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ジェネシスの競争力は鋼板「ベンツやBMWと競っても負けない品質」


  • ジェネシスの競争力は鋼板「ベンツやBMWと競っても負けない品質」
  • < 車体に占める超高張力鋼板の割合 >

先月、ティッセンクルップ(TKS)などドイツ鉄鋼協会の製鋼分科所属メンバーの8工場長が現代製鉄の唐津(タンジン)製鉄所を訪問した。

彼らは自動車用鋼板の製造工程の中でも脱硫や脱リンなど、不純物除去のノウハウを集中的に見学したと伝えられた。欧州鉄鋼業界の関係者が、見学目的で現代製鉄を訪問したのは今回が初めてだ。最近、自動車鋼板の分野で世界的トレンドをリードしている現代自動車グループの地位を圧縮して示す事例だ。

現代移動車グループが「ジェネシス」を独立ブランドとして掲げて高級車市場の競争に飛び込んだことは、「少なくとも品質だけはベンツやBMWと競って負けない」という自信に基づいている。この自信は素材、中でも鋼板の競争力に負うところが大きい。

去る4日、ジェネシスブランドの立ち上げ発表会で鄭義宣(チョン・ウィソン)現代自動車グループ副会長は、「ジェネシスは設計段階から現代製鉄の超高張力鋼板の技術が適用された最初の車」だとし、「素材に合わせて車を開発した方式から、車に合わせて素材を開発する新しい方式に進化したもの」だと説明した。

超高張力鋼板とは、車体に一般的に使用される軟鋼板に比べ、厚さは薄いながらも強度はより高めた鋼板をいう。車は軽いほど燃費と加速性能が良くなるが、代わりに鋼板の厚さを減らしても耐久性に影響があってはならない。「軽くて丈夫な車を作る」核心素材が超高張力鋼板だ。既存の鋼板よりも10%軽量ながら強度は30%高い。

現代自動車はグローバルメーカーの中で、超高張力鋼板を最も多く使用している会社に挙げられる。 2013年末に発売された第2世代のジェネシスは、車両全体に超高張力鋼板が占める割合が51.5%だ。 BMW 5(32%)やアウディA6(25%)などの高級モデルよりもはるかに高い。昨年、米国高速道路安全保険協会(IIHS)スモールオーバーラップ衝突テストで、ジェネシスは乗用車初の全項目で満点を受けるなど、安全性は世界最高ランクに上がった。最近ではK5やスポーティジなどの中型のニューモデルまで、超高張力鋼板の割合を50%以上に増やしている。

このように、現代自動車が超高張力鋼板を惜しまず投入することができるのは、現代製鉄を系列会社に持っているからだ。世界的に、自動車メーカーが製鉄会社を系列会社に持つケースは、インドのタタグループと現代自動車の2つだけだ。グローバルレベルの自動車でいうと、事実上は現代自動車が唯一であるとできる。

自動車と製鉄の組み合わせは、膨大な相乗効果を生み出している。過去に現代自動車が鋼板調達をポスコに依存する場合、2つの問題点があった。まず物量の調達で常に困難を経験し、第2に新車の開発コンセプトに合った鋼板をオーダーメイドするために多くの時間を要した。

現代自動車の関係者は、「新しい鋼板をオーダーメイドするために、基本的には2~3年、長くは5年までもかかった」とし、「そうしたら、鋼板に合わせて車を製作しなければならない限界があった」と語る。現代製鉄から60%以上の量の供給を受ける今では、新しい鋼板を製造するために6ヶ月あれば十分だ。

現代製鉄はこれまでの5年間で、合計87種の自動車用鋼板を開発した。

2012年には100~120K級の超高張力鋼など10種を開発し、昨年には高強度熱延メッキ鋼板など、6種の鋼種開発を完了した。 「注文後ただちに開発」システムが装備されていたわけだが、現代自動車を除く世界の自動車会社のどこも近寄り難い競争力だ。

現代自動車の内部では、「鄭夢九(チョン・モング)現代自動車グループ会長の先駆的な決断がジェネシスブランドを立ち上げるための基本的な動力になった」という話が出てくる。内外の懐疑的な視線をものともせず、現代製鉄の買収決断を下したのもチョン会長であり、安全性向上のための勝負に超高張力鋼板という方向を提示したのもチョン会長だったからだ。
  • 毎日経済_ノ・ウォンミョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-11-06 08:10:36




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