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素材産業も中国に食われる危機

単純組立から「チャイナ・インサイド」に領域拡張/繊維・化学素材など65%、対中国競争力悪化 

  • 素材産業も中国に食われる危機
「中国素材メーカーが自生力を備え、攻勢的マーケティングを展開しているという現地の報告を折々に受けています。今まではうまく防御してきたが、これからが問題です。ついてくることが難しい、高付加価値素材の開発にさらに注力するしかないです」。

第一毛織のある人物は、中国の素材産業の足早の動きにたっぷりと警戒心をあらわした。

国内合繊メーカーに中国発の警報がかかって久しい。合繊原料であるカプロラクタムの場合、昨年の中国輸出量は前年より90%以上急減した。テレフタル酸(TPA)は43.5%減少した。

中国は今年、合成ゴム・ポリプロピレンの生産規模を大幅に増やす予定とかで、これらの品目の対中輸出の打撃が懸念される。

中国素材産業の躍進が韓国素材産業の座をすばやく侵犯している。特に中国との素材産業の競争力を一対一で比較した「韓・中貿易特化指数」は2004年の0.38から2010年に0.25、2013年には0.19に、ますます墜落している。

貿易特化指数が1ならば、韓国が中国に完全な輸出優位を、-1の場合は完全に劣位になるという意味だ。

ハン・ジェジン現代経済研究院研究委員は、「まだプラスということは、韓国が中国に素材の輸出競争力を持っているという話だが、年を追うごとに落ちている」とし、「今のような傾向が続けば素材競争力の韓・中逆転現象が数年内に現れるだろう」と指摘した。

中国は、韓国・日本・台湾などの素材や部品を輸入して単純に組み立てる製造工場の位置に満足していたが、数年前から製品の中に入れる内容物まで直接作るという野心を隠していない。「メイド・イン・チャイナ」から「チャイナ・インサイド」まで、産業戦略の領域をさらに広げているわけだ。

実際、中国政府は自国の素材・部品を主要産業分野で一定割合以上使うように決めている。

伝統的に、素材産業は短期間内に競争力を高めることは容易でない分野だ。産業通商資源部は、韓国の汎用素材は世界レベルの競争力を持ったが、金属・化学・繊維などの主要素材は、先進国と4~7年のギャップを帯びていると把握した。

特に対日貿易赤字の40%ほどが素材分野で発生している。対日貿易赤字で素材産業が占める割合は、過去10年の間に30%から40%に増え、素材部門の対日格差をなかなか狭めることができずにいる。

こうした中に中国が韓国の産業を猛追撃して、韓国の素材競争力が「ナットクラッカー」様相に陥った。中国の素材産業の成長は、研究開発(R&D)や人材・設備の全面的投資が後押ししている。素材分野の対中貿易収支の黒字は2010年85億ドルで、最近10年あまりは頂点を極めた後、2011年82億ドル、2012年77億ドル、2013年72億ドルと、毎年減っている。

現代経済研究院の「韓・中素材産業の競争力分析と示唆点」報告書によると、繊維・化学・ゴム・プラスチック・非金属・1次金属の31品目のうち20品目(64.5%)品目で、韓国の対中競争力が急速に弱体化していることが分かった。

現代経済研究院はまた、31品目の素材産業のうち21品目で、韓・中のあいだで輸出競争が激化する様相を見せていると付け加えた。

経済専門家らは高付加価値素材技術の発掘と、革新型素材産業の育成が急務だと口をそろえる。特に素材産業の品目別競争力を検討し、具体的な高度化戦略を模索する必要がある。
  • 毎日経済_ファン・イニョクク記者/ソン・ジェグォン記者/キム・ユテ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-03-06 17:24:10




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