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第一毛織とサムスン物産の合併、今後の事業構造はどのように変わるか


  • 第一毛織とサムスン物産の合併、今後の事業構造はどのように変わるか
△写真=サムスン物産と第一毛織間の合併が発表された26日、ソウル市瑞草洞のサムスン物産本社前を通り過ぎるサムスン物産の社員。

「60兆ウォン」

統合サムスン物産の、2020年の売上げ目標だ。これは昨年(34兆ウォン)よりも2倍近く増えた規模で、サムスン物産はこのような目標を達成するために、建設会社やファッション・リゾートなどの既存事業に加え、バイオなどの未来事業で第一毛織とサムスン物産間の相乗効果の創出に力を集中する戦略を立てた。

合併にともなうシナジー効果が期待される事業群は建設だ。サムスン物産は「2014施工能力評価」で9年ぶりに1位を奪還するほど、建設分野に強みを持っている。アパートなどの住宅だけでなく、豪州のロイヒル鉱山と中国の西安NAND型フラッシュ半導体ラインなど、海外の建設工事でも力量を確保している。

第一毛織の建設部門は建築とプラント、造園などの3つの事業部で構成されている。この会社は造園・省エネルギー・リモデリングなどのエコ技術と、研修院・ホテル・病院などに特化されているが、ここにサムスン物産の能力と海外事業ノウハウが融合すると相乗効果が期待される。第一毛織は今年の第1四半期、1兆2728億ウォンの売上げと60億ウォンの営業利益をあげたが、建設部門の売上げと営業利益はそれぞれ3470億ウォンと185億ウォンと推定されるほど全体のビジネスに建設の占める割合は大きい。

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  • < サムスン物産(合併法人)株主と支配構造 >

両社は互いに重なる部分がないため、合併が実現すればかなりの相乗効果が期待されるというのが建設業界の観測だ。第一毛織の関係者は、「両社がそれぞれ運営してきた建設部門を統合して、建設事業の競争力向上と運用シナジー効果の創出が可能になった」と明らかにした。

サムスン物産の商社部門と第一毛織のファッション・飲食・レジャー部門も、統合に伴うプラス効果が期待される事業群だ。

第一毛織のファッション事業部は、ビーンポール(BEAN POLE)を含めて総26のブランドを持っているが、最近の景気低迷などで成長が止まっている。このような状況で、グローバルネットワークと経験豊富なサムスン物産との合併は、第一毛織のファッション事業の海外進出に機会要因になりうる。総合商社とファッション業を同時に営むSKネットワークスの事例を見ると、統合サムスン物産のファッションビジネスの未来を見積もることができる。

第一毛織の子会社であるサムスン・ウェルストーリー(SAMSUNG WELSTORY)も、サムスン物産と一つになれば収益向上が期待される部門だ。給食と食材事業を行うサムスン・ウェルストーリーは海外進出を図っているが、サムスン物産の商社部門のネットワークを活用すれば海外事業に弾みがつくものと予測される。

第一毛織の関係者は、「サムスン物産の商社部門のグローバル運営の経験とインフラを活用して、ファッション・飲食事業の海外進出を加速化し、新たなビジネスチャンスを発掘できるようになった」と明らかにした。

サムスン物産の未来を担う事業としてはバイオが目を引く。バイオ事業は李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が新樹種事業と目するほど、サムスンが育てている分野だ。

サムスンバイオロジックス(Samsung BioLogics)社の最大株主は、株式46.3%ずつを保有する第一毛織とサムスン電子だが、第一毛織はバイオロジックスの株式4.9%を保有しているサムスン物産を吸収合併することにより、バイオロジックスの最大株主になった。

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  • < 第一毛織、サムスン物産事業現況 >

サムスンは2011年、サムスンバイオロジックスを設立してバイオ事業の育成に乗り出した。生産設備の構築と医薬品の委託生産は既に始まっており、現在はバイオシミラーを開発・生産している。今後は独自のバイオ新薬を開発・製造するという戦略も立てた。サムスンバイオロジックスは昨年、連結ベースで1053億ウォンの売上げを記録した。

サムスンバイオロジックスが最大株主(90.3%)であるサムスン・バイオエピス(Samsung Bioepis)は今年、最初の生産製品である関節炎治療剤(SB4)を出荷して、医薬品市場の攻略に拍車をかけている。サムスンバイオエピスはバイオシミラー医薬品の研究・開発・販売を行う会社だ。

第一毛織の関係者は、「サムスンの新樹種事業であるバイオ事業の最大株主として積極的に参加できるようになり、安定性と成長性を同時に追求できようになった」と説明した。

第一毛織は昨年12月の上場後、建設・ファッションなどの事業別の市場拡大を推進する過程で、コアビジネスの競争力と海外の営業インフラを強化できる方案を模索しており、サムスン物産はこれまでの事業の停滞から抜け出して、新しい成長動力を発掘するために事業の多角化案を検討してきた。
  • 毎日経済_チョン・スンファン記者/写真=イ・スンファン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-05-26 19:29:47




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