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サムスン電子、非メモリ半導体工場に10億ドルの追加投資

サムスンvsインテル、4次産業革命で半導体領域の争奪戦 

  • サムスン電子、非メモリ半導体工場に10億ドルの追加投資
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サムスン電子は2日(現地時間)、米国で「サムスンファウンドリフォーラム」を開催する。この席には金奇南(キム・ギナム)半導体総括社長が直接参加し、米テキサス州オースティンの非メモリ半導体工場に対する10億ドルの追加投資をはじめ、サムスン電子の最尖端のプロセスルールなどについて説明する予定だ。

米オースティン工場への投資は、10ナノメートルプロセスを半導体受託生産(ファウンドリ)に適用するためのものと分析される。サムスン電子はこれまでの20年の間、オースティン工場に160億ドルを投資してきた。

しかし2012年に40億ドルを投資して以来はこれといった大規模な投資はなかった。当時、サムスン電子がアップルのiPhone 5Sに搭載されるアプリケーション・プロセッサ(AP)である「A6」を受注して、28ナノメートルプロセスに投資した。 APはスマートフォンの頭脳と呼ばれるほど重要な部品で、AppleはiPhone 6以降は台湾のTSMCなどを通じてAPを注文生産してきた。

久しぶりにサムスン電子がオースティン工場に10億ドル規模の投資を断行したのは、非メモリ半導体部門に力を入れることを決定したからだ。サムスン電子は昨年1月、モバイルAP業界初の14ナノメートルプロセスの量産を開始したことに続き、先月はシステム半導体業界初で10ナノプロセスの量産を開始すると発表した。

これによって業界の専門家らは、サムスン電子がこの業界の大手の一つである米クアルコム社の次期モバイルAPの生産を受注したと分析している。

サムスン電子の関係者は、「米国や中国などの半導体を注文するメーカーのある地域で、サムスンファウンドリフォーラムを開催する」とし、「フォーラムを通じて半導体を注文する企業を対象に、極紫外線(EUV)露光装置などを用いたプロセスルールなどの技術説明会を進めている」と語った。

サムスン電子がこのような動きを見せるもう一つの理由は、半導体業界1位のインテルを牽制するための動きだという分析も出ている。これまで中央処理装置(CPU)などの非メモリー半導体に集中していたインテルは最近、サムスン電子が集中してきたメモリー半導体やモデムチップなどの分野に果敢に進出している。

インテルとサムスン電子は、それぞれ非メモリ半導体と半導体の領域を分けて各分野で1位として勝負を繰り広げてきたが、いまやモノのインターネット(IoT)、自律走行車、バーチャルリアリティ(VR)など、将来の事業の核心はすべて半導体であるため、互いの領域侵犯が避けられないからだ。インテルは最近「3Dクロスポイント」と呼ばれる技術を前面に出して、メモリ半導体への再進出を宣言した。 3Dクロスポイントは既存のDRAMよりも10倍多くのデータを保存することができ、NAND型フラッシュメモリに比べて1000倍速い速度を持つことが伝えられた。インテルはまた、中国の大連工場に6兆ウォンを投資して、新しくメモリ生産設備を構築するという計画も出した。

その上、最近リリースされたiPhone 7にはインテルの供給したモデムチップが搭載されたし、最近ではファウンドリの分野でも事業領域を大幅に拡大している。インテルはモデムチップの分野に進出するために、2010年にインフィニオン(Infineon)というドイツ系の会社を買収した。

これまでサムスン電子と特に重なる事業分野のなかったインテルの事業領域が最近は拡大されて、かなりの分野で両社が受注競争まで繰り広げることがありうる状況が到来するものと見られる。サムスン電子は4次産業革命の主導権を先取りするために、システム・オン・チップ(SoC)などの大規模集積回路(システムLSI)の生産を増やす計画だ。

サムスン電子はメモリの分野で独歩的な1位を維持しているが、全世界の半導体市場ではメモリ半導体の占める割合は20%に過ぎない。サムスン電子の半導体設備投資もメモリと非メモリが8対2で、まだメモリ部門が圧倒的だ。
  • 毎日経済_イ・ドンイ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-11-02 19:43:52




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