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ドル高・円安波紋、車・鉄鋼・造船「日本企業大攻勢」

ドル高よりも円安の輸出被害がより大きく...決済通貨の多様化・海外生産増やして対応 

世界市場でのドル高で大企業はある程度の利益を得るが、日本と競争関係にある品目に対しては、円安で相当の衝撃を受けていることが調査で分かった。円安により対日輸出に打撃を受けることはもちろん、世界市場で日本製品と競合関係にある自動車・鉄鋼・電子・造船などの業種では輸出打撃を深刻に受けている。さらにドル対比でのウォン安がまだ十分でないレベルで、全体的には円安による被害がはるかに大きいというのが産業界の声だ。

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  • < ウォンの相場 >

韓国経済研究院によると、最近の対円でのウォンはウォン・円の為替レートのピーク(2012年6月)に比べ56%ほど引きあげられた。一方、ウォン・ドルの為替レート(15日現在1038ウォン)は、研究院側が展望したウォン・ドルのバランスレート(1120ウォン)と輸出企業の損益分岐点(1050~1060ウォン台)に比べて依然として低い水準だ。

最も大きな打撃を受けている業種は自動車だ。現代自動車の関係者は、「円安は海外市場で日本車に有利で、ドル高はこれまでのドル安による為替レートの変化分を相殺させるレベルほどではなく、為替リスク管理に赤信号が灯った」と語る。現代・起亜自動車は輸出の割合が約80%を占めるだけに、為替レートの変動に伴うリスクは特に高い。

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  • < 円安・強ドルに対する産業界の対応 >

現代・起亜自動車は年初にウォン・ドル為替レートを1050ウォンと展望したが、この7月の為替レートが1020ウォンまで落ちて収益性が悪化した。最近はドルが強気に転じたが、まだ期待に及ばない。現代自の関係者は、「最近の為替レートの変動に応じて、24時間モニタリング体制の強化などの対応策を講じている」とし、「これまで決済比重の高かったドルを減らし、ユーロ他の通貨の比重を漸次増やすことにした」と説明する。海外工場の生産拡大を通じた現地化戦略にも拍車をかける予定だ。

ポスコも為替レートの変動に極めて敏感なようすだ。ポスコの関係者は、「円が下がると日本企業の輸出競争力が高まる」とし、「ただ、ドル高もまた鉄鉱石と有煙炭や鉄スクラップの輸入コストが上昇し、コスト負担が大きくなって不利になる」と語る。ポスコ側は、「日本の鉄鋼会社が円安を土台に輸出の割合を高めることに対応し、東南アジアと中国市場のシェア維持と拡大に全力を尽くしている」と説明した。

サムスン電子の関係者は、「原価削減と物流の効率化や高付加価値製品の販売拡大など、経営効率化で為替レートの変動に対応している」とし、「ドルと円のほかにもユーロやルーブル、中国元やレアルなど、決済通貨を多様化してリスクを分散させ、支払い通貨と入金通貨のバランスも最大限に合わせている」と説明した。

現代重工業は、ウォン対比のドル高は輸出競争力の強化に肯定的に作用するとして期待感を見せている。ただし、ドル高が十分なレベルではないという判断だ。造船各社は円安で、韓国と同様に造船大国である日本製品の競争力が高まるのは事実だが、生産船種がそれほど重ならないので、影響は多少制限的だと予想している。

為替レートの変動に敏感な航空業界は、いまのところドル高より円安により多くの影響を受けている。大韓航空の関係者は、「韓・日関係の冷却まで重なって、日本発・韓国行きの需要は急減した反面で、日本行きの乗客は増えているので、これまでよりも国内マーケティングにより重きを置く側に営業の方向を変えている」と語る。もちろんドル高の動向にも注目している。

アシアナ航空の関係者は、「ウォン・ドル為替レートが10ウォン変動するたびに、年営業利益が130億ウォンほど上下する」とし、「為替レートと原油価格などの外部リスク対応のために、社内でリスク管理委員会を常時運営中だ」と明らかにした。

韓国経済研究院のオ・ヂョングン招聘研究委員は、「鉄鋼・自動車・電子・造船など、わが国の主力輸出産業が受ける打撃は深刻だ」とし、「大企業は為替ヘッジや決済通貨の多様化で対応するが、中小企業はこれすらも容易ではなく、為替レート変動への対応策は事実上無い」と指摘した。オ・ヂョングン研究委員は、「新経済チームは為替問題に対する具体的な言及や対応を明らかにしていない」とし、「企画財政部や韓国銀行がもう少し拡張基調で通貨・為替レート政策に接近しなければならないだろう」と語った。

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△写真=為替レートの変動にともない自動車・造船・鉄鋼などの輸出大企業に警報が鳴る中で、釜山港に積まれたコンテナが輸出のための船積みを待っている。
  • 毎日経済_イ・ホスン記者/ホン・ヂョンソン記者/ユン・ウォンソプ記者/写真=毎経DB | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-09-15 17:29:31




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