トップ > カルチャー > ゾンビのような人間たち…世界を感染させた「Kゾンビ」

ゾンビのような人間たち…世界を感染させた「Kゾンビ」


  • ゾンビのような人間たち…世界を感染させた「Kゾンビ」
  • 『釜山行き』



コンテンツ人気の準拠点として通じるネットフリックスで、韓国型ゾンビもののドラマ『今、私たちの学校は…』が2週連続で世界の頂上に上がった。 『イカゲーム』人気の後光もないでもないが、ドラマじたいの動力なしには「ネットフリックス1位長期執権」という課題は容易なことではない。

韓国型ゾンビ物の熱風は今回が初めてではない。ネットフリックスドラマ『キングダム』シーズン1・2は朝鮮時代の王室のゾンビ化を扱って世界の視聴者の視線をひきつけ、それよりも先の2016年には映画『釜山行(邦題『新感染 ファイナル・エクスプレス』)』が世界の評壇と大衆から同時に好評を受けた。 「Kゾンビ」の「3連ホームラン」というわけだ。世界はなぜ韓国型ゾンビ物に熱狂するのだろうか。

  • ゾンビのような人間たち…世界を感染させた「Kゾンビ」
  • 『今、私たちの学校は…』



◆ ゾンビに現実の矛盾を見出す

まず「ゾンビ(Zombi)」とは米国南部と西南アメリカ地方のひとつの宗教であるブードゥー教の伝説的な素材で、「生きて動く死体」を意味する。 1979年のイタリア映画『ゾンビ』の上映以後、この用語が固まったというのが定説だ。

「死んだ人間に息を吹き込む」という設定は非現実的だが、世界のホラー映画ジャンルでゾンビという素材ははっきりとした足跡を残しており、最初のゾンビ映画は映画史が始まってさほど経たない1930年代までさかのぼるほどゾンビ物は歴史が深い。いままで自分と同じだった人間が非人間に変化するという恐怖感が世界のゾンビ物の共通分母だった。

韓国型ゾンビ物はこのようなゾンビジャンルに、韓国社会特有の不条理と矛盾、そして権力構図を挿入することができた。『今、私たちの学校は…』では、いじめにあって自殺を試みた高校生の雪辱のためにウイルスを開発した父親の狂気が原因になっている。王位継承のために「死んだ人を生かす名薬」である生死草を王に与えた『キングダム』のチョ氏一家も不条理な権力構図を象徴した。

映画『釜山行(『新感染』)』には資本の権力が背後に出てくる。ウイルスを漏洩するほど脆弱だったバイオ企業の株を作戦株とみて投資した勢力がそうだ。大暴れするゾンビを「全国単位の過激暴力デモ」と描写して、状況をとりつくろう行政安全部長官は腐敗した権力を隠喩する。文学評論家のイ・ビョンチョル氏は「3作品はすべて不条理な矛盾と権力構図を露出させる魅力がある」とし、「韓国社会の矛盾がゾンビの出現をきっかけに爆発する共通点を持つ」と説明した。

◆ KTX・宮殿・学校という特殊空間

特殊な空間を叙事の要素として反映した点も、韓国型ゾンビ物の魅力を倍加させた。 KTXの列車内、朝鮮の宮殿、平凡な高校の建物はすべて状況を緊迫に導く。

まず『釜山行』は韓国人の多くが慣れ親しんだKTXを「ソウル~大田~東大邱~釜山駅」路線に移動させつつ、走る列車の客室を韓国社会の象徴とも同じ空間に設定した。『キングダム』は時代劇でよく見られる王の寝所である康寧殿を「ゾンビの最初の出発点」にする果敢な設定を引き出した。古い草ぶき屋根の家がゾンビの通行を防ぐ最後の要塞に変わり、宮殿の蓮池の氷の下にゾンビを水葬させる場面も限られた空間を緊迫感の要素として活用した。また『今、私たちの学校は…』でも平凡な高校の放送室と教室が恐怖の空間に変わりうることを物語る。

映画評論家のユン・ソンウン氏は「列車の内部構造と学校内の多様な空間を移動しつつ、その空間の道具を活用してゾンビを防いだのは奇抜だ」とし、「広すぎる空間を背景にした映画『半島』の反応があまり良くなかったという点は特記するべきことだ」と強調した。

  • ゾンビのような人間たち…世界を感染させた「Kゾンビ」
  • 『キングダム』



◆ 終末世界のヒューマニズム

2000年代以降に大衆的な呼応を得るゾンビ物の正確な名称は「ゾンビアポカリプス」だった。アポカリプスは終末の世界観を意味する。韓国型ゾンビコンテンツはゾンビアポカリプスが展開される過程に、人生と死の境界に立った人間たちのヒューマニズムを配置した。特に『今、私たちの学校は…』はヒョサン高校の学生、そして両親をヒューマニズムの当事者に変える。ゾンビが疾走する中で未婚の母親になったある学生はゾンビに噛まれた後、食堂のハンドルに自分の手を結んで死ぬ。子供を守るためだ。事件の原因を追った刑事は、生徒の未婚の母親が残した新生児を見捨てない。娘を救うために死の脱出を敢行する消防隊員の父性愛もそうだ。

『キングダム』ではとうぜん自分に戻るべき王座をあきらめる世子イ・チャン(チュ・ジフン)の姿が後半に描かれ、『釜山行』ではゾンビに噛まれてすっかりダメになったと扉をはずして妻を向かい側の列車に乗せるサンファ(マ・ドンソク)の姿が出てくる。ユン評論家は「海外ゾンビ映画が感性を刺激するドラマ的要素が弱いことに比べ、韓国ゾンビ物の叙事には多様な人間群像が登場する」とし、「ゾンビよりも怖いのも人間だが、希望もまた人間にあるというメッセージを伝えたりする」と語る。続いて「現在は良い反応を得る『今、私たちの学校は…』に対する海外の反応を見ると、面白いという反応以外にも、人間と人生について省察することになるというレビューが多い理由」だと付け加えた。
  • 毎日経済 | キム・ユテ記者
  • 入力 2022-02-15 11:38:48