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サムスン、社内放送でアントレプラナーシップを強調

サムスンの特命「起業家精神」再武装 

  • サムスン、社内放送でアントレプラナーシップを強調
△サムスンの社内放送「SBC」は13日、「再び起業家精神」第1部「目を覚ませ、アントレプラナーシップ(Entrepreneurship)」を放映した。 [写真提供=サムスン]

1974年10月、レバノンのベイルート空港に一人の東洋人の若者が降りた。彼の使命はレバノンにサムスン物産の支店を開設し、中東地域への輸出の扉を開くことだった。そして偶然、現地のディーラーからの一言を聞くことになる。

「サウジアラビアの軍隊に支給する軍服を買わなければならないが、専門の会社を知っているかなあ」。

当時、サムスン物産は軍服を扱ったことはなかったが、この社員は中東の商人に「わが社は繊維会社なのに、わが社のほかにどこがあるだろう」という言葉を伝える。機会をとらえて新たな挑戦に乗り出したのだ。

彼はソウル本社に電話をかけ、「まもなくサウジアラビアの顧客を連れていきます。急いで軍服専用の課をひとつ作ってください」とオーダーする。サムスン物産の創社以来最大金額の、1億ドル建ての契約はこのように始まった。

「サムスン物産101プロジェクト」は社員が責任を持って、資源を集めて機会を現実にした代表的な「起業家精神」の事例だ。このストーリーは13日、サムスンの社内放送「SBC」が社員に送った新年特集番組「再び起業家精神」第1部「目を覚ませ、アントレプラナーシップ(Entrepreneurship)」で紹介された。

このように、不確実性の中で機会を見つけて挑戦してきたアントレプラナーシップの歴史はサムスンの歴史でもある。誰もが無謀なことだとしていたメモリ半導体事業は世界1位に上り詰めたし、1977年に遅れて開始した造船事業は、破壊的革新を通じてグローバルリーディング企業として成長した。また、サムスン電子は2006年にボルドーテレビを発売して、ソニーを破って世界テレビ市場1位を獲得した。

サムスンは新年にこのような事例を従業員に紹介し、「起業家精神」を強調した。日本の円安、中国の追撃、先進国からの牽制など厳しくなった経営環境で生き残るために、社員が起業家精神で武装しなければならないという経営陣の意志が込められている。特に李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は「アントレプラナーシップ」で再武装し、官僚化しているサムスンに対して進取の気性と挑戦精神と原動力を復活させるという強い意志を持っていると関係者は伝えている。

カイストテクノ経営大学院のペ・ジョンテ教授はこの日の放送で、「今までサムスンの体系的な管理システムは、先を行く企業に追いつくところに効果的だった」とし、「しかし、サムスンが先行しなければならない状況では、新しい方法でなければならない部分があり、ここに他の方式が必要だ」と説明した。「リーンスタートアップ(The Lean Startup)」の著者のエリック・リース氏は、「何か新しいことを試みて、未来を予測することはできないが極度に不確実な未来に向かい合う用意があるならばそれがアントレプラナー」だと強調した。

新年特集番組「再び起業家精神」は4部作で、毎週火曜日に放映される。

2部「日本の選択・モノツクリ」編は、起業家精神を復活させるために努力する日本の産業界を扱う。3部「ドイツの力・創造的な生態系」では起業家精神が盛んに息づくドイツならではの、独特な産業生態系の話を聞かせてくれる。最終回の4部のテーマは「破壊的革新のマインドセット、起業家精神」だ。
  • 毎日経済_チョン・スンファン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-01-14 04:01:02




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