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汚名を雪いだ紙おむつ・粉ミルク、売上げ回復


  • 汚名を雪いだ紙おむつ・粉ミルク、売上げ回復
  • < ソウルのある大型マートで男性客がP&G社製のおむつ「パンパース」を見ている [キム・ホヨン記者] >

1961年に発売された世界第1位のおむつP&G社製「パンパース(Pampers)」は、56年間で世界100カ国の母親から愛されてきた。市場調査機関のニールセン社によると、パンパースおむつの世界市場シェアは36%(2015年)で、2位のキンバリークラーク社製「ハギース(Huggies)」の16%よりも2倍以上高い。

しかし昨年の1月末、フランスの消費者雑誌が「パンパースベビードライ」製品から猛毒の化学物質であるダイオキシンと殺虫剤成分が検出されたと報道した後、激しい非難に苦しめられた。国内でも消費者の不安が増幅されて、大型ディスカウントマート3社が製品の販売を中止した。

当時、韓国P&Gは「すべての製品の製造過程で、ダイオキシンと殺虫剤成分を添加していない」とし、「フランスの雑誌が発見したと主張しているダイオキシンの量は、乳幼児の大便から発見されるダイオキシン量の1000分の1以上も低い水準であり、日常環境に存在している量よりもはるかに低いレベル」だと反論したが、消費者の不信はおさまらなかった。

欧州の粉ミルク第1位「アプタミル(Aptamil)」も今年の2月初め、放射性物質であるセシウム論議でひどいめにあった。

日本のある市民団体が明らかにした英国産アプタミルのセシウム-137検出量は1キログラム当たり0.697ベクレルで、国内基準値の370ベクレルよりもはるかに低かった。しかし、海外直接購入でこの製品を購入してきた国内消費者の不信はおさまらず、販売率が大きく落ちた。

2ヶ月間の悪夢のような時間を過ごしたおむつと粉ミルクは最近、政府の調査で汚名をそそいだ。産業通商資源部国家技術標準院は先月13日、国内に流通しているP&G製ベビーおむつ4種からダイオキシンと殺虫剤成分は検出されなかったと発表した。英国産アプタミルのセシウム検出論議も、事実ではないということで一段落した。韓国消費者院は先月15日、論難になった各商品とスイス産ホレ(Holle)やイギリス産ヒップ(Hipp)のような輸入粉ミルクの成分実験を行った結果、全製品で放射能は検出されなかったと明らかにした。

オキシー社製加湿器の殺菌剤問題のあと、増幅された化学フォビア(化学製品に対する恐怖)と根拠が不足した疑惑提起で甚大な被害を受けたパンパースおむつとアプタミル粉ミルクは、名誉回復後に再び脚光を浴びている。 10日、韓国P&Gはパンパースが急速に以前の売上げを回復していると明らかにした。業界によると、最大12時間持続する強い吸収力のおかげで母親のあいだで「夜のおむつ」として人気を集めているパンパースおむつの国内市場シェアは14%。フィット感と通気性に優れた点と、柔らかい綿の手触りのパッドも利点としてあげられる。

韓国P&Gは先月末、「パンパースサポーターズ」として活動している主婦30人の赤ちゃんを招待し、製品の安全性を説明するなど、信頼回復活動を強化している。

同社の関係者は、「700人以上の科学者や専門家が、P&Gの製品が安全かつ規制事項を遵守していることを確認している」とし、「外部的には世界保健機関(WHO)や米国食品医薬品局(FDA)、欧州連合( EU)環境部など各国の関連政府機関で逐一検証を受けて、各機関の基準を厳格に遵守している。製造国が違うからといって、安全性に区分はない」と強調した。

実際に、パンパースの全製品は180年間続いてきたP&Gの安全清潔技術に対する価値と、厳格なガイドラインを基準に管理されるというのがメーカー側の説明だ。世界中の製造工場に等しく適用された安全性評価に基づいて、37段階の精密な工程を経て生産されていると明らかにした。

アプタミルはこんかいの過酷な有名税のおかげで、むしろ販売量が増加した。オンラインショッピングモール「G9」は、第1四半期のドイツ産アプタミルの海外直接購入の売上げが前年同期比で30%増加したと発表した。

イーマートは先月1日から、全国のイーマート店舗とSSG.COM イーマートモールでアプタミルの国内販売を開始した。

イーマート側は、アプタミルの製造元である蘭ニュートリシア(NUTRICIA)社とパートナーシップ契約を結び、韓国内で唯一の公式輸入先の地位を獲得したと発表した。ニュートリシアは120年の歴史を持つ、乳幼児の栄養専門企業だ。国内でアプタミルは「江南粉ミルク」というニックネームが付くほどの高級ミルクとして人気を集めている。 イーマートは去る3月の第1週に比べ、4週めでアプタミルの売上げが67%伸びたと発表した。
  • 毎日経済_チョン・ヂヒョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-04-10 20:02:48




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