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サムスン「危機経営」宣言、コスト削減と高付加価値製品の開発を強調

「一にも二にもコスト削減」ベルトを引き締めるサムスン 

  • サムスン「危機経営」宣言、コスト削減と高付加価値製品の開発を強調
米国の基準金利引き上げや新興国の資金離脱など、グローバルな景気が「視界ゼロ」に走りあがる状況から、サムスンは「危機経営」を宣言した。サムスン電子が1年ぶりに開催した、グローバル戦略会議でのことだ。コスト削減と高付加価値製品の開発を通じた危機克服戦略に、議論の焦点があわせられた。最近、米国の金利引き上げにくわえて、来年には新興国の景気悪化をはじめとするグローバル経済の不確実性は、これまで以上に大きくなったという内部診断によるものだ。

サムスン電子は去る16日から18日まで、京畿道水原(スウォン)のサムスンデジタルシティで、国内外の主要な役員500人余りが集まってグローバル戦略会議を開き、来年度の経営戦略と競争力強化策に対して議論を行ないこのように決めた。

今回の戦略会議では部門別の最高経営陣はもちろん、海外法人長らまで参加した。尹富根(ユン・ブグン)消費者家電(CE)部門社長と申宗均(シン・ジョンギュン)携帯電話(IM)部門社長、李相勲(イ・サンフン)経営支援室長(CFO)など、主要役員400人あまりが参加した。権五鉉(クォン・オヒョン)部品(DS)部門副会長が主催する会議は来る22~23日、京畿道器興の華城(ファソン)キャンパスで開かれる。

会議の全般的な話題は「危機管理」だ。モノのインターネット(IoT)やスマートカー事業のような新事業のアイデアも多く議論されたが、生存のための危機対応戦略が議論の主をなした。会議に参加したある役員は、「米国の金利引き上げを信号に、新興国の景気が悪くなることがありうるという見通しが出てきて、会議の雰囲気は全体的に悲壮だった」とし、「今年に続き来年も危機経営を継続する必要があるため様々な分野でのコストを統制し、不要な出張も減らす方向に意見が集められている」と明らかにした。特にイ・サンフン社長の主宰で開かれた電子部門の戦略会議では、コストを削減できるというアイデアをたくさん出してほしいという注文が出た。

危機経営に基づいて、経営戦略も変化が予想される。別のサムスン電子の役員は、「世界的な景気は不安定だという判断で、より弾力的な価格政策とマーケティング戦略を構想するように注文が出てきた」と語った。

この役員は特に「危機の時であるほどプレミアム製品がよく売れるので、サムスン製品の価格を高めることができる方案に対する討論が主だった」と説明した。

無線事業部門では、ソフトウェアの強化案が重点的に議論された。今回の会議でシン・ジョンギュン社長は「アップルだけでなく、中国の競合他社の攻勢がますます激しくなっている」とし、「新製品の先制的発売を通じて市場主導権を握っていかなくてはならない」と語った。 IM部門は初めて開発室が2つに分かれ、ソフトウェアとハードウェアの首長がそれぞれ任命された。

消費者家電部門会議でユン・ブグン社長は、「10年間世界テレビ1位を達成したことに満足することなく初心に帰ろう」とし、「米国の金利引き上げの後遺症を綿密に探ってほしい」と頼んだ。 テレビ事業の場合は昨年から今年の上半期までに、ロシアやブラジルなどの新興市場の為替レートが揺れたことから困難を経験した。

経営支援室を担当しているイ・サンフン社長は、不必要な経費を削減することを強調した。

サムスン電子は毎年6月と12月の2回にわたり、グローバル戦略会議を開いている。今年の上半期はマーズ(中東呼吸器症候群)事態のためにキャンセルされたことから、1年ぶりにグローバル戦略会議が開催された。

サムスングループの社長団は来る28日、崔志成(チェ・ジソン)サムスングループ未来戦略室長(副会長)の主催で、京畿道龍仁(ヨンイン)の人材開発院で最高経営責任者セミナーを開く予定だ。
  • 毎日経済_ソン・ソンフン記者/イ・スンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-12-18 17:28:05




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