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主力製品の需要が萎縮するサムスン、対策作りに苦心

「需要のカベ」はばまれたサムスン電子… SW・スマートカーパーツで突破口 

  • 主力製品の需要が萎縮するサムスン、対策作りに苦心
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世界的な「需要のカベ」に阻まれたサムスン電子は、ここから抜け出すための対策作りに苦心している。スマートフォンや半導体など主力製品の需要が萎縮する状況で、現在のみにとどまっては3~5年後の近い将来に自信を失うという判断からだ。

李明振(イ・ミョンジン)サムスン電子IRグループ専務は28日、「2015年第4四半期の経営説明会」で「今年は全体的なIT需要弱傾向で、昨年レベルの実績を維持することは容易ではないと予想される」と打ち明けた。

▶ 半導体・スマートフォンの下落

サムスン電子は、昨年の年間ベースの売上高は200兆6500億ウォンで前年比で3%減少したが、営業利益は5.5%増の26兆4100億ウォンを記録した。一見すると良い成績だが、サムスン電子の悩みはここから始まる。

主な事業部門である携帯電話(IM)と半導体・ディスプレイ(DS)の実績は、四半期ごとに低下する傾向を見せているからだ。 IM部門は昨年の第4四半期の売上高と営業利益は、第3四半期に比べてそれぞれ6%と7%ずつ減少した。 DS部門は同じ期間の営業利益は36%も急減し、1年ぶりに3兆ウォンを割り込んだ。

業績不振は4つの部門(半導体・ディスプレイ・携帯電話・家電)と、差別化された新しい成長動力の発掘にサムスン電子が不振であることが一つの要因としてあげられる。サムスンは2010年にグループレベルで推進した5大新樹種事業のうち、サムスン電子が担当していた太陽電池・発光ダイオード(LED)・医療機器はすでに事業から撤退したり、事業動力を失って漂流する状況だ。

全体的な世界的需要の減少もサムスンに危機となっている。市場調査会社のカウンターポイントによると、グローバルなスマートフォン市場は今年、史上初めて一桁の9%成長にとどまると予想される。作りさえすれば無条件に売れた時代はすでに終わったということだ。

さらに懸念されるのは、平均販売価格の低下だ。昨年は一台当たり247ドルだった平均販売価格は、今年は240ドルで来年には231ドルに着実に落ちると予想される。プレミアム製品よりも中・低価格製品の成長がより大きいことから起る現象だ。

イ・ガグンKB投資証券アナリストは、「プレミアム市場で製品を販売し利益を出さなければならないサムスン電子としては、現在の市場の流れは歓迎できない」とし、「技術力と価格競争力を備えた中国企業の挑戦も無視できない課題」だと説明した。

半導体とディスプレイ市場も状況は似ている。 PCとスマートフォンの需要が減り、半導体需要もともに減少している。 LCDパネルはBOEをはじめとする中国企業の生産が加速し、需要は減っているのに過剰供給が起こる典型的な「チキンゲーム」の状況になっている。結局、急激な価格下落に耐えられる企業のみが生き残る、激しい環境に変わったわけだ。

不確実な環境が続くなか、サムスン電子は今年の具体的な投資計画も立てられずにいる。昨年は半導体部門に14兆7000億ウォン、ディスプレイに4兆7000億ウォンなど、総25兆5000億ウォンの投資を執行したサムスン電子は、今年は「市場の状況に対応して決定する」という反応だけ出した。

▶ 復活のための体質改善

サムスン電子は経営環境が困難な時ほど、危機突破のための総力戦を展開するという覚悟だ。このため、IM部門はソフトウェアの能力強化を挙げている。ハードウェアだけではアップルのプレミアム製品と中国企業の低価格攻勢に対抗できないという判断からだ。昨年の組織改編では、無線事業部開発1室長にソフトウェアの専門家のイ・インジョン副社長を座らせて、S(スーパー)級の人材獲得も急いでいる。

DS部門は半導体微細プロセスの開発と量産、顧客確保に拍車をかける。半導体は、回路の線幅を狭くするほど電力効率とコスト競争力などが高くなる。まず10ナノメートル級DRAMプロセスを開発する一方で、20ナノプロセスで生産する割合を高める計画だ。 NAND型フラッシュメモリは、セル(メモリ最小単位)を垂直に積み上げた「V NAND型」製品の性能と容量を大幅に引き上げる方針だ。

サムスン電子は自動車と電子部品という、新たな領域にも挑戦する。既存の4つの部門にのみ執着していては企業の存続が難しくなる、無限競争時代が到来したためだ。

米国の市場調査会社のストラテジー・アナリティックス(SA)によると、世界の自動車電装部品の市場規模は、昨年の2390億ドル(約282兆ウォン)から2020年には3033億ドル(約358兆ウォン)に、27%ほど急成長する見込みだ。これは世界の半導体市場の規模に匹敵する。
  • 毎日経済_イ・スンフン記者/イ・ギチャン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-01-28 19:48:32




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