トップ > 数字経済 > 経済 > 円高により韓国産製品の価格競争力回復するか

円高により韓国産製品の価格競争力回復するか

日本「円高警報」…韓国の輸出、動き始めるか 

  • 円高により韓国産製品の価格競争力回復するか
  • < 超円高傾向を見せる円相場 >

日本円が6日、一時マジノ線のドル=110円台を崩して1年6ヶ月ぶりに最高値に突きあがった。これはアベノミクスの一つの軸だった円安基調が折れつつ、再び円高に向かって方向をとったのではないかという分析が注意深く出始めている。

特に、円が2014年10月の第2次量的緩和以前の水準に戻ったことに対し、「量的緩和の薬効は以前と同じではない」とし、円の傾向転換を展望する声に力が乗せられている。

6日(現地時間)、米ニューヨーク外国為替市場で、対ドルでの円は場中で109.94円まで急騰し、2014年10月以来の18カ月ぶりに最高値を記録した。米国の金利引き上げ延期の動きと原油価格の下落、中国などの新興国の景気減速による安全資産への選好現象が複合的に作用した余波だ。市場は円が2014年10月末の第2次量的緩和の断行前に戻ったことに注目している。

この日、110円が崩れたのは第2次量的緩和はもちろん、日本銀行が今年1月に電撃導入したマイナス金利の効果さえ消えたという意味だ。

内田稔三菱UFJ銀行チーフエコノミストは、「日本銀行の金融緩和が円安を誘発する構図が崩壊した」とし、量的緩和はもはや円高を止める特効薬になることは難しいと診断した。

グローバル投資銀行(IB)の中でも、円高傾向の見通しを出すところが一つ二つと増えている。国際金融センターによると、JPモルガン(103円)バークレイズ(100円)、モルガン・スタンレー(106円)などは、円は今年末にはさらに上昇すると見込んでいる。

安倍晋三政府も緊張している様子がありありと見える。アベノミクスは「円安→企業業績の改善・株価上昇→投資・賃金上昇→消費促進→デフレ脱出」という好循環の構造を狙っている。しかし、円高に方向をひねるとすべてが食い違う可能性がある。

安倍政府は予算の早期執行と補正予算などの第2の矢である財政拡大を急いでいるが、最も大きく依存してきた第1の矢の量的緩和効果が鈍くなっているのは致命的だ。

市場は今月末の日本銀行の金融政策決定会合に注目する。日本銀行が行動に乗り出した場合、量的緩和を今よりも10兆~20兆円拡大したり、マイナス金利をさらに下げるような対応に乗り出すと予想される。一方、日本銀行がうかつに最後の切り札を取り出すよりも、口頭介入を行いつつ推移を見守るという見方もある。

日本政府のスポークスマンである菅義偉官房長官は前日、「外国為替市場の動向を緊張感を持って注視している」と述べるやいなや、しばらく円安に転換した。

円高は通常は韓国産製品の価格競争力の回復を意味する。

しかし専門家らは、例年のようにはならないと見ている。韓・日両国ともに製造業の基盤を海外に移転して、円高が必ずしも国産製品の輸出好調にはつながらないという判断だ。特にKOTRAによると、日本の製造業の海外生産比率は2001年の25%のレベルから2015年には37.7%に増えたと推測された。

産業研究院のイ・ハング専任研究委員は、「円高が輸出の助けにはなるだろうが、例年ほどではない」とし、「韓・日両国ともに大企業の多くは生産拠点を海外に移転したうえに、わが国の中小企業は世界的な需要鈍化で大きな影響を受けている」と説明した。

現代経済研究院のイ・ジュンヒョプ研究委員は、「金融不安定性が大きく、安全資産を好むために円が上がったので、わが国の経済に必ず肯定的だとは言えない」とした。また、当分の間はウォンが円にともなって強気を示すことがあるという見方もある。

4月の米国財務部の為替報告書の発表を控えており、外国為替当局が消極的なうえに、経常収支が48カ月連続で黒字を見せたことがウォン高の要因として分析される。

韓国経済会長を務めた延世大のキム・ジョンシク経済学部教授は、「本格的な米国の基準金利引き上げに対するシグナルがある前には外国資本の流入が持続されて、ウォンが継続して強気を示す可能性がある」と説明した。
  • 毎日経済_東京=ファン・ヒョンギュ特派員/ソウル=イ・サンドク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-04-06 19:45:32




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア