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サムスン電子の下半期CEOメッセージ「より多くの悩みと刻苦の努力を」

「5年、10年後の生存を保証することはできない」 

「今後5年、10年後にもサムスン電子が競争力のある企業として存在していると断言できない」。

サムスン電子は第2四半期、営業利益8兆ウォン以上のアーニングサプライズを記録するという証券業界の予測が出てくる中で、サムスン電子の経営陣は緊張感を緩めずに、「帯を締めなおして欲しい」という要請を役職員らに伝達した。利益が上がったといって安心せず、熾烈な競争環境の中で絶え間なく技術革新をしてほしいという注文だ。

サムスン電子は4日、代表取締役の権五鉉(クォン・オヒョン)副会長と尹富根(ユン・ブグン)そして申宗均(シン・ジョンギュン)社長3人の共同名義で、社内掲示板に発表した「下半期CEOメッセージ」を通じて危機に関する話題を投じた。最高経営責任者(CEO)らは、「今年はサムスン電子の成長と停滞の分岐点になる重要な年」だとし、「より多くの悩みと刻苦の努力をしてほしい」と頼んだ。

2010年以降、毎年5~10%の成長をしてきたサムスン電子は、2014年と2015年の2年連続で売上げが減少して業界に衝撃を与えた。昨年の場合、年間売上げはようやく200兆ウォンをこえ、成長の停滞に対する懸念が大きくなった。営業利益もまた2年連続で20兆ウォン台にとどまった。今年の初めには年間売上げは100兆ウォン台に墜落し、営業利益も20兆ウォンにも満たないという分析が出された。

これまでサムスン電子の不振の背景には、世界的な景気低迷による困難な対外環境に加え、主力事業の不振があげられた。

特に昨年、不振だったスマートフォン事業に対する懸念が今年も同様に出てきた。これに加えて半導体やディスプレイの価格さえも下落傾向に入り、社内でも「わが社はもう終わりか」という自嘲混じりの話さえ出てくるほどだった。

これらの懸念をひっくり返すかのように、サムスン電子は第1四半期に市場の予想を1兆ウォン以上上回る6兆6800億ウォンの営業利益を上げて、新鮮な衝撃を与えた。これに加え、第2四半期には8兆ウォン以上の営業利益が期待される。予期せぬ新製品スマートフォン「ギャラクシーS7」の善戦に加え、世界メモリ1位の半導体がきちんとその役割を果たしたからだ。

上半期の業績好調が続き、サムスン電子の内部では緊張の紐が緩んで解けたという指摘が出ている。特に下半期にはアップル社スマートフォンの新製品発売が予定されており、半導体に対する中国の国家次元の攻撃が始まったにもかかわらず、社員があまりにも受動的に対応しているという分析だ。このような姿を叱咤したのが下半期CEOメッセージだ。 CEOらは、「上半期の当社の収益性は改善傾向を見せているが、完全な成長傾向には戻れず、依然として不安定な状態」だとし「緊張の紐を離さずに、より挑戦的な下半期を開始してほしい」と強調した。

CEOらは世界的な経済低成長と金融市場の不安、経営環境の不確実性はさらにひどくなると診断した。特に最近、英国の欧州連合(EU)脱出(ブレクジット)による経済的な影響が、長い時間少しずつ経済に悪影響を与えると判断した。これは生き返りかけた世界景気に冷水を浴びせる、最大の暗礁の一つになったわけだ。

彼らは競合他社の積極的な投資と技術革新に対しても憂慮した。 CEOらは「下半期の新製品の発売準備に万全を期して、不確実な経営環境を克服するために働く方法を画期的に改善してほしい」とし、「変化に適応できる体質を備えてほしい」と注文した。

差別的な競争力の確保などを通じたサムスン電子の変身努力も、CEOメッセージに込めた。

CEOらは「コア技術を高度化してわが社の強みとし、消費者が望む経験と価値を提供しなければならない」とし、「実践的形式的に働く業務を変えて、新しい技術やアイデアを積極的に受け入れてほしい」と強調した。

CEOは、最近発表された内部カルチャー革新にも強調した。彼らは「斬新なアイデアが十分に出てくることができるように、組織内の開かれたコミュニケーションを強化し、創造的で水平的な組織文化を定着させてほしい」と注文した。
  • 毎日経済_ソン・ソンフン記者/イ・スンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-07-05 07:40:27




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