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サムスン内部での独自開発から「オープンサムスン」へ変化

スタートアップへの投資増やすサムスン…成長戦略変える 

  • サムスン内部での独自開発から「オープンサムスン」へ変化
  • < サムスン電子、海外の株式投資の現状 5 / サムスン電子が今年第1四半期に株式取得したスタートアップ企業 >

サムスンは成長戦略を変えているのだろうか。これまでは高度な技術をサムスン内部で独自開発することに集中した「純血主義サムスン」であるならば、いまや有望な技術を保有している企業であれば買収・合併(M&A)、または資本参加を通じて直接技術を抱え込む「オープンサムスン」への変化を試みている。

実際に、サムスン電子は今年の第1四半期だけでも米カリフォルニア州に本社を置くセンシフリーをはじめとする、海外スタートアップ5社へ株式投資したことが分かった。センシフリーの株式15.09%を買い取り、ユニスペクトラル(7.76%)、ケイシャ(2.06%)、ジオメド(2.16%)、ボットホーム・オートメーション(0.99%)などにも株式投資した。スタートアップであることから金額は10億~30億ウォン水準だが、海外法人の投資そのものに意味を置く雰囲気だ。

サムスン電子の海外非上場社に対する株式投資の企業数だけを見れば過去最大だ。 1995年に海外拠点の確保という次元で、1年間に海外の他法人8ヶ所に株式投資したことがあったが、今回のように事業と関連し、第1四半期だけで5ヶ所に株式投資を行ったのは初めてだ。

2010年以後の海外他法人への株式投資をみると、毎年1~2ヶ所ほどにとどまり、最も多かった2014年度も4ヶ所にとどまった。ただし、これまでは主に海外拠点の確保を目的として、非上場法人の株式投資に乗り出したとすれば、最近になってサムスン電子の事業と関連した海外スタートアップの株式投資に変化する様子だ。

業界ではこれまでスタートアップへの投資に消極的だったサムスンのスタイルに照らしてみると、このような変化は非常に鼓舞的だという反応だ。

サムスン電子の関係者は、「これまでは尖端技術を有している他法人の株式投資や買収意見を出せば、サムスン内部でなぜそれを独自に作れないのかという叱責が多かったのが事実」だとし、「このような雰囲気はサムスンだけでなく、他の国内企業も同じ」だと説明した。海外スタートアップへの株式投資自体が、ややもするとその部門の技術力が他の企業よりも押されるという認識を与えうるという負担も作用して、慎重にならざるをえなかったのは事実だ。

代表的な例がサムスンペイだ。昨年初めてリリースしたサムスンペイも、実際には海外企業を積極的に買収して出した成果だ。クレジットカード情報を盛り込んだ機器を磁気決済端末に置くと決済される源泉技術を持っていたソフトウェア企業のループペイを買収し、一気に市場に打って出られるきっかけになった。しかし、サムスン内部では激しい議論が行われた。無線事業部の内部でもサムスン特有の雰囲気に押されて、ループペイの買収に対して反対意見が多かったという裏話だ。最終的にはサムスンペイが大成功を収め、海外スタートアップの株式投資や買収に対する認識もかなり変わることになったと伝えられた。

このような結果が今年の第1四半期の、海外スタートアップへの大挙株式投資につながったという裏話だ。

サムスン電子が今年の第1四半期に株式参加した企業を見ると、サムスンの将来の事業に対する深慮をうかがうことができる。各種の尖端センサー開発のスタートアップとモバイル用の技術、非接触方式の技術を持つ企業に集中した。

特にウェアラブル機器とカメラ、バイオ機器、測定機器などで使用するセンサー技術の開発企業に関心が高かった。「CESアジア2016」のゲイリー・シャピロ全米消費者技術協会(CTA)会長は最近、IT業界最大のキーワードとして明らかにした「センサーライゼーション(SENSORIZATION)」が既に進行していることを知ることができる。

センシフリーの場合、ウェアラブル機器を使用する際に接触していなくても、健康やバイオ、運動関連のデータを認識できる技術を保有している。イスラエルのスタートアップ企業ユニスペクトラルは、スマートフォンのカメラに取り付けることができる超精密・超分光センサーを開発する企業だ。
  • 毎日経済_ソン・ソンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-05-18 20:00:52




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