トップ > 数字経済 > 企業 > ソウル半導体、1万件の特許で日本メーカーの牽制突き抜け60カ国に輸出

ソウル半導体、1万件の特許で日本メーカーの牽制突き抜け60カ国に輸出


◆ 輸出強小企業、新DNA /LED専門企業ソウル半導体 ◆

  • ソウル半導体、1万件の特許で日本メーカーの牽制突き抜け60カ国に輸出
京畿道安山市の半月工業団地にある「ソウル半導体」工場の照明ライン。白いクリーンウェアを着てマスクまでかけた社員が、LED(発光ダイオード)チップをパッキング(組み立て)する機械を点検したり、各工程に使用する部品を移すことに忙しい。爪ほどのフレーム(枠)にチップを載せたり、LEDパッケージが正しく組み立てられたのかを検査する自動化機器も休む暇なく動いている。

この工場で作るLEDパッケージとモジュールの種類は約1500。月15億個のLEDパッケージを製造し、世界の照明メーカーのほとんどへ輸出する。現在、ソウル半導体が確保している海外顧客は60カ国以上、300社あまりをこえる。輸出の割合は2011年に64%で2012年には67%、2013年は74%と毎年上昇している。今年は80%を突破すると予想される。これは韓国内の中堅企業が、ほとんどサムスン電子や現代自動車などの大企業に納品する物量で売上げを上げることとは全く違う。

その秘訣は特許にある。ソウル半導体が保有しているLED関連の特許は1万1500件を上回っている。毎年売上の10%を研究開発(R&D)に投資して、600件前後の新たな特許を出願してきた結果だ。米国電気電子学会(IEEE)が選定し発表した2013年の半導体製造特許競争力部門で、ソウル半導体は全体で14位になったが、LEDだけを作る企業としては唯一だ。

世界のLEDパッケージで4位のソウル半導体は、この分野で1位の日本の日亜化学工業との「特許戦争」に備えていなかったら、今の成長ストーリーはありえなかった。ほとんどすべての企業との特許戦に勝った日亜が、2006年にソウル半導体を相手に特許侵害訴訟を提起し、周辺からは心配そうな視線が注がれた。

しかしイ・ヂョンフン代表は、これまで徹底して管理してきた特許で対抗する正面勝負で、3年間の長い戦いを繰り広げた。結局、ソウル半導体は日亜と「相互特許使用」を結び、その後はしっかりと歩んできた。ソウル半導体はこの戦いで敗けたなら、存立の危機を迎えたはずだった。

  • ソウル半導体、1万件の特許で日本メーカーの牽制突き抜け60カ国に輸出
  • ソウル半導体の従業員がLEDチップのパッケージ作業を行っている。 [写真提供=ソウル半導体]

ギム・ヂョンオ副社長(照明営業本部長)は、「過去にはうまく作るだけで輸出もうまくいきましたが、今は全然違う」とし、「サムスン電子とアップルの特許紛争が示すように、技術に対する特許基盤をまずしっかりと装備しておいてこそ、輸出に羽を広げることができる」と強調した。続けて、「これからは技術特許から自由でなければ一歩も進めない時代」とし、「事業初期からR&D投資を行いつつ、世界市場で通用する特許を緻密にまず確保する戦略が重要だ」とした。

これはソウル半導体が毎年急成長する輸出を武器に、昨年の売上1兆ウォンを初めて突破した「一番の秘訣」だ。売上が1999年に100億ウォン水準だったことを勘案すれば、14年の間に100倍に跳ね上がり、輸出は2012年に5億ドルを突破して10年目で20倍に増加した。

韓国で中小企業として始まり世界1位に向けてすばやく跳躍するソウル半導体は、韓国内の輸出中小企業に示唆するところは大きい。
  • 毎日経済_アンサン=ミン・ソッキ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-07-07 17:05:21




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア