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特殊鋼市場 ポスコとセアの二強構図に現代製鉄が挑戦状

来年10月の唐津工場竣工と、東部特殊鋼の買収推進で追撃 

  • 特殊鋼市場 ポスコとセアの二強構図に現代製鉄が挑戦状
  • < 企業別 特殊鋼原材料(棒鋼・線材)生産可能量 *資料=各社 >

韓国内の特殊鋼市場に地殻変動が予告されている。ポスコグループ(ポスコ・ポスコ特殊鋼)とセア(世亜)グループの「二強」体制に最近、現代自動車グループが積極的な動きを見せて、市場が「三強」体制に急速に変化している。

鉄鋼業界によると、セアグループのセア特殊鋼は先月末の時点で、自動車用部品・素材用特殊鋼市場でシェア42%の1位企業だ。ポスコ特殊鋼はステンレス特殊鋼市場で90%を占めている。

しかし最近、このような二強構図に亀裂の兆しが感知されている。現代製鉄は来年10月、忠清南道・唐津(タンヂン)に特殊鋼工場を竣工する計画だ。唐津工場の竣工と同時に、現代製鉄は浦項工場(棒鋼50万トン)まで含めて合計150万トンの特殊鋼原材料を生産できる体制を整え、原材料市場の絶対強者であったポスコグループとセアグループの喉もとに迫る。これからポスコとセアグループは、1~2位の守城を心配しなければならない状況だ。

おりしもグループの構造調整計画にしたがって、東部特殊鋼が買収・合併(M&A)市場に売りに出された。東部特殊鋼はポスコ特殊鋼から特殊鋼原料の供給を受け、年間50万トンのボルト・ナットなどの特殊鋼成形品を作る企業だ。自動車用部品・素材用特殊鋼市場では23%のシェアで、セア特殊鋼に次ぐ2位のメーカーだ。

実際に現代製鉄は、東部特殊鋼の買収を積極的に検討している。鉄鋼業界のある関係者は、「現代自グループは東部特殊鋼を買収し、現代製鉄で生産した線材を東部特殊鋼に供給し、製造した自動車部品の完成品を現代・起亜自動車に納品する、特殊鋼一貫体制の構築を検討している」と説明した。

とは言え、このような現代製鉄の動きは、セアグループには負担になるしかない。ただでさえ原材料市場でのシェアを奪われる危機に瀕しているセアグループの立場では、特殊鋼市場でまで現代製鉄と競争しなければならないからだ。これに対してセアグループは、東部特殊鋼の買収のためにグループ・オーナーのイ・テソン セアベスーチル常務が陣頭指揮するタスクフォース(TF)を設けて買収を準備している。

これとともに、ポスコグループは財務健全性の強化のために、ポスコ特殊鋼を売却することにした。ポスコグループはステンレス特殊鋼市場から手を引いて「鉄鋼業ほんらいの競争力強化」と、権五俊(クォン・オヂュン)ポスコ会長の経営方針どおりに原材料市場に忠実になるという意志に見える。

ポスコグループはまずセアグループと、ポスコ特殊鋼の売却のための了解覚書(MOU)を締結して手を握った。これに対して鉄鋼業界では、恐ろしい速度で領域を広げている現代製鉄を牽制しようとする姿がうかがえるという解釈を出している。セアグループがポスコ特殊鋼を買収すれば、これまでの年間生産量300万トンから400万トン規模に増え、世界最大の特殊鋼企業に上りつめることになる。
  • 毎日経済_ホン・ヂョンソン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-09-17 17:18:35




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