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2006年4月から10年…世界テレビ市場シェア1位をキープするサムスン電子

「グローバル1位10年」サムスンのテレビ神話は続く 

  • 2006年4月から10年…世界テレビ市場シェア1位をキープするサムスン電子
  • < サムスン電子主なTV製品 >

2006年4月、サムスン電子水原事業場(現サムスンデジタルシティ)。

テレビ開発を担当する映像ディスプレイ(VD)の事業部で歓声が上がった。まさかのことが現実になったためだ。世界テレビ市場では絶対やぶることのできない壁に感じられた日本のソニーを抜いて、サムスン電子が市場シェア1位になったという成績表を受けとったのだ。

兆しは2005年からだった。第3四半期にサムスン電子が10.3%のシェアでソニーと同率を記録したのだ。サムスン電子の内部では、「このまま行けばやり遂げる」という期待感に膨らんたが、第4四半期の成績表はソニー18.8%とサムスン電子11.2%で、桁違いを見せて締め切られた。 「ジャックポット」は2006年、ついに爆発した。 VD事業部が1年間準備して披露した「ボルドーテレビ」が市場で爆発的な反応を見せ、全世界で300万台が売れたのだ。 35年のあいだ鉄壁だったソニーを崩した、「サムスンテレビ世界1位」神話の始まりだ。

9年連続で世界テレビ市場で1位を走ったサムスン電子は、今年もこの座を無難に維持すると思われる。市場調査会社のディスプレイサーチによると、今年第3四半期の数量ベースでのサムスン電子の世界テレビ市場シェアは26.3%で、2位のLG電子(13.8%)を大きく上回っている。ソニーは8.2%で一桁にとどまっている。業界ではサムスン電子が10年連続で世界1位の座を堅固に守ると見ている。

今は華麗に見えるテレビ事業だが、2000年代の初頭まではテレビはサムスン電子で赤字だらけの厄介者だった。製品不良率も高くデザインもよくないという指摘の中で、世界市場でのシェアはいつも4~5%水準だった。

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  • < 10年間1位を疾走したサムスン電子のテレビ >

最大のテレビ市場である北米での不振はさらにひどかった。 10位圏に進入したこともまれだった。サムスン電子の元老役員は、「店頭の真ん中にソニーとパナソニックのテレビは立派に展示されていたが、わが社の製品は片隅にほこりがいっぱいたまったまま置かれていた」とし、「洋服の袖で汚れを拭き取って涙を流した記憶はまだ生々しい」と回顧した。

テレビ事業に反騰を引き出したのは尹富根(ユン・ブグン)コンシューマエレクトロニクス(CE)部門社長だ。サムスン電子の一流事業部門である半導体の人材をテレビ部門に配置して技術力を高めた。 テレビがアナログからデジタルに変わり、多くの技術的な障壁が消える流れを事前に把握して、デザインの強化にも乗り出した。ワイングラスを連想させるボルドーテレビや、二重射出方式を採用してテレビをガラスで包んだような感じを与える「クリスタルローズテレビ」などは消費者を興奮させた。

金融危機に見舞われた2009年には、既存のテレビより1.5倍ほども高価なLEDテレビを出荷した。これはテレビの光源を蛍光灯からLEDに変えた製品だ。光源が小さくなり、テレビの厚さも29ミリメートルの指の太さほどに薄く作られた。

LED技術はソニーも既に開発した状態だった。

しかし世界金融危機で世界経済が凍り付くや否や、製品の出荷を躊躇した。ユン社長はこれに屈せず果敢に発売決定を下し、発売6週めで20万台を販売する成果を上げた。 LEDテレビは高価格のプレミアム市場を開拓する結果にもつながった。

最近、ユン社長は役員会で「2016年は11年連続で世界テレビ1位ではなく、新たに開始する1年という覚悟を持って、初心に戻ってテレビ市場に挑戦しよう」と呼びかけた。
  • 毎日経済_イ・スンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-12-16 20:04:13




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