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サムスン電子、第2四半期の営業利益8兆ねらう…ブレクジット効果?


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ブレクジット(Brexit/英国のEU離脱)で世界経済が揺れ動くなか、サムスン電子は内部的には「表情管理」に乗り出した。

景気萎縮にともなう需要の減少はすぐには確認できない一方で、ウォンの下落にともなう為替効果などはすぐさま反映されるからだ。米ドル対比でのウォンが低下するほど、輸出の多いサムスン電子の実績には肯定的な効果が現れる。製品価格が相対的に安くなって価格競争力が生じ、同じ利益規模でもウォンに換算すると増えるという原理だ。

業界によると28日、来月7日に暫定業績を発表するサムスン電子の第2四半期の営業利益は8兆ウォンに迫ることが分かった。サムスン電子は今年3月に発売したギャラクシーS7の販売好調で、第1四半期も予想よりも高い6兆6800億ウォンの営業利益を記録した。第2四半期には営業利益がさらに増えるだろうという話だ。

証券情報会社のエフアンドガイドによると、サムスン電子の第2四半期の営業利益の有価証券コンセンサスは現在7兆2299億ウォンだ。しかし業界はこれよりも高い7兆7000億~7兆8000億ウォンになると推定している。ここ最近の為替効果まで考慮すれば、8兆ウォンまで見渡すことができるという分析だ。

サムスン電子は今年の第1四半期にも、ウォンの下落で3000億ウォンの為替レート効果を見た。第2四半期は第1四半期にくらべて為替効果は大きくはないが、最近のブレクジットが助けになっている。

去る23日に1ドル=1150.2ウォンで取引を終えたウォンは、ブレクジットが確定した24日は1179.9ウォンで30ウォンほど下落した。 28日にもウォンは1170ウォン台にとどまっており、6月の実績集計に一部助けになると予想される。ブレクジットによる最も直接的な影響は、何よりも為替市場の「円急騰・ウォン急落」現象に現れている。

サムスン電子の関係者は、「需要萎縮という実体経済への影響は複雑な経路を通じて間接的に反映されるために時間がかかり、その余波がどの程度になるのかはまだ計ることが容易ではないが、金融部門には即時的な影響を与えている」とし、「需要萎縮はかなり後に起きる見通しで、金融市場でのウォンの急落はまさに進行中であり、当分のあいだ業績にはプラスの効果を与える見通しだ」と説明した。実物部門の萎縮と金融市場の混乱という二つの現象が、かなりの時差を置いて起きるという分析だ。

これにくわえ、売上げが減少しても営業利益は増えるように作られた戦略も功を奏した。圧倒的な技術と強力な原価管理を駆使して、業況不振を突破しとげたわけだ。マージンの低い中低価格製品よりも高価製品に集中し、営業利益を増やしておいた。

実際、昨年のギャラクシーS6と比較するとギャラクシーS7は新製品の発売以来、売上げの減少速度がゆるかったし、半導体もサムスンならではの製品を前面に出して、全体的な価格下落率を例年よりも遅らせた。

ユアンタ証券のイ・ジェユン アナリストは、「サムスン電子スマートフォン部門の第2四半期の営業利益は4兆5000億ウォンに達すると予想される」とし、「販売増加よりもマーケティング費用が予想に比べて少なく投入され、収益性が良くなっている」と分析した。

さらに製品工程とラインナップを簡素化し、製造コストを削減することでコスト負担を軽くしたことも重要な要因だ。最近、中低価格のスマートフォンでも営業利益率が上がっていることがこの部分を説明している。

テレビや冷蔵庫・洗濯機などの家電部門でも、売上げを増やすよりも利益を高める戦略を駆使し、収益改善に成功したと分析される。 テレビはUHD級のSUHDテレビを前面に出して、高級製品の販売を通じた営業利益の拡大を図っている。

現在の市場の主力であるフルHD級よりも4倍ほど鮮明な画質を提供するUHD級テレビは、フルHD級に比べて出荷を基準にして最大3倍近く高く売れる。これらのUHDテレビ市場で、サムスン電子は今年の第1四半期はシェア31.8%で1位を占め、第2四半期にもこのような基調が続くと分析される。

業界の関係者は、「今年の第2四半期はUHDテレビ市場のシェアが47.3%で、フルHDを10%ポイントほどリードすると予想される」とし「UHD市場が大きくなるほどサムスン電子の収益性が良くなる構造」だと説明した。

半導体でも、競合他社の20ナノプロセスへの切り替えが遅れて、第2四半期にたっぷりと恩恵を得た。第2四半期には第1四半期の営業利益率39.4%を超えるという見方もある。これにくわえて、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)が一般化し、NANDフラッシュ分野でも恩恵を得ている。

ソ・ヒョンチョル新韓金融投資アナリストは、「DRAMの現物価格が上昇するなかで、先物価格も影響を受けると思われる」とし、「第2四半期よりも第3四半期の業績をより期待してみるに値する」と説明した。
  • 毎日経済_ソン・ソンフン記者/イ・スンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-06-29 08:19:39




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