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あいまいな政策に踊らされる「炭素排出権市場」


政府は脱原発政策に振り回され、予定よりも6ヶ月遅れて来月に来年度の炭素排出権の割当量を決めることにしたが、これは暫定的措置であることが確認されて市場の混乱が加重している。政府はまず来月に暫定的に炭素排出権の割り当てを配分したうえで、来年に再び正確な割当量を確定することを決定したことで、年間数十億ウォンを排出権購入に使う企業は来年度の関連事業計画を適切に立てられずやきもきしている。

28日の政府と産業界によると、企画財政部をはじめとする国内の排出権取引関係の部処は、「2018年度企業別炭素排出権を今年末に一段階割り当てを、来年中に2段階割り当てを行う」と去る8日に明らかにした。割当量の発表が遅くなって不安に思う企業をなだめるために、一種の「仮割当量」を年末までに出すことにするわけだ。

政府は当初、去る6月に2018~2020年度の割当量を発表する計画だった。しかし現政権が温室効果ガスの削減目標量などを盛り込んだ「2030温室効果ガス削減ロードマップ」を改訂すると乗り出したことで問題が生じた。上位の政策である削減ロードマップの改訂を反映せずには割当量を定めることができないからだ。

削減ロードマップの改正案は、来年6月になってようやく発表される見込みだ。排出権取引制度の参加企業は、割当量も判らないままに2018年を迎える状況に置かれた。

不安が大きくなるやいなや、政府はまず2018年の企業別割り当て量だけでも年末に公開し、2018~2020年度分は来年に2次割り当てすると8日に明らかにした。けっきょく2018年の割り当て量はつごう2回発表されるわけだが、政府は二つの数値が異なっても1次2018年度発表値よりも割当量が減少することはないと説明した。年末に出される1次割当量を信頼して、来年度の経営計画を策定すればよいという意味だ。

しかしこれは「朝三暮四」に過ぎないというのが業界の反応だ。 2次割当量が1次割当量よりも少なければ、その差だけ2019・2020年の割当量が減る構造であるからだ。排出権取引制度に参加している企業の関係者は、「翌年の割当量が不足することに備え、2018年度の割当量を惜しんでおくしかない。削減ロードマップも判らずに決めた1次割り当て値と、来年に出る2次割り当て値の差が大きい可能性が高いから」だとし、「しかたなく1次割り当て値だけを持って来年度の経営計画を立てることになるだろうが、削減ロードマップがなければ何の意味もない」とした。

政府の対策が仮割り当てだけだったということが明らかになると、企業は大きな混乱に陥った。

これは市場にそのまま反映され、韓国取引所の炭素排出権価格は仮割り当て計画が発表された8日はトン当たり2万1900ウォンで、24日には2万8000ウォンにまで27.8%上昇した。排出権が不足している企業がいらだつことはもちろん、排出権があまる企業も不安定性を下げるために排出権を売らないからだ。

24日、政府が市場安定化のために排出権を追加で供給できると明らかにした後、価格は下落に転じたが、これは温室効果ガス削減の趣旨に反する措置であって、環境団体の反発が予想される。業界の関係者も「市場が需要と供給によって運営されているのではなく、政府の政策にしたがって急激に変化することから、対応することはなかなか容易ではない」と語った。
  • 毎日経済 ムン・ジェヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-11-28 19:44:33




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