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数字経済 > 企業 > サムスン電子、「TIZEN RT」初公開…家電とつながる新OS

< イ・ヒョゴン副社長 >
サムスン電子はテレビ・洗濯機・冷蔵庫はもちろん、家庭用の照明器具にまでつながるインターネット・オペレーティングシステム(OS)「TIZEN RT」を公開した。モバイルはAndroidに出遅れたが、モノのインターネット(IoT)の領域ではOS市場を掌握するというわけだ。TAIZEN OSの搭載されたスマートフォン「サムスンゼット(Z)」はインドに続き、イランやパキスタン、そしてエジプトやボリビアとアフリカ全体にまで拡大する計画も発表した。サムスン電子は16日(現地時間)、米サンフランシスコのヒルトンユニオンスクエアホテルで、「TIZEN開発者カンファレンス2017(TDC)」を開催した。
TDCは、サムスンが主導するオープンソースプラットフォームのTIZEN開発者とパートナーなどが新技術を共有する場だ。今年は約1000人が参加した。サムスン電子は、TIZENを「モノのインターネット(IoT)」に特化したOSとして育てる計画だ。サムスン電子のイ・ヒョゴン映像ディスプレイ事業部副社長は基調演説で、「いまアンドロイドとiOSの両方がモバイルでは強いが、モノのインターネット分野では重い。TIZENは低消費電力・高性能が特徴で、モノのインターネットに特化して開発されているのでニッチな市場を見出すことができるだろう」と述べた。
この日に発表したTIZEN RTはTIZENをさらに軽量化したリアルタイムOSだ。既存のTIZENはサムスン製テレビやスマートフォン、GEAR(ギア)スマートウォッチなどに使われているが、モノのインターネットで活用するには重いので今回、軽量型のソフトウェアRTを出して市場を先取りするという意志を明らかにしたものだ。
サムスンはこの日、モノのインターネット用のモジュール「アーティク(ARTIK)053」モジュールも公開した。
「アーティク053」はTIZEN 4.0プラットフォームを採用した軽量のIoTプラットフォームだ。サムスン電子は今後、モバイル以外はすべてTIZENを基盤にプラットフォームを発展させる計画だ。
サムスン電子のTIZEN搭載スマートフォンである「サムスンZ4」も初めて公開された。 「サムスンZ4」は500万画素のカメラを搭載し、背面にはデュアルLEDフラッシュが搭載され、現地市場に合わせた機能を提供する。