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サムスン電気「リスタート」非主力事業の構造調整、1年めで仕上げ


  • サムスン電気「リスタート」非主力事業の構造調整、1年めで仕上げ
  • < イ・ユンテ社長 >

昨年6月から事業の構造調整を行ってきたサムスン電気は、半導体テスト用部品事業の売却を最後に、一年余りの大長征を終えた。非主力事業の撤退・分社・売却などを通じて、選択と集中戦略をとってきたサムスン電機は、新事業を基盤に会社を換骨奪胎させる作業を稼動させている。受動部品と基板、カメラモジュールと通信モジュールを4大主力事業として、集中的に育成するという覚悟だ。これに加えて最近、新規事業として選定した次世代半導体パッケージング技術にも期待を寄せている。

4日のサムスン電気によると、今年最も期待をかけているのはカメラモジュールだ。国内だけでなく中国のスマートフォンメーカーのファーウェイ社やシャオミ社、レノボ社やオッポ(OPPO)社などが高画素とデュアルカメラモジュールの採用に乗り出して、売上げの成長が期待されているからだ。シャオミは下半期に発売予定の高級スマートフォン「Mi Note 2」にデュアルカメラを搭載する予定であり、サムスン電気が関連モジュールを供給することが伝えられた。

これとともにサムスン電気は、半導体パッケージング事業にも新規参入を宣言した。このために、天安(チョナン)にあるサムスンディスプレイの古い生産ラインの移管を受け、半導体パッケージ工場に転換する作業を進めている。サムスン電気が強みを持っている分野は、サムスン電子と共同開発した次世代半導体パッケージ技術の「ファンアウト・ウエハレベルパッケージ(FoWLP/Fan-out Wafer Level Package)」だ。

FoWLPはパッケージング前の段階である半導体チップ上で、入出力(IO)端子の配線を外に引き出してパッケージする技術だ。半導体パッケージ用プリント回路基板(PCB)を別途必要とせず、コストを大幅に下げつつパッケージ面積も削減することが可能だ。現在、この技術は台湾のTSMCが保有している。 TSMCはこれによってAppleのiPhone 7の頭脳にあたるアプリケーション・プロセッサ(AP)「A10」の製造を全て受注した。

業界関係者は「半導体パッケージング技術を通じて、サムスン電気はサムスン電子のAP競争力を高め、アップルなどの受注を得られるように間接支援できるだろう」と説明した。

サムスン電気はこれまで一年間、骨を削る構造調整を進めてきた。先月、半導体テスト用部品事業を国内の中小企業のYIK社に売却した。低温焼成セラミック(LTCC)と呼ばれるこの事業は、当初は事業部レベルでの分社も検討したが、最終的には売却で結論付けた。業界では売却代金として約300億~400億ウォンが行き来したと見ている。

  • サムスン電気「リスタート」非主力事業の構造調整、1年めで仕上げ
  • < サムスン電機の実績 / サムスン電機の事業再編日誌 >

サムスングループ内の代表的電子部品メーカーであるサムスン電気は、昨年6月から事業の構造調整に着手した。 2013年に営業利益4640億ウォンを出したサムスン電気は、2014年には17億ウォンに墜落した。売上げもこの期間に1兆ウォン以上減少した。サムスン電子への依存度が高かった事業構造のせいで、サムスン電子の実績が低迷するやいなや、ともなって墜落したわけだ。

これにより、2014年にサムスン電機は11年ぶりに、グループ経営診断チームの経営診断を受けることになり、これを土台に事業構造の再編に入った。長期的に収益を出しにくい部門、世界市場をリードすることが難しい部門、コアビジネスとの関連が小さな部門などが1次対象だった。

経営診断の結果をもとに、サムスン電機は昨年6月にハードディスクドライブ(HDD)用スピンドルモーター事業から電撃的に撤収した。これはHDDの内部に装着しディスクを回転させる機能部品で、年間売上げ3000億ウォンの小さくない事業規模だ。特にこの事業は2012年、世界第2位のHDDモーターメーカーの日本アルファテクノロジーを約1470億ウォンで買収して規模を大きくしたものでもあったことから、撤退のニュースは市場にかなりの衝撃を与えた。同年9月、サムスン電気はテレビの電源供給装置として使用されるパワーサプライとチューナー、電子棚札(ESL)事業を分社した。

年間売上高は6000億ウォンだが、この事業は従業員株主の形態のソルエム(Sol-m)という会社として生まれ変わった。続いて11月には振動モータ事業を売却することにより、企業内のモーター事業をすべて整理した。また、内部部門の分社を通じてエムプラスという新会社に譲渡する形式を取った。

先月、半導体テスト用の部品を最後に大きな規模の事業構造調整を終えたサムスン電気は、カメラモジュールと通信モジュールを担当するDM事業部、積層セラミックコンデンサ(MLCC)などを販売するLCR事業部、半導体パッケージ基板などを生産するACI事業部の3つの軸を基盤に、事業拡大に乗り出している。
  • 毎日経済_イ・スンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-07-04 18:02:20




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