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韓国電力、ヨルダンで風力発電所の電力販売契約を締結


  • 韓国電力、ヨルダンで風力発電所の電力販売契約を締結
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韓国電力公社(以下、韓電)は中東地域ではじめて、再生可能エネルギー分野の電力販売契約を受注した。産油国が集まっているこの地域で低油価基調が長期化するやいなや、再生可能エネルギーを新たな発電源として認識し始め、韓電は新たな機会を捉えて成果物に連結させたわけだ。今回の契約はヨーロッパ系の庭先を初めて開拓したという点でも意味があるという評価だ。

韓電は14日、現地時間で13日にヨルダンのアンマンで、ヨルダン電力公社(NEPCO)と今後20年間で5億1000万ドル規模の風力発電所の電力販売契約を締結したと明らかにした。その風力発電所は、ヨルダンの首都アンマンから南に150キロメートル離れたフジェイジュ(Fujeij)地域に89.1メガワット規模で建設される。

2016年から約1億8000万ドルを投資して風力発電所を建設し、2018年から稼働に入る予定だ。この時から韓電は発電所を運営し、ヨルダン電力公社に電力を販売して毎年約2600万ドルの収益を創出することが期待されている。

実際に今回の事業は2013年の初めに、韓電が優先交渉対象者として選定されたことがある。

しかし、この2年余りのあいだは競合他社の牽制などで本契約の締結が遅れたし、事業が失敗に終わる危機にも直面した。趙煥益(チョ・ファンイク)韓電社長は、この2年余りのあいだに2度ヨルダンを直接訪問し、エネルギー鉱物資源省とヨルダン電力公社の核心人物に会って説得を試みた。チョ社長は2013年、大邱世界エネルギー総会にヨルダンの高位関係者を招待して念を入れた。チョ社長はアジア・太平洋電力総会でヨルダンの関係者をヘッドテーブルへ招待するなど、最高の礼遇を行った。韓電は中国の内モンゴル風力発電所を運営して積み重ねたノウハウと技術力などをヨルダン側に集中的に広報した。

難航を重ねていたヨルダン風力発電所の契約に勝負が見え始めたのは、昨年4月の韓電のアンマンアジア発電所竣工式だった。ヨルダン電力の15%を供給している大型ディーゼル発電所の竣工式に出席したヨルダンのアブドッラー・エンスール首相、ヨルダンエネルギー省のイブラヒム・サイフ長官などが韓電に深い信頼を示した。適期に竣工した点に対する信頼度もあったが、何よりもシリアから入ってきた難民で電力不足の深刻化したヨルダンが、安定した電力供給源を確保するきっかけになったためだ。当時、アブドッラー・アル=ヌスール総理はチョ社長の手をぎゅっと握って、「スクランケプコ(ありがとう韓電)」と言うほど、深い謝意を示した。

ヨルダンにはここ2年間で、全人口の20%を超える140万人の難民がシリアからやってきた。

去る9月、アブドラ2世ヨルダン国王が訪韓して、朴槿惠(パク・クネ)大統領と首脳会談を行い、両国間の電力・エネルギー分野での協力を強化することにしたのも、ビジネスの成功の背景となった。韓電は2008年ヨルダンのアル・カトラナ (Al Quatrana)複合火力発電所(373メガワット)、2012年アンマンディーゼル発電(573メガワット)に続き、今回の風力事業まで受注に成功することにより、ヨルダンで重要な民間資本発電事業者としての地位を確保した。

韓電は3つの事業でヨルダン電力の23%を供給することになった。また、中東地域で原子力、火力と再生可能エネルギーにいたる発電ポートフォリオを構築することになり、中東地域への進出がさらに弾みを受けると予想される。

今回の事業は、ヨーロッパ系が独占している風力発電電力の販売市場で、韓電が単独で100%投資して成功した最初の事業という意味もある。

チョ社長は、「全世界的に2030年には再生可能エネルギー分野の発電容量が現在の2倍に達するだろう」とし、「韓電は今回の事業の成功を足場に、ヨルダンのほか中南米やアジアなど全世界に海外事業を拡大したい」と語った。
  • 毎日経済_パク・ヨンボム記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-12-14 19:18:51




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