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数字経済 > 企業 > サムスン、スマートフォン用のワンチップメモリ「ePoP」量産
サムスン電子は、ウェアラブルに続いてスマートフォンでも、システム半導体とメモリ半導体の領域を破壊した融合型半導体を登場させた。
サムスン電子は4日、スマートフォンに搭載される「ePoP(embedded Package on Package)」半導体を量産すると明らかにした。ePoPはシステム半導体の一種のモバイルAP(アプリケーションプロセッサ)上に積み上げるメモリ半導体パッケージで、NAND型フラッシュとDRAMメモリ、コントローラが一つになったソリューションだ。
製品の容量は10ナノ級32ギガバイト(GB)のNAND型フラッシュと、20ナノ級3GB「LPDDR3」モバイルDRAMだ。特にこの製品に搭載されたモバイルDRAMは、PC用DRAMのように毎秒1866メガビット(Gb)の速度で動作し、6ギガビットDRAMを2個束ねた2組のメモリがデータを処理する。
熱に弱いNAND型フラッシュと高熱を発生するAPを一つにすることは不可能と考えられていたが、サムスン電子はNAND型フラッシュの熱限界を克服し、APとともにパッケージングした製品を出すことになった。従来はモバイルAPとNAND型フラッシュDRAMが別々に装着されたが、ePoPを使用すると実装面積を40%以上削減できるというのがサムスン電子の説明だ。
ePoPは面積を大幅に削減したため、「ウェアラブルメモリ」とも呼ばれる。サムスン電子は2000年、携帯電話用MCP(Multi-Chip Packages/DRAM+NAND型+コントローラ)に続き、2009年には高性能スマートフォンに合わせたeMCP(embedded multi-chip package/モバイルDRAM+NAND型+コントローラ)などのモバイルメモリを世界で初めて量産したことに続き、昨年にはウェアラブル用ePoPを登場させてこの分野をリードしている。
サムスン電子メモリー事業部マーケティングチームのペク・チホ専務は、「大容量ePoPが最新のフラッグシップスマートフォンに搭載されて、スリムなデザインはもちろん、様々なマルチタスクをより速くより長く楽しめるようになった」とし、「今後、性能の向上した次世代ePoPで高級モバイル市場の成長を高めていく」と強調した。