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「もっとたくさんのセルトリオンを」…韓国、バイオを新成長動力に

バイオ企業1000社育成 

  • 「もっとたくさんのセルトリオンを」…韓国、バイオを新成長動力に
仁川市の延壽区庁ベンチャーセンターの片隅には、「セルトリオンの最初の巣」であったことを知らせる小さな碑がある。2002年、徐廷珍(ソ・ヂョンヂン)会長はここでセルトリオンを創業し、15年めにセルトリオングループを売上げ1兆ウォンを超える世界バイオシミラー1位の企業に育てた。バイオシミラーというなじみのない市場に進出したセルトリオンは、初期の成功可能性に対する疑心や粉飾会計疑惑など、数多くの難関にぶつかった。しかしセルトリオンは世界初のバイオシミラー製品「ラムシマ」を開発し、ヨーロッパやアメリカ市場に進出した。ソ会長は「現在開発中のバイオシミラーと新薬製品のラインナップを考慮すると、グローバルトップ10も誇張ではない」とし、「今後も引き続きコツコツと前進したい」と語った。

セルトリオンだけではない。ViroMed(バイロメド)社、Genexine(ジェネクシン)社、Macrogen(マクロジェン)社、i-SENS(アイセンス)社、MEDIPOST(メディポスト)社など、1990年代後半から2000年代初頭にいわゆる「1次バイオブーム」の時に誕生した企業は、いまや韓国のバイオヘルス業界をリードする主役に成長した。今年はバイオベンチャーの長い夢である売上げ1000億ウォン高を達成する企業も多数見られる。一年に数兆ウォン台の売り上げを上げる情報技術(IT)企業にくらべて夢は素朴だ。しかし、すぐさま商用化される製品もないままに、何年もの研究開発のみに資金を注ぎ込まなければならないバイオベンチャーの売上げ1000億ウォンは、量子ジャンプ(飛躍的発展)のための踏み台を用意するという大きな意味がある。

わが国の製薬・バイオ産業のグローバルシェアはまだ「2%の壁」に閉じ込められている。実を結ぶまでに5~10年かかるバイオ産業の特性を考慮すると、今から創業の雰囲気を造成し、将来の種をまかなくてはならない。製薬・バイオ産業の世界市場シェアは2%の壁を超えるとき、大韓民国も低成長の絶壁から抜け出すことができる。毎日経済新聞が韓国バイオ協会と「バイオベンチャー1000社育成」という話題を投げかける理由だ。

ソ・ヂョンソン韓国バイオ協会長は、「わが国のバイオ産業が競争力を持つためには、さらにバイオベンチャー1000社が現れなくてはならない」とし、「このうち半分は医師や教授・研究者などの、専門家が創業したベンチャーでなければならない」と強調した。 「1000社」とは、わが国のバイオ産業が量子ジャンプできる自生的な生態系を象徴する。

15年前の1次バイオブーム当時、技術だけを信じて創業に乗り出した多くの研究者らは、経営とマーケティング、資金やリスク管理などの現実の壁にぶつかって崩れ挫折した。当時の失敗を他山の石として、「第2世代バイオベンチャー」には第1世代とは全く異なる生態系を作って与えなければならない。

このために芸能事務所のシステムのように、有望ベンチャー企業を発掘してグローバルな製薬会社に育てるための「バイオ企画会社」が必要だという主張も行われている。

オルムテラピュティックのイ・スンヂュ代表は、「バイオベンチャーを育成するには、研究室で眠っている優れた技術をキャスティングして鍛え磨いてやる、目の肥えたバイオ資本家が切実だ」とし、「予備バイオ創業家らを、BIGBANGのようにグローバルスターに育てる企画会社のシステムや、新薬開発専門のバイオアクセラレータが現れると良い」と語った。業界では、韓国バイオヘルスがグローバルな競争力を備えることができるゴールデンタイムは5年残っていると見る。

これから5年。これまで実力を磨いてきた第1世代のベンチャーが「売上げ1000億ウォン」高地を順に超えて、1000社の第2世代ベンチャーが技術だけでそびえ立つことができる、新しい土壌を整えてやれば、韓国バイオ産業はグローバル市場で力強く飛翔する。
  • 特別取材チーム=キム・ギチョル次長(チーム長)/シン・チャンオク記者/キム・ヒェスン記者
  • 入力 2017-02-14 17:54:52




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