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サムスングループ、李在鎔サムスン電子副会長の経営稼動から1年…評価は?


  • サムスングループ、李在鎔サムスン電子副会長の経営稼動から1年…評価は?
  • < 李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長は昨年7月、韓国を訪問した習近平・中国国家主席を新羅ホテルに迎えた。>

来る10日には、李健煕(イ・ゴニ)サムスン会長が急性心筋梗塞で経営現場を離れて1年になる。サムスンはイ・ジェヨン サムスン電子副会長を中心にシステム経営をすぐさま稼動して、「イ・ゴニ会長の不在」という衝撃を克服していきつつある。サムスン電子は去る第1四半期に、6兆ウォンに迫る営業利益を上げて実績反騰に成功し、積極的な企業買収・合併(M&A)で主力事業に集中していることは、サムスン号が巡航しているという事実をよく示している。これまでの1年間、実質的にサムスンを導いたイ・ジェヨン副会長のリーダーシップに対する評価と、今後のサムスンが解決すべき課題などを探ってみる。

  • サムスングループ、李在鎔サムスン電子副会長の経営稼動から1年…評価は?
イ・ジェヨン サムスン電子副会長がこの一年間の経営活動で見せたスタイルは、△グローバル、△実用主義、△現場経営、△合理性、△若さと疎通などのキーワードに要約される。イ副会長の最も顕著なリーダーシップは「グローバル」だ。英語と日本語に堪能なイ副会長は、財界最高経営責任者(CEO)の中で最も多くの海外IT業界CEOや政界の大物らに会って、グローバルネットワークを拡大した。多様な分野の世界中のリーダーと交流しながら、グローバル企業サムスンの位相をさらに引き上げたというのがサムスン内外の評価だ。

昨年7月に訪韓した習近平・中国国家主席に会ったことを皮切りに、この1年間に習主席に4回も会った。ますます重要になっている中国市場と中国人脈の構築に、至大な力を入れているわけだ。昨年7月には米サンバレーカンファレンスに参加して、ラリー・ページGoogle CEOやティム・クックApple CEOに相次いで会い、10月にはベトナム共産党書記長と会った。

今年に入っては3月末に、中国の北京で常振明シティックグループ(中信集団)会長に会って、両社間の金融事業協力拡大案について協議したことに続き、すぐさま海南省に飛んでボアオ・アジア・フォーラム(BFA)でグローバルリーダーらと会った。

このように、イ副会長のグローバル重視の傾向は、サムスンの外部人材の採用拡大と積極的なM&Aの形で明らかになった。昨年末の人事では、33歳の最年少役員となったインド出身のプラナフ・ミスツリー(Pranav Mistry)サムスン電子常務や、米マサチューセッツ工科大(MIT)メディアラボ出身のイ・ヒョンユル常務のような30代や40代前半の役員も多かった。イ副会長が外部の技術を受け入れることに開放的なだけに、サムスンは米のモバイル決済会社であるループペイをはじめ、シェルビー(アプリサービス)、スマートシングス(IoTプラットフォーム)、プロキシマルデータ(ソフトウェア)、ブラジルのシムプレス(プリンタ機器)などの企業を買収した。いわゆる「イ・ジェヨン療法の選択と集中」を通じて、サムスンの全体的な技術や体力を引き上げているわけだ。買収した企業を扱う方法も変えた。たとえばスマートシングスの場合、創業者兼CEOのアレックス・ホーキンソンの経営権を確保した。これまでのサムスン電子の、企業を買収した後の無理な統合努力によって買収効果を正しくあげられなかった教訓を生かしたものだ。

イ副会長はサムスンの文化を徹底的に実用的に変えた。サムスン社員のエチケットと態度、儀典などの企業文化から形式主義を排除し、徹底的に実用主義路線を選んだ。イ副会長は空港の出入国時や弔問などを行うときは、特別の随行員なしで直接荷物を持ち歩いている。スケジュールを確認した後、民間航空機が便利だと思われる場合は躊躇せずに専用機ではなく民間航空機を選択する。これにより、サムスンの企業文化も権威的で官僚的な色が薄くなってきて、形式ではなく実質、垂直ではなく水平に向かって変化している。サムスンの関係者は、「イ・ジェヨン副会長は米国と日本などで勉強して、海外のリーダーに会ってグローバルマインドが自然に形成された」とし、「副会長は権威にこだわることなく、実用的な経営観を持っている」とした。

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  • < イ・ジェヨン副会長リーダーシップのキーワード >

現場経営もイ副会長が行動で示す経営のキーワードだ。アップルとの紛争時にはイ副会長が直接アップルCEOのティム・クックに会って談判を行い、問題の解決に乗り出した。マイクロソフト(MS)との紛争も、イ副会長が前面に乗り出したことがある。オフィスに座って書類報告を受けるよりは、直接経営の現場を訪問する。ふだん役員とは携帯電話のテキストメッセージで重要事案を処理するほどに、徹底して効率的で合理的な経営を重視する。

若いイ副会長が経営の前面に乗り出して、サムスンの社員の平均年齢も若くなっている。創造的なアイデアが豊富な若いスタッフ中心に、会社が変貌しているという意味だ。サムスングループ内で1980年以降に生まれた従業員が占める割合は、今年初めて50%を超え、20・30代の割合は約80%に達する。

特にサムスン・バイオエピスの場合、社員の平均年齢は31.7歳に達するほど若い。このことから社内コミュニケーションも、若い従業員らが精通しているモバイル・オンラインコンテンツを中心に展開している。サムスンは今年からオンラインウェブジンの形態で社報を発行し始めた。 「サムスンアンドユ-プレミアム」と呼ばれる社報はPCやスマートフォン、タブレットPCに最適化されたデザインを取り入れて、若い従業員と積極的にコミュニケーションしている。
  • 毎日経済_キム・デヨン記者/チョン・スンファン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-05-05 20:49:55




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