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不況のパラドックス...高価な食品だけがよく売れる

自分自身と家族を慰安に神経を使う「コクーン族」、プレミアム製品に財布開いて 

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続く不況に景気回復の見通しが不透明で、未来に対する不安がさらに大きくなり、自分と家族の慰安を最優先とする「コクーン族」が消費市場を支配している。コクーン族(cocoon族)は繭(cocoon)のように自分自身を保護するために、身をすくめる現代人を意味する。彼らは長期低迷でストレスが高まったぶん、これを治癒できるヒーリングとウェルビーイングにより執着する姿を見せるが、その結果、不況にもかかわらず高級感を出した高価な食べ物が通常商品よりもよく売れるパラドックスが続いている。

13日、ロッテマートによると、今年に入ってジュースやハムなどの主要な食品の全般に渡って、一般的な製品の売上は昨年よりも減少した一方で、これらより最高で6倍高価な高給商品の販売は急増したことが分かった。

まず、この1月から現在までの一般冷凍ジュースの売上は、前年同期との対比で34.1%も減ったが、搾汁方式の有機農冷凍ジュースは反対に24.3%増えた。オーガニックジュースは一般的なジュースよりも約3倍高いが、栄養素の損失が一般的な製品に比べて少ない「健康食」という考えに、買い求める手がめっきり増えた。実際に、一般ジュースと有機農ジュースをそれぞれ代表する「コールド」と「フロリダナチュラルジュース」の100ミリリットル価格を比較してみると368.4ウォンと1010.6ウォンで、フロリダナチュラルジュースが2.7倍も高い。

テグサルなど他の魚肉が主原料である一般的な「マッサル」(練り製品)も、「本物のカニ肉」を入れた高価な高級マッサルに押された。同じ期間内に、高給マッサルと一般マッサルはそれぞれ10.7%と-15.4%ずつ売上が増えたり減ったりして明暗が分かれた。

ごま油も同じだ。ミャンマーなどで作る主要大企業の製品売上は53.1%も暴落した中で、これより3倍も高い国産ごま油はなんと6倍ほども販売が増えた。

一枚あたりの値を計算すれば一般的な調味海苔(-5.6%)よりも6倍も高価な即席焼き海苔(67.6%)、一般的に「キムバプ(海苔巻き)用ハム」として知られる一般的な長方形ハム(-37.7%)、スモークして作る高級食品のベーコン(9.7%)も同様の結果が出た。

このような雰囲気は、既に昨年から感じられていた。昨年、ロッテマートでウェルビーイングを強調した「減塩醤油」の売上は前年対比で150%成長し、天然の水産調味料も37.1%も上昇した。一般的な醤油と既存の加工調味料が、それぞれ3%と17.8%ずつ売上が下がったこととは正反対だ。

高給食品だけを扱う百貨店食品館も、コクーン族の恩恵をたっぷり味わっている。

今年に入ってロッテ百貨店食品館の野菜と果物の売上は前年より6%、牛肉・豚肉など畜産の売上は5.8%増加し、同期間の百貨店全体の売上成長率(5.7%)を上回った。ここで売る野菜は半分以上がエコ農産物であり、牛肉は無条件に1等級以上だけを販売する。収入ソースやお菓子などが大部分の加工食品コーナーの売上も9.4%も上昇した。

新世界百貨店もまた食品館で販売された新鮮・加工食品の売上が4.8%増えたが、この期間に2.2%の上昇にとどまった百貨店全体の売上よりも倍以上に跳ね上がったわけだ。

健康のためならお金を惜しまないコクーン族の消費行動は、さいきん国内だけでなく全世界で同じように現れている。

■用語の説明
コクーン族:繭(コクーン)の中にうずくまっているの幼虫のように、危険な外の世界を避けて安全なものを追求する現代人を意味する。有機農食品を買い、高価な趣味に熱狂するなどの消費行動を見せるのが特徴だ。
  • 毎日経済_キム・テソン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-03-13 17:08:35




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