングループの支配構造の変化のカギは、サムスン電子の経営権の確保にある。サムスン電子が製造関連子会社の、ほとんどの株式を所有しているからだ。大株主の持ち株比率の高い第一毛織が、どのようにサムスン電子の株式を確保するかに関心が集中する理由だ。第一毛織は李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が23.24%、李富真(イ・ブジン)ホテル新羅社長と李敍顕(イ・ソヒョン)第一毛織社長がそれぞれ7.75%、李健煕(イ・ゴニ)会長が3.45%を保有しており、オーナー一家の持分は42.19%に達する。

第一毛織の上場に続き、サムスン電子の人的分割→サムスン電子ホールディングスと第一毛織の合併→サムスン持株会社発足の順に、支配構造の改編作業が進められるというのが最も一般的なシナリオだ。

人的分割を通じて持株会社形態に変わるには、大規模な自社株買いが先行しなければならいが、サムスン電子はすでに先月2兆ウォン台の自社株買いに乗り出すと発表している。

今後、人的分割が行われれば投資会社(サムスン電子ホールディングス)と事業会社に分割され、サムスン電子が保有していた自社株は、投資会社に移されて事業会社に対する議決権として活用される。

分割後は特殊関係者とグループ系列社が持っている事業会社の株式を現物出資して、サムスン電子ホールディングスの新株を得る株式交換が行われる。

そして最後に、第一毛織とサムスン電子ホールディングスが合併する。金融投資業界で推定している、サムスン電子の投資会社と事業会社の分割比率は2対8で、第一毛織とサムスン電子の投資会社の合併比率の1対3を適用した場合、イ・ジェヨン副会長が持ち株会社で所有することになる持ち株の比率は7~8%のレベルに急騰することになる。

第一毛織とサムスン電子ホールディングスの合併が適格と認められれば、大株主一家は株式交換の過程で譲渡所得税を出さなくても良い。実際に売却されるまで、税金の支払いが繰り延べされるからだ。

ただし、サムスン重工業とサムスンエンジニアリングの合併が、株式買取請求権を行使した株主の反対で霧散した事例があるように、主要系列会社の分割・合併を繰り返さなくてはならない持株会社移行のプロセスは容易ではないと予想される。このためしばらくのあいだ第一毛織は、事業構造改革を通じて第一毛織の企業価値を引き上げることに注力すると専門家は見ている。

持株会社への転換が仕上げされるためには、グループの全体的な循環出資構造も解消しなければならない。現在、サムスングループは、△第一毛織→サムスン生命→サムスン電子→サムスンSDI→第一毛織、△第一毛織→サムスン生命→サムスン物産→第一毛織、△第一毛織→サムスン生命→サムスン電子→サムスン電気→第一毛織など、大きく3つの循環出資構造を持っている。

ユアンタ証券のチェ・ナムゴン研究員は、「旧株の売り出しですべての持分を払い落としたサムスンカードとは異なり、サムスンSDIとサムスン電気は第一毛織の上場後も主要株主として残ることになるが、循環出資構造を解消するために、いつかは第一毛織の株式売却に乗り出す可能性が高い」と語る。また、「サムスン生命が保有しているサムスン物産の持分0.5%をサムスン電子に渡して、サムスングループ内の金融関連会社と非金融系列会社を分離させ、最後に残った輪を除去することになるだろう」と付け加えた。

企業のIR関係者は、「サムスンはおそらく第一毛織の企業価値が十分に上がる時まで待つだろう」とし、「第一毛織は株主構成上の特殊関係人と友好持分が絶対的なので、株式買取請求権問題が発生する可能性は極めて低い。ただし、企業価値が高評価されるときに持株会社として合併することが、オーナーの立場からはいろいろと有利だ」と分析した。

また、このIR関係者は「金融投資業界には、第一毛織とサムスン電子ホールディングスがすぐにくっつくという観測、第一毛織の上場以後にサムスン電子を分割だけしておいてしばらく待つという展望の、2つのシナリオが共存する」とし、「オーナー家の利害関係などを考慮するとき、2番目のシナリオがより有力だ」とにらんだ。
  • 毎日経済 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-12-19 03:00:14




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