サムスンSDI、積極投資で「バッテリー超格差」

欧州生産は2倍に 

  • サムスンSDIの上半期のR&G投資


サムスンSDIは「バッテリー超格差」のために積極的な投資を断行し、業界の耳目を集中させている。グローバル1位のLG化学よりも多くの研究開発費を投入し、全固体電池とハイニッケル陽極材など、多岐にわたって差別化された技術の確保に乗り出した。また、ハンガリーのゴッド市に所在するバッテリー工場の生産能力を2倍以上に増やすためのライン増設作業にも着手した。

15日のバッテリー業界によると、サムスンSDIはハンガリー工場のスタックライン増設作業を本格的に開始した。ハンガリー政府は最近、これと関連して許認可の内容を公示したことが伝えられた。

サムスンSDIは現在4つのラインが稼動しているハンガリー工場に、新工法を適用して計4つのラインを新規に構築する計画だ。今回の増設工事はこのうちの2つのラインが対象で、完成時には約10GWh(ギガワット時)のバッテリー生産が可能であることが伝えられた。これは昨年のサムスンSDIの電気自動車用バッテリーの総生産規模(20GWh)の半分に相当する。 4つのラインの増設が完了すると、ハンガリー工場でのみ昨年の総生産量ぶんの生産能力が追加されるわけだ。

サムスンSDIはR&D投資にも積極的だ。今年の上半期に総4092億ウォンの研究開発費を執行して、半期ベースでは過去最大を記録した。今年全体では8000億ウォンを突破する見込みだ。年間ベースで歴代最大の規模だ。

サムスンSDIのR&D投資は2018年の6040億ウォンから昨年は7126億ウォンに増加したことに続き、今年も大きく増えた。専門家らはバッテリー分野に限定した場合、今年に入ってサムスンSDIが支出した研究開発費は、業界1位のLG化学よりも多かっただろうと見ている。

業界によると、LG化学のR&D投資でバッテリー部門の占める割合は35~40%であるのに対し、サムスンSDIは80%に達することが分かった。業界関係者は、「サムスンSDIは事業領域がエネルギーソリューション(バッテリー)と電子材料に置くだけで事業構造が単純だ」とし、「バッテリー部門が総売上げの75%に責任を負うなど比重が圧倒的であり、R&D投資もバッテリー部門に集中している」と説明した。

サムスンSDIのR&D投資は、次世代電池材料分野に焦点を当てている。ハイニッケル陽極材と独自の負極材技術であるシリコン炭素ナノ複合材料(SCN)が代表的だ。陽極材のニッケルの割合を大きくするとバッテリーの容量が増えて走行距離を伸ばすことができるが、コバルトなどの他の原材料の割合が減少すれば安定性と出力が低くなることから、ニッケルの含有量を高めるには技術的な限界がある。

サムスンSDIはこのような限界を突破することでは最も先頭にある。来年に出荷される「ジェン5(第5世代)」電気自動車用バッテリーには、ニッケル含有量88%のハイニッケルNCA(ニッケル・コバルト・アルミ)陽極材を採用する。ニッケルの含有量が競合他社の次世代バッテリー用陽極材(80~85%)よりも高い。「ジェン5」バッテリーを装着した電気自動車は、1回充電で600キロメートル以上を走行できるというのが同社の説明だ。サムスンSDIは今後、陽極材のニッケル含有量を90%台半ばまで高める計画だ。 SCNはシリコンを活用した陰極材だ。シリコンは従来の陰極材の素材である黒鉛に比べてはるかに多くのリチウムイオンを保持することができ、バッテリー容量を大幅に増やすことができる。

サムスンSDIは全固体電池の開発にも拍車をかけている。全固体電池とは液体電解質の代わりに固体電解質を使用し、既存のバッテリーに比べて安全性を大幅に向上させたもので、特に爆発や火災の危険性がほとんどなく、将来のモビリティ市場の「ゲームチェンジャー」にあげられる。このようなR&D投資の拡大は、全永鉉(チョン・ヨンヒョン)社長の技術経営の成果だというのが同社の説明だ。
  • 毎日経済_ノ・ヒョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-10-15 17:21:51