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米国政府高官が公正去来委員会を非公式に訪問…米国系企業調査への圧力か

米商務次官、公去委と「アヤシイ会見」 

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公正去来委員会がOracle(オラクル)社とQualcomm(クアルコム)社などの米国系企業に対する調査と審議を進めている中で、米国政府の高官が公正去来委員会を非公式に訪問した事実が遅れて確認された。このことから、これらの企業に対する公正去来委員会の決定が遅れているのは、米国政府の圧力のためではないかという疑惑が提起されている。

30日、複数の公正去来委員会(公去委)の関係者によると、ステファン・セリグ米国商務部次官が去る1月25日、オ・テヒ産業通商資源部2次官と公式に面談した直後、席を移して公正去来委員会のキム・ハキョン副委員長と非公式に面談を持ったことが明らかになった。公去委では、米国企業の利益を代表する商務部次官が公正去来委員会を訪問したことは事実上、初めてのことだとしている。

この席でセリグ商務次官は、「韓国の公正去来委員会が被調査企業の反論権を確保していない。これは韓・米自由貿易協定(FTA)の趣旨に反する行為」だという内容の発言を行ったと伝えられた。ただしセリグ次官は、現在公去委が調査・審議しているオラクルとクアルコムなど、具体的な企業名には言及していないと伝えられた。

とは言え、公正去来委員会の内部では事実上、オラクルとクアルコムの件と関連した無言の圧迫ではないのかという解釈が出ている。公去委の関係者は、「わが国の法体系上で反論権を充分に確保しているにもかかわらず、駐韓米国商工会議所(AMCHAM/アムチャム)や貿易代表部(USTR)などを介して、米国企業の抗議が多く行われる」とし、「最近は商務部次官までが訪問したので、遠回しに圧迫するのではないかという気になるしかない」と明らかにした。

また別の関係者も「現在調査中の事件があるという事実を知っていながらも、米国商務次官が来て被調査会社の反論権に言及したのは深刻な外交的欠礼」だと指摘した。特に、クアルコムの件はまだ審議手続きに入っていない状態であり、オラクルの件は昨年10月に最初の審議が始まって以来5カ月以上にわたって結論が出ておらず、疑惑が大きくなる状況にある。

もしもオラクルが企業用ソフトウェアの次期バージョンとからめて販売したという疑いが公正去来法違反として決定した場合、世界初の制裁事例になるだけでなく、他の国の競争当局の判断にも影響を与える可能性があり、米国と韓国政府の両方ともが神経をとがらせている事案だ。公去委の関係者は、「2006年のマイクロソフト(MS)や2009年のクアルコムなどに関する先例を見たとき、多国籍企業に関連する審査は事案が複雑で、審議の結論自体が遅くなる事例が往々にして発生している」と拡大解釈を警戒した。

一方、セリグ次官に会ったキム・ハキョン公去委副委員長は、「オラクルと関連するいかなる内容にも言及しておらず、反論権保障なども原則的な次元でのみ言及したものにすぎない」と明らかにした。

オラクルは全世界の企業向けデータベース管理システム(DBMS)市場の40%を占める、米国系の多国籍IT企業だ。 DBMSはコンピュータのオペレーティングシステム(OS)に加えて、企業がサーバーを構築する際に必すインストールする必要のあるソフトウェアだ。市場シェアが高いために互換性が良いという利点から、世界的に多くの公共機関・企業がオラクル製品を継続して使用している。オラクルは、これを土台に昨年は約44兆ウォンの売上げを達成した。オラクルはこのような市場の支配的地位を濫用したという理由で、韓国の公正去来委員会から調査を受けている。オラクル製品の韓国市場のシェアは約58%に達し、この4~5年間に維持・補修サービスを企業に販売する際に次期バージョンのソフトウェアをからめて販売したという理由から公去委の調査が進められている。

抱き合わせ販売を通じて、オラクルが2014年の一年で韓国市場で稼いだ金は2500億ウォンと推定され、これはオラクル韓国支社の売上げの約30%を占めている。公去委は、オラクルが市場の支配的地位を濫用して不公正契約を主導し、これによってIBMとマイクロソフト(MS)などの他の競合他社との公正な競争が行われていないという立場だ。

しかし米国政府と各企業は、韓国公正去来委員会のオラクルに対する調査について反論している。公正去来関連の弁護士は、「韓国と米国の法体系が異なることから頻繁に起きている問題」だと言う。米国の競争当局である連邦去来委員会(FTC)は通常、市場占有率が70%以上である場合にのみ市場支配的地位を通じて競争を制限しうるとし、調査に着手する。一方、韓国は市場支配者の地位の基準はシェア50%だ。

また、ステファン・セリグ米国商務省次官が指摘した「反論権」の問題も、法体系上の違いから誤解の素地になっている。裁判所の裁判手続と同様の審議手続きを踏むことになる場合、米FTCは競争制限行為を行った被調査企業だけでなく、その企業と競争関係にある企業の営業資料までを要求できる。しかし、韓国では競合他社が同意しなければ調査資料を被調査企業に開示することができない。つまりオラクルはIBMとMSが同意しない限り、これらが公正去来委員会に提出した資料をもとに競争を制限していないことを証明することはできない。
  • 毎日経済_ナ・ヒョンジュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-03-31 00:51:17




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