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サムスン電子とLG電子、高級テレビ市場をめぐり主導権争い

量子ドット対OLED…「高級テレビの主人公は私」 

  • サムスン電子とLG電子、高級テレビ市場をめぐり主導権争い
△写真=キム・ヒョンソクサムスン電子映像ディスプレー事業部長が今年発売したSUHDテレビを紹介している。[写真提供=サムスン電子]

韓国を代表する電子メーカーのサムスン電子とLG電子のあいだで、高級テレビ市場をめぐる主導権争いが加熱している。世界テレビ市場1位のサムスンが第2世代の量子ドット(QD/quantum dot)技術を採用したSUHDテレビを公開し、市場死守を念押ししたなかで、LGはOLED(Organic Light Emitting Diode/有機発光ダイオード)パネルの優位性を強調した製品で攻略に乗り出した。

22日、サムスン電子はソウル市瑞草区のサムスン電子多目的ホールでメディアデーイベントを開き、49型から88型までの総14モデルのSUHD テレビを公開した。今年発売したSUHD テレビは、LCDパネルにサムスン電子の第2世代OLED技術を採用して色の表現力を高めたことが特徴だ。

OLEDは髪の毛の太さの数万分の1に過ぎないナノサイズの半導体粒子だ。粒子一つ一つが色を表現するために、小さければ小さいほどより鮮明な画質の表現が可能となる。時間が経っても変わらない画質と耐久性も利点だ。サムスン電子は昨年、初めてこれを採用した製品を発表し、今年は画質を一段階アップグレードして発売した。

ナノ物質の専門家であるポール・アリビサトス(Paul Alivisatos)米UCバークレー大学教授は、「自然に近い色を表現することから、OLED技術は将来のディスプレイとして重要な役割を果たすだろう」と説明した。

サムスン電子は最大1000ニット(nit)の明るさのHDR(ハイダイナミックレンジ)をそのまま表現する「HDR1000」技術を全モデルに採用した。 1000ニットは縦横1メートルの平面にろうそく1000本を灯した明るさを意味する。ニット数が大きいほど画面の鮮明度が高くなる。 テレビを主に視聴する場所が明るいリビングルームであることを勘案すれば、HDR1000は画面の明るい部分と暗い部分をより細かく表現する。

映画『ヒマラヤ』を演出したイ・ソクフン監督は、「1000ニットの明るさは米国ハリウッドの映画会社で製作した高級映像の標準」だとし、「ヒマラヤをSUHD テレビで見ると雪が出てくる場面が明るく表現されて、さらにリアルな感じを受けた」と説明した。

今年出荷されたサムスンSUHD テレビは、スマートテレビ機能が強調された。このために、テレビリモコンひとつでテレビはもちろん、ケーブルテレビとIPテレビ、インターネット基盤のビデオサービスのためのセットトップボックス、ホームシアター、ブルーレイプレーヤー、ゲームコンソールなど、さまざまな周辺機器をコントロールすることができる。またテレビ画面で地上波放送やケーブルテレビ、ネットフリックスやゲームなどのコンテンツを、ボタンを2~3回押すだけですぐに選べるようにした。サムスン映像ディスプレー事業部のキム・ヒョンソク事業部長(社長)は、「今年の新製品には画期的なユーザー体験(UX)を提供するためのプラットフォームを搭載した」とし、「テレビは家庭のエンターテイメントハブ機能を果たすことになるだろう」と強調した。

LG電子はサムスンよりも先だって、16日にウルトラOLEDテレビの新製品6モデルを発売した。バックライトなしでピクセル一つ一つが光を出すOLEDパネルを採用して、自然に最も近い色を表現することが強みだ。 LG電子もHDR技術を採用し、波に映る月の光や不夜城を成す都心の夜景などを生き生きと映し出す。

LGの今年の新製品の中で「E6」シリーズは、OLEDパネルの背面に透明強化ガラスを採用して高級感を強調した。前後左右どこから見ても、一体感を生かしたなめらかな外観を見せる。さらに、テレビを設置した空間での音の反射角と響きまでを計算し、最適なサウンドを設定する技術も採用された。ニュースを視聴するときは声をはっきりと聞かせ、アクション映画を視聴するときは効果音を増幅させる機能も備えている。

サムスンとLGの両方ともに画質とデザイン、使いやすさなどで各社が改善された製品を公開したが、価格面ではサムスンの製品が多少有利な立場にある。同じ仕様の製品どうしをくらべてみると、サムスン製品はLG製品よりも30~40%ほど安いからだ。

サムスン電子はSUHD テレビ発売を記念して、来月末まで65型・55型のKS9500とKS8500シリーズモデルを購入した顧客には無償保証期間を5年に拡大して提供し、新製品の出庫価格も最大90万ウォンにまで下げた。 LG電子もOLEDテレビの普及のために、最大50万ウォンのキャッシュバックを提供する。
  • 毎日経済_イ・スンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-03-22 22:05:06




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