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数字経済 > 経済 > 済州島、年間1000万人が訪問するが …交通インフラ・観光収入は?
▶ 空港は4年後に飽和状態
先月初め、3泊4日で済州島を訪れたパク・ソンオクさん(38・仮名)には今年の夏の休暇は「悪夢」として残った。当時、済州島をおそった台風「ナクリ」で済州を行き来する一日400便あまりの便がすべて欠航となった。床に新聞紙やゴザを敷き、やるかたなく次のフライトを待つ観光客で空港はまさに修羅場だった。パクさんは、「まるでホームレスになったように思えた」と悔しさを爆発させた。一年の観光客だけでも1000万人をこえる代表的な観光都市済州島の現状だ。
▶ 年間1000万人が訪問するが
2002年の「済州国際自由都市」指定と2006年の「済州特別自治道」発足で、済州島は単なる観光地ではなく、事実上国内唯一の「観光特区」に成長した。成果も目を見張るほどだ。2002年は450万人にとどまっていた年間観光客は、昨年はなんと1085万人に急増した。そのおかげで観光収入は1兆5000億ウォンから6兆5000億ウォンに、約4.3倍に跳ね上がった。
特に年間訪問者1000万人は、2012年時点でハワイ(799万8000人)やバリ(895万5000人)など、世界の主要な観光地も踏み込めなかった「金字塔」だ。しかし、国際自由都市指定から10年あまりが過ぎたいま、観光客の規模は世界一流のレベルだが、実際の地域経済への寄与度は三流レベルだ。済州発展研究院によると、済州島に滞在する国内外の観光客の滞在期間1人当たりの平均消費額は31万8400ウォンに過ぎず、ハワイ(185万ウォン)や沖縄(65万3000ウォン)に比べて大きく遅れをとった。
観光と果樹業中心の産業構造を改編し、物流・金融・ハイテク産業を育成するというビジョンはまだ地についていない。観光休養都市育成という青写真もまた未完成だ。特に劣悪なインフラストラクチャが足を引っ張っている。
済州島起こしの一番の貢献者は他でもない「ユーカー(中国人観光客)」たちだが、いまやもろ刃の剣となっている。
2009年から施行された不動産投資移民制の最初の永住権申請は来年からだが、済州島は無防備だ。済州の百年大計とされた国際自由都市のバラ色のビジョンは、わずか10数年めで岐路に立った。これに対して元喜龍(ウォン・ヒリョン)済州特別自治道知事は、「乱開発にまずはブレーキをかけた後、済州島の文化・IT・再生可能エネルギーなどの観光コンテンツを組み合わせた総合観光地にするつもり」だと明らかにした。