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サムスン電子、クアルコム・台湾TSMCを抜いてiPhone 7にAPを供給

メモリ神話の再現に期待 

サムスン電子がシステム半導体業界のビッグ2であるクアルコムとTSMCを抜いて、iPhone7とGALAXY S6にスマートフォンの頭脳に相当するAP(アプリケーションプロセッサ)を供給する。これにより、メモリにて成した神話をシステム半導体でも書くことになった。

25日、半導体業界によると、10月に発売されるアップルの次期モデル、iPhone7に入るAPであるA9をサムスン電子が供給することになった。 iPhone6のAPであるA8は台湾TSMCが独占供給しており、サムスン電子が入り込む余地がなかったが、A9はサムスン電子が75%ほど納品するものと業界では展望している。

来る3月に発売されるサムスン電子のスマートフォン次期作、GALAXY S6にもサムスン電子が生産したAPがほとんど搭載される。

サムスン電子は、これまでプレミアムスマートフォンにクアルコムのAPブランドである「スナップドラゴン」を採用してきたが、最近のモデルであるGALAXY Note4にサムスン電子の独自ブランドのAPである「エクシノス」を一部採用、実証されたため、次期モデルに80~90%装着するものと見られる。iPhoneに入るA9とGALAXY S6に搭載されるエクシノスは、それぞれ米国テキサス州オースティン工場と京畿道器興工場で主力生産される予定だ。

過去にパソコンの頭脳にあたるCPUの供給を事実上独占していたインテルの鉄壁を誰も崩すことができなかったように、サムスンもAP市場への参入が不可能に見えたが、クアルコムと台湾TSMCの牙城を突き破って市場に進入することにより、APはサムスン電子の新たな未来成長動力になると期待されている。

このような神話を再度書くために、サムスン電子は競合他社の予想を上回る先制的投資を行い、より大きな敵に勝つために小さな敵と思い切って手を組み、メモリの成功DNAをシステム半導体事業に移植する冒険を敢行した。

2013年、サムスン電子のクォン・オヒョン代表取締役副会長と当時のシステム半導体事業部ウ・ナムソン社長など、半導体部門首脳部は、「14ナノ フィンフェット(FinFET)」プロセス開発投資を決定した。システム半導体受託生産1位のTSMCが16ナノプロセスを明らかにした直後だった。 2010年に32ナノプロセスから28ナノプロセスへ移行し、2012年に28ナノプロセスを20ナノプロセスへと移行する時にも、業界1位のTSMCの決定の後を追っていた。

しかし、サムスン電子は、このような「ファーストフォロワー」戦略では決して先頭に出ることができないと見て、TSMCが16ナノプロセスを選択したときに、これを一歩越えた14ナノプロセスで先制的進入を試みたのだ。もちろん、市場をリードするのは容易ではなかった。サムスン電子システムLSI事業部は、1年以上の期間、赤字を行き来して苦戦した。

2014年4月、サムスン電子は二番目の決断を下した。システム半導体受託生産業界1位の台湾TSMCの牙城を破るために、業界2位の米国グローバルファウンドリーズと手を組んだのだ。サムスン電子は苦労して開発した14ナノフィンフェットプロセス技術の特許をグローバルファウンドリーに提供することにした。

2013年まで、システム半導体受託生産規模はTSMCが200億ドルに迫る一方、サムスン電子は5分の1である40億ドルに過ぎなかった。サムスン電子がどんなに良いアプリケーションプロセッサ(AP)を開発しても生産量が少なく、アップルが必要とする物量に合わせることができなかった。性能が多少落ちてもアップルが世界最大の物量を生産するTSMCを選択するしかない理由だった。サムスン電子は、年間43億ドルの売上高を上げているグローバルファウンドリーと共同生産体制を整えることによって、アップルの需要を満たすことができた。

サムスンの破格的な試みは、2014年5月にも続いた。メモリ半導体の1等DNAと成功の経験をシステム半導体に移植する作業だった。サムスン電子は、入社以来30年余りの間、メモリ半導体の開発と生産、販売に携わったキム・ギナムメモリ事業部社長をシステムLSI事業部長に電撃発令した。メモリ半導体で1等神話を導いたノウハウがシステム半導体事業に最も必要な要素と判断したのだ。
  • 毎日経済 イ・ジンミョン見記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-01-25 17:26:36




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