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現代オイルバンク、不況に輝く脱精油戦略


  • 現代オイルバンク、不況に輝く脱精油戦略

昨年は業況不況と精製マージンの悪化で韓国精油各社の実績が振るわなかった中で、現代オイルバンク(Hyundai Oilbank)が唯一で善戦している。現代オイルバンクは安価に精油を精製する高度化施設に果敢な投資を行い、非精製部門の営業利益をすばやく引き上げて、不況のときに強い企業に生まれ変わっている。

現代オイルバンクは2019年、売上げ21兆1168億ウォンと営業利益5220億ウォンを記録した。前年比でそれぞれ1.8%と21%が減少した数字だが、同じ期間に国内の他の精油会社の営業利益が最大で40%近くも減少したことと比較すると顕著な成果だ。

営業利益ベースではSオイル(S-Oil)を超えて、国内4社のうちで3位を記録した。現代オイルバンクが国内精油会社の営業利益ベースでSオイルを超えたことは、2014年以来で初めてだ。 2014年は原油価格が暴落し、SKイノベーション、GSカルテックス(GS Caltex)、Sオイルなどの国内精油各社が1兆ウォンに近い赤字を記録したが、現代オイルバンクは唯一で2000億ウォンの営業黒字を記録した。不況であるほど現代オイルバンクの実績が目立つという話が業界に出回る理由だ。業界では現代オイルバンクが特に不況に強い理由として、着実に投資してきた高度化設備と非精油部門の急速な成長をあげている。

現代オイルバンクは1989年、業界で初めて高度化設備を導入した。高度化設備とは、低価格の重油から硫黄のような不純物を除去した後、高い熱と圧力をかけて比較的高価な軽質油(ガソリンや軽油)に変える装置だ。現代オイルバンクは高度化設備を利用して、質の低い硫黄重質油を原料として使用しても高付加価値製品を生産することができる。現代オイルバンクの関係者は、「硬質原油との対比で2~3ドル低廉な超重質原油の導入割合を2倍に増やしたが、高度化設備を利用して高付加価値製品に変換する戦略を活用してきた」とし、「昨年に導入した原油の超重質原油の割合は25%を超え、これによるコスト削減効果は1300億ウォンに達した」と説明した。他の精油会社は低価格原油をほとんど導入しない。

今年から施行された国際海事機関(IMO)の船舶油硫黄含有量の規制に先制的に乗り出したことも業績に貢献した。現代オイルバンクは昨年10月に超低硫黄船舶油の製造工程に関する特許を出願し、企業間取引(B2B)製品に「現代スター」というブランドまで適用して市場の先行獲得に乗り出した。「現代スター」の出荷でさらに収益500億ウォンほどを得た。

現代オイルバンクは事業を多角化し、昨年との比で精油部門で1914億ウォンを稼いだ。連結から除外されている現代コスモ(芳香族石油化学事業)と現代シェルベースオイル(潤滑油事業)などの実績までを加えると、非精製事業の営業利益は3002億ウォンに増える。この基準で計算すると、全体の営業利益における非精油事業の割合は47.6%にのぼる。わずか3年前の2016年、非石油部門の営業利益が全体の20%台を行きつ戻りつした点を考慮すると、かなりのすばやい上昇だ。

現代オイルバンクはロッテケミカルとの合弁子会社である現代ケミカルを通じて、オレフィン石油化学製品を生産するための2兆7000億ウォン規模の「HPC」プロジェクトも進行している。現代オイルバンクのデサン工場内に構築されているHPCが稼働すると、オレフィン石油化学製品までの垂直系列化が完成するだけに、2021年以降にまた「量子ジャンプ」を期待している。現代オイルバンクはオレフィン石油化学新事業だけで年間5000億ウォン以上の営業利益を期待している。

現代オイルバンクは昨年7月、本部ごとに収益改善チームや未来戦略チームなどの危機克服専門の組織を新設し、昨年は1000億ウォンの収益増大効果を得たと推定した。
  • 毎日経済_ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-03-03 17:12:36




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