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電気電子技術者協会、「特許権濫用」防ぐ政策を採択…サムスンやLGへの影響は?


  • 電気電子技術者協会、「特許権濫用」防ぐ政策を採択…サムスンやLGへの影響は?
  • < 国際標準化機構が改正した「ライセンス」政策 >

サムスン電子やLG電子など国内のスマートフォンメーカーは、クアルコム(Qualcomm)社やインターデジタル(InterDigital)社などの、パテント怪物の横暴から逃れることができる道が開かれた。国際標準化機構で「特許権濫用」を防ぐための政策を通過させたためだ。これにより、サムスン電子が年に3兆~5兆ウォンほどクアルコムに支払う特許使用料は大幅に減少し、スマートフォンの価格が下がるところにも影響を与えると予想される。

関連業界によると30日、国際標準化機構の一つである電気電子技術者協会(IEEE)は、クアルコムやインターデジタルなどの情報通信技術(ICT)の特許権者が、ライセンス(特許権)を過度に行使することを防ぐための政策(知的財産権ポリシーの改正案)を15日に最終承認し、最近これをサムスン電子やLG電子、インテルやマイクロソフト(MS)などの世界的な情報技術企業に通知した。これまでクアルコムの横暴に苦しんできた各携帯電話メーカーは、FTC(米連邦取引委員会)に提訴する根拠が整えられたわけだ。実際、これらの企業はクアルコムとの特許料の算定作業に着手したと伝えられた。

今回の改正案の核心は、特許料(ロイヤリティ)も端末全体ではなく、「チップセット」に基づいて課さなければならないということだ。

ロイヤリティは通常、その特許技術が適用された部分を基準に算定するのが一般的だが、唯一通信分野はスマートフォンの「販売価格」を基準に算定してきた。

クアルコムは世界で初めて無線通信技術(CDMA・符号分割多元接続)を開発して商品化し、韓国の内需製品は販売価格の5.25%、輸出製品は販売価格の5.75%をクアルコムに支払うという契約を結んでメーカーを圧迫した。特にサムスン電子は年に3億台以上のスマートフォンを販売してクアルコムの特許を利用しているが、年2.5~3%程度のロイヤリティをクアルコムに支払ってきた。

今回、IEEEがチップセットの販売量を基準にロイヤリティの算定を勧告することにより、サムスン電子はクアルコムとロイヤリティを再交渉するものと見られる。サムスン電子の関係者は、「まだ(クアルコムとロイヤリティの)再交渉は開始されていない。IEEEの政策改正案を綿密に検討した後に対応する」という、原則的立場を出した。

業界では、韓国の公正去来委員会(FAIR TRADE COMMISSION)がクアルコムの特許料慣行に対して本格的調査に着手しただけに、各企業が公正去来委員会の判決後に再交渉に突入するだろうと予想する。スマートフォンの価格も下がる可能性が高い。

業界関係者は、「スマートフォン価格の中で特許料が占める割合はメーカーによって異なるが、価格に影響を与えうることだけは確かだ」と語った。

通信業界の専門家らは、今回のIEEEの政策のうち、「通信特許使用権(ライセンス)を受けることを希望する企業に、セットや部品メーカーの区別なくライセンスを付えなければならない」という、ライセンス差別の禁止条項が重要だと指摘している。これまでクアルコムは特許使用権を、部品メーカーに別途に与えることなく、スマートフォンメーカーだけから特許料を受け取る独特な構造をとってきた。業界関係者は、「部品メーカーが標準特許のライセンスを持ち、正当に研究開発(R&D)を行えるようになった。クアルコムがスマートフォンメーカーに対して過度に横暴をふるうことも防ぐことができるようになった」と意味を付与した。今回の改正案には韓国のサムスン電子だけでなく、アップルやMS、インテルやシスコなどの世界の主要企業がすべて通過を促す書案を送るなど、「反クアルコム」戦線に立つこともした。

最大の恩恵はサムスン電子が受けると予想される。サムスン電子は世界最大のスマートフォンメーカーでもあるが、スマートフォンのコアチップ(モバイルAPなど)も開発・生産するからだ。

業界関係者は、「電気・電子や通信分野のグローバル標準化団体であるIEEEが標準特許権に対する立場を明確にしたので、今後は国際電気通信連合(ITU)、欧州電気通信標準協会(ETSI)などの決定にも影響を与えるものと思われる」と説明した。
  • 毎日経済_ソン・ジェグォン記者/イ・ギョンジン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-03-30 17:51:38




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