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BIGBANGのT.O.Pと手を組んだサザビーズの実験


  • BIGBANGのT.O.Pと手を組んだサザビーズの実験
  • < BIGBANGのT.O.Pが特別オークション「#TTTOP」記者会見で、バスキアの作品を説明している。>

保守的な美術界に「ビッグバン」が起きた。 272年の歴史をほこる世界的なオークション会社サザビーズが、韓国アイドルと手を握ったのだ。サザビーズは韓流のアイコン「BIGBANG」のメンバーのT.O.P(29、本名チェ・スンヒョン)とコラボレーションして、来月3日に香港コンベンションセンターで「#TTTOP」という名前の企画オークションを開く。

サザビーズは19日、ソウルの新羅ホテルで記者会見を開き、「T.O.Pがゲストキュレーターとして、約9000万香港ドル(130億ウォン)に達する28点を選定した。若いアジアコレクターを代表する存在として、T.O.Pの美的趣向を紹介するきっかけになるだろう」と明らかにした。

今回のオークションは、双方がこれまで1年のあいだ力を入れた結果だ。 28点は「黒いピカソ」と呼ばれる米国のジャン・ミシェル・バスキアの代表作『歩兵部隊』(1983)をはじめ、アンディ・ウォーホル、キース・ヘリング、村上隆などのポップアーティストの作品だけでなく、ゲルハルト・リヒターとジョージ・コンドの作品も含まれた。これに加えて韓国美術市場の核である金煥基(キム・ファンギ)をはじめ朴栖甫(パク・ソボ)、李禹煥(イ・ウファン)、鄭相和(チョン・サンファ)などの単色画とナムジュン・パイクの作品も出品される。五木田智央、パク・チンア、何翔字(ホシャンウィ)、サイトウマコトなど新進芸術家の作品も多くなる。

T.O.Pは「一作品一作品とても慎重に作品を選んだ。若い美術愛好家である私を信じて、サザビーズがこのプロジェクトを推進した点で胸がいっぱいだ」と話し始めた。続いてモノクロ作品を多数選定した背景について、「ぱちんぱちんと弾けるビジュアルがあったり、ミニマルだが概念と哲学のある作品を若い頃から好きだった。母方のすべての女性たちが美術を専攻した。祖母の叔父が金煥基であり、イモブ(母の姉妹の夫)の父が李仁星画伯」だと明らかにした。続けて、「美術というものは難しいとは考えていない。美術を難しいと考えている若者たちは気軽にアートを感じて欲しい」という希望を披瀝した。

T.O.Pは「巨匠たちの絵画の中には音楽があるみたいだ。僕はどんなノレ(歌)を唄おうか。僕はそのノレを探しに行くだろう」と書き綴った金煥基日記に言及した。 「子供のころに金煥基日記帳を見て感動した記憶があります。音楽をする者として、僕は逆に美術作家の視覚的な表現を見たときにヒントを得る時が多いですよ。それらからインスピレーションをいっぱい得ます」。

巨大なブランドパワーを持ったサザビーズが若いエンターテイメントと手を握ったことは、それ自体で話題を集めており、新たなパラダイム変化と解釈される。先立ってサザビーズはエリッククラプトンとエルトン・ジョン、デヴィッド・ボウイなどのミュージシャンのコレクションのオークションを開いたことがあるが、若いエンターテイナーをプランナーとして招待したのは今回が初めてだ。

サザビーズの実験は、成長しているエンターテイメントを採用することで、若くて新しい顧客層だけでなく、アジア市場を確保するための破格的な措置として解釈されている。サザビーズは競合社のクリスティよりもアジア進出が遅かったし、売上げの割合も高くなかったが、最近はアジア市場、特に韓国の現代美術市場に対して積極的に転じた。

パティ・ウォン サザビーズアジア議長は、「1744年に設立されたサザビーズが今まで生存したのは革新を通じて変身したからだ。今回のT.O.Pの企画展もそのような脈絡」だと説明した。韓国支店を運営していないサザビーズは昨年、香港で単色画のオークションを開いて人気を集めた。T.O.Pも「サザビーズ」というブランドを利用して、差別化されたアーティストというイメージを得ることができ、「ウィンウィン」に対する期待感は高い。
  • 毎日経済_イ・ヒャンヒ記者 / 写真提供=ホン・ジャンヒョン作家 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-09-19 19:00:41




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