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サムスングループ、欧州などの先進国の海外駐在員縮小に乗り出す

「南米など成長性の大きな新興市場はもっと大きくてもいい」 

  • サムスングループ、欧州などの先進国の海外駐在員縮小に乗り出す
系列会社の売却と従業員の削減などを通じて先制的な構造調整に乗り出しているサムスングループは、欧州などの先進国の海外駐在員縮小に乗り出した。実質的な営業戦略とは無関係に、慣性で配置していた海外駐在員を減らして効率を高めるという戦略だ。グループ内では、全社的に不必要なコストを削減して実利を求めようという李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長の「実用主義」がそのまま反映されたという評価だ。これを通じて組織の躍動性を引き上げて、現場の営業に力も植え付けようという趣旨だ。

サムスングループによると23日、最近イ・ジェヨン副会長はサムスン電子をはじめとする主要系列会社に「海外駐在員を減らすように」と通知した。インターネットを含む様々な方法を通じ、海外ニュースを把握して業務を行うことのできるグローバル時代に、駐在員をあまりにも多く送り出しているのは問題だという状況認識だ。対面営業が必ず必要であれば、すぐに出張しても十分に可能だという判断からだ。

イ・ジェヨン副会長が駐在員削減を、優先的に念頭に置いている地域はヨーロッパだ。ヨーロッパのような先進国は駐在員の滞在費用が高価なのに対し、市場が熟してビジネスの成果は新興市場より少ないからだ。

また、欧州では主要市場が欧州連合(EU)に一本化されているにもかかわらず、海外駐在員がEU加盟国ごとにほとんどの国に派遣されており、業務の重複が多いという指摘がある。実際に、サムスン電子は現在50カ所の海外法人を運営中だが、このうちのほぼ半分にせまる22ヶ所がヨーロッパ(ロシアを含む)地域に集中している。サムスン物産の商事部門も、全体の3分の1ほどの海外法人が欧州に位置している。サムスン電子はヨーロッパ地域だけで200人前後の駐在員が活動しているものと推定される。

サムスン電子の営業担当役員は、「半導体をはじめとする電子部品の企業間取引(B2B)営業は、中国と米州地域にほとんど移った」とし、「韓国本社の幹部も過去には欧州出張が多かったが、最近では中国と米国に集中しており、日本への出場機会もかなり減った」と説明した。

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  • < サムスン電子のグローバルネットワーク >

ヨーロッパはノキア(Nokia)をはじめとするグローバル電子企業が衰退しつつ、サムスン電子部品の供給を受けるところが減ったことも原因だ。

グローバルな市場環境が急変した状況で数十年前に構築された海外営業網と駐在員の数を、いまや調整する時になったというのがグループ内外の分析だ。むしろ市場が急速に成長している新興国に向かって駐在員を移すべきだという判断も、今回の海外駐在員の調整決定に作用したという評価だ。このため、イ・ジェヨン副会長は最近、中東やアフリカ・南米などの新興市場では、営業状況に応じて駐在員をさらに増やしてもいいと指示したことが分かった。このような市場であるほど、現地で直接取材や営業力が重要だという判断からだ。

サムスン関係者は「むやみにコストを削減するために海外駐在員を減らせというものではなく、営業力が必要なところは数字を増やし、営業が安定した先進国市場は現在よりも減らそうという意味」だと説明した。

このような方針は来月中旬に予定されている、サムスン電子のグローバル戦略会議でも取り上げられる見通しだ。全世界の法人長を含めて約500人が参加して、1泊2日で開催されるグローバル戦略会議では、危機克服のための方策とコスト削減と営業力の強化策を同時に模索する予定だ。

一方、見た目よりも実用性を重視するイ・ジェヨン副会長の実用主義は、専用機の売却でもそのまま現れた。去る9月、サムスンは保有している専用機3台と専用ヘリコプター6台を大韓航空側に売却する交渉を開始した。海外出張時に民間航空機を利用することができるならば、あえて専用機にこだわる理由はなく、必ず専用機が必要な場合は借りればというのがイ・ジェヨン副会長の判断だ。
  • 毎日経済_ソン・ソンフン記者/イ・スンフン記者/アン・ジョンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-11-24 00:03:09




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