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LG、自動車部品事業に野心...スマートフォン・化学に継ぐ新しいキャッシュカウ


  • LG、自動車部品事業に野心...スマートフォン・化学に継ぐ新しいキャッシュカウ
  • <忠清北道の清原郡所在のLG化学・梧倉電気自動車バッテリー工場で、従業員が生産されたバッテリーセルをチェックしている。毎経DB>

「私たちが勝負をかけることに決めた分野は、事業責任者と直接深く議論して、正しく推進できるよう督励し支援する。私たちの強みの融・複合情報技術(IT)能力に創造性を加えて市場を揺らそう」

具本茂(ク・ボンム)LGグループ会長が去る3月の役員会議で、グループの新事業を強調して出した一声だ。

LGグループが家電とスマートフォン・化学の後を継ぐ新成長動力として、自動車部品事業とエネルギー・ソリューション事業を育成している状況では、具会長のこの発言は事実上、自動車部品事業を強調したものと解釈された。LGのある幹部は、「LG電子のスマートフォンは依然として見通しが不透明だ。化学のほうもまた新事業を探しているが、このような状況から自動車のIT化傾向に注目したもの」だと説明した。

具本茂会長だけでは無い。弟の具本俊(ク・ボンヂュン)LG電子副会長も、自動車側ビジネスへの関心がぐんと高まった。具本俊副会長は、昨年に自動車部品(VC)事業本部を新設したことに続き、今年1月には米国ラスベガスで開かれた「CES 2014」で自動車の展示場を直接訪れた。LG電子は4月末に開かれる中国の北京モーターショーでもブースを設ける予定だ。

昨年7月、「LG電子仁川キャンパス」を竣工し、自動車部品の研究・設計・テストなどの研究開発の中核人材約800人を常駐させたことも同じ脈絡からだ。

イ・オジョンLG電子VC事業本部長(社長)は、「仁川キャンパスに自動車部品の研究開発組織を集結し、LG電子の未来成長動力である自動車部品事業に活力を吹き込むわけだ。核心基盤技術の投資に集中し、グローバル事業の力量を早期に引き上げ、来たるべき環境にやさしい自動車部品市場をリードする計画だ」と強調した。

LGのオーナー兄弟が自動車部品事業に関心を見せる理由は、それだけ成功の可能性を見せている新事業だからだ。

電子部品メーカーのLGイノテックは、早くから車両用モーターの開発に入って、この分野の国内1位を走っている。車両用LED照明とカメラモジュールもまた、イノテックの主要な自動車部品事業だ。LGイノテックの関係者は、「昨年の時点で、自動車部品関連の売上は4500億ウォンで、全体の売上の17%を占めている。既存の製品のほか、車両用充電モジュールなどの製品を開発している」と語った。

LG化学の車両用バッテリー事業もまた国内では先頭走者だ。2次電池市場調査会社のB3によると、昨年の電気自動車市場でリチウムイオン・バッテリーの売上高はLG化学が1636メガワットで1位を占めた。2位のAESCと3位のパナソニックは日本のメーカー。4位はサムスンSDIだ。業界1位の企業であるLG化学はすでにGM・ルノー・現代起亜・フォード・ボルボ・長安汽車・第一汽車など10以上の顧客に車両用バッテリーを納品している。

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LG化学・LGイノテックなど、6社の自動車関連事業


昨年の売上規模、2兆ウォン超え


LG電子も事業部を新設して狙う


特にLG化学の2次電池事業もまたグループ全体の次元で、新事業の成功事例として挙げられる。具本茂会長が1992年の欧州出張中に2次電池に初めて接し、サンプルを国内に持ち込んで研究開発に入ることにしたという。日本企業が市場を先取りしている時だった。LG化学は日本企業が多く使うニッケル水素電池ではなく、充放電を続けても電池容量の減りが少なくて軽いリチウムイオン電池に勝負をかけた。電気自動車用バッテリーまで見据えた布石だった。2005年末に2次電池事業で大規模な赤字を記録するやいなや、周辺では事業を留保するべきではないかという意見も出たが、具会長は「やってみよう」と従業員を督励したという逸話は有名だ。

このほかにも、LGディスプレイは高級車両用ディスプレイ市場を集中攻略している。すでに起亜自動車「K9」にディスプレイを供給している。

昨年のLGグループ各系列社の自動車部品の売上を合わせると2兆ウォンを超える。LGイノテックのほかにLGディスプレイの売上は5000億ウォン、LG化学の電気自動車のバッテリーの6000億ウォン等を合わせたものだ。LG側は、今年は車両部品部門で3兆ウォンの売り上げを上げることができると期待する。

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このような状況では、スマートフォンの不振で新事業探しに血眼になったLG電子が、この分野に注目したのは当然の事だ。LG電子のある幹部は、「LG化学やLGイノテックなど、系列会社の自動車部品側で成果が出始めた点が(部品事業に)火をつけた。会社(LG電子)の実績があまり良くなく、従業員の士気が落ちた状況で、新しい脱出口を自動車に探しているわけだ」と雰囲気を伝えた。スマートフォンの不振を自動車部品側で挽回できるかもしれないという期待だ。LG電子は先の仁川キャンパス設立などを通じ、電気自動車などの環境対応車の全分野で事業可能性を窺っている。LG電子の関係者は、「ハイブリッド車両部品や自動車インフォテインメント部品、空調システムなどの車両用核心部品がその対象だ。まず研究開発を通じて技術力を育て、協力可能な完成車メーカーとのパートナーシップを強化する計画」と語った。

とは言え、LGがグループ次元で推進する自動車部品事業の拡大可能性に対し、市場の一部では、「大型キャッシュカウ」として定着させるのは容易ではないという診断も出ている。

いますぐ部品を供給しなければならない自動車メーカーとのパートナーシップを形成することは容易ではない。現在、LGグループにおける完成車メーカーの主要顧客はGMと現代などだ。ボルボ・フォード・BMW・ホンダなどと部品事業協力を議論しているが、はっきりした成果は出せずにいることが伝えられた。LG化学の電気自動車バッテリーだけでも、供給規模の面では世界1位を誇っているが、新たな顧客を見つけるところに苦労している。ある業界関係者は、「LG化学の主な顧客はGMと現代ほどだ。ところで、3000億ウォン以上を投資した米国の電気自動車バッテリー工場が昨年に稼動を開始したが依然として赤字だ。ちょっと前には、米国の電気自動車メーカーのテスラにバッテリー供給を推進して来たが、テスラは既存取引先の日本のパナソニックとともに総20億ドルを投資して直接バッテリの製造に乗り出すことになり、内部的に中断したと聞いている」と伝えた。

現代自動車に部品を納品するメーカーのCEOの話も似ている。

「自動車メーカーと自動車部品会社との間で、長いあいだの紐帯関係が形成されなければならない。現代自グループは現代モービスを系列社に持っており、世界第2位の部品メーカーのデンソーはトヨタ自動車の系列だ。GMとフォードはたとえ今では系列分離がなされたが、デルファイ社やビステオン社から半分近い部品の供給を受けている。既存の取引関係にあった各部品メーカーも、電池などを除けば電気自動車やスマートカー時代に備えて部品を研究開発している。これらよりもさらに優れた性能と価格競争力がなければ、完成車メーカーに部品を納品することは容易ではない。LGが家電分野では名門で通っているが、自動車部品では初心者だ」。実際、昨年に野心満々で出発したLG電子VC事業部門は売上を発生させていないのが実情だ。

完成車メーカーの牽制の雰囲気も存在する。現代自動車グループの幹部は、「LGが部品を供給するとは言っても、数多い部品メーカーの一つであるだけだ。電気自動車のバッテリーだけを見ても、現代自はLG化学から受けるが、起亜自動車のパートナーはSKだ。日本のメーカーやサムスンなど、他の選択肢もある。一部では、LGやサムスンなどがITを土台に完成車事業にも挑戦できるという話が出るが、こんな話がしょっちゅう出ると、部品事業で(完成車メーカーとの)緊密な協力はますます困難になる」と言い切った。

証券業界ではLGの自動車部品における野心の成否は、まずは電気自動車市場の成長にかかっていると見ている。ひとまず電子 - ディスプレイ - バッテリーにつながる多様な事業構図を構えただけに、市場が大きくなれば売り上げも同伴で成長できるだろうという論理だ。LG側も、今のところはバッテリーと車両用ディスプレイなどでは競争力を持っているので、いまのところ競争力のある分野から売上を増やしていくことは可能だという立場だ。LG化学の関係者は、「電気自動車市場の成長可能性ははっきりしている。まだ不足な点があるが、来年あたりには利益面でも意味のある数字を示すことができるだろう」と語った。
  • 毎経エコノミー_キム・ビョンス記者
  • 入力 2014-04-25 14:52:52