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韓国鉄鋼業界、打撃…生産量の減縮に突入


  • 韓国鉄鋼業界、打撃…生産量の減縮に突入
中国発の景気低迷とダンピング攻勢で、困難な時期を過ごしている国内の各鉄鋼メーカーは今年、「事実上の減産」カードをまさぐっている。世界1位の鉄鋼生産国である中国も、最近は中小型企業を中心に生産量の削減に突入して、ポスコや現代製鉄、東国製鋼や東部製鉄などの国内企業も、成長よりも収益性の改善に焦点を当てている。収益性の低い生産ラインを閉鎖して、高炉の定期修理を行いつつ自然な減産を誘導するというやり方だ。

ポスコは来月6日から浦項工場の第2高炉を100日間停止し、大々的な改・補修作業に乗り出す。年間生産量180万トンの高炉を3カ月間停止すると、年間で45万トン程度の自然減産効果が発生する。高炉は一度火を落とすと再び活性化させるためには数ヶ月を要し、つねに休まずに銑鉄を生産するが15年程度の寿命が尽きれば、大規模なアップグレード作業を行うことになる。

ポスコの関係者は、「1997年8月から稼働したポスコ浦項工場の2高炉は今年に寿命が尽き、通常の改修作業を行うことになった」とし、「2高炉の生産量の減少は、他の高炉の稼働率を調整して埋めることができ、人為的な減産はないだろう」と説明した。

しかし業界では、ポスコが今年の自然減産分の45万トンを他の高炉から追加生産するほどに稼働率を上げることはないと見ている。自然減産分をバッファ(緩衝材)としておき、市場の状況に応じて弾力的に対応するだろうという分析だ。実際に、ポスコは第2高炉のアップグレードを利用して、生産能力は従来の180万トンをそのまま維持しながら、効率だけを向上させることに決定した。

現代製鉄は、昨年末に閉鎖した浦項工場の75トン規模の電気炉と鉄筋ラインを、当分の間はそのままで維持しながら、その分を減産することにした。当初、電気炉と鉄筋ラインを閉鎖して、特殊鋼専用ラインを新設する計画を検討したが、最近になって中国の景気悪化と業況不振で白紙化した。

  • 韓国鉄鋼業界、打撃…生産量の減縮に突入
  • < 世界トップ5 鉄鋼国家の昨年の粗鋼生産量 *資料=世界鉄鋼協会 >

現代製鉄の関係者は、「昨年12月に閉鎖したラインは中国への輸出分を生産したが、収益性が合わないので稼働を止めることになった」とし、「ここに他のラインを新設して投資するかどうかは、まだ決定されていない」と語った。

財務悪化でメイン工場の稼動を中断した東部製鉄も、国内の鉄鋼生産の削減に一役買っている。鉄スクラップ価格の上昇と低価格の中国製熱間圧延製品のダンピングで、工場を稼働させると損害が発生するとし、債権団は年間300万トン規模の熱延生産を中止することにしたものだ。東部製鉄は唐津工場で、鉄スクラップを電気炉で溶かして熱延を生産して、この熱間圧延を基盤に冷間圧延を抜き出す構造だ。

電気炉で銑鉄を取り出す東国製鋼もまた、「常時弾力生産」を標榜している。高炉とは異なり、生産量を自在に調整できる電気炉に基盤した東国製鋼は、市場の状況に合わせて弾力的に生産量を減らしていくことができるという話だ。東国製鋼の関係者は、「現在、平均稼働率は80%台で動いているが、造船景気の悪化で厚板は70%にも及ばない」とし、「今年も鉄鋼景気が生き返らなければ、稼働率はさらに低くなりうる」と雰囲気を伝えた。

鉄鋼協会は、今年の鉄鋼消費と生産は2%ほど増えると見込んでいる。昨年の成長率(7.4%)に比べると、かなり悲観的な展望だ。今年、造船と建設景気の大幅な再生が困難だと見るならば、けっきょく自動車産業が今年、どの程度の力を出してくれるのかがカギだ。実際、国内の鉄鋼生産は2012年と2013年に、それぞれ0.3%と4.0%のマイナス成長を記録している。

「産業の米」である鉄鋼の生産が減ったということは、製造業がそれだけ大きな打撃を受けたという話だ。

国内製鉄メーカーは、中国の景気と事業戦略に関心を集中している。中国の鉄鋼の減産気流は、短期的には供給過剰の負担を軽減できるが、長期的に中国の巨大企業の生産性向上は、国内メーカーに大きなリスク要因となる可能性があるからだ。
  • 毎日経済_チョン・ボムジュ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-01-26 17:20:29




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