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[ルーザーの反乱] 「ルーザー」が伝えること…価値のない人間はいない

ルーザーの反乱③/③ 

  • [ルーザーの反乱] 「ルーザー」が伝えること…価値のない人間はいない
  • < 「超人時代」キャプチャー >

「ルーザー」たちが中心となる大衆文化作品が言わんとすることは、ただの「敗者」ではなく、「自分だけの価値」を発見することの重要性だ。

tvN金曜ドラマ『超人時代』は「ルーザー」たちを全面に掲げて20代の現実と痛みを描いたドラマだ。主人公のビョンジェ(ユ・ビョンジェ扮)、チャンファン(キム・チャンファン扮)、イギョン(イ・イギョン扮)をはじめとした登場人物たちは、夢がなくて悩んだり、夢があっても現実によりそれを諦めねばならない状況に置かれている。脚本と主人公を担ったユ・ビョンジェの言葉を借りれば、ドラマに出る人物は背も低く、顔も格好良くなく、洗練されてもおらず、虚勢も多い「ルーザー」たちだ。

『超人時代』に「ルーザー」たちが主人公として登場したように、様々な大衆文化作品の中で「ルーザー」が脚光を浴び、人気キーワードとして位置づいた。BIGBANGの新曲『LOOSER』がそうであり、tvNドラマ『ホグの愛』、『未生』、ウェブトゥーン『チジリの歴史』などがそうだ。それであればなぜ私たちは「ルーザー」に熱狂し、大衆文化の中では着実に「ルーザー」を素材とした作品が作られているのだろうか。

これについて、『超人時代』だけでなく、tvN『SNLコリア』シリーズの『極限職業』コーナーを通じていつもやられる「乙」を代弁してきたユ・ビョンジェは、「最近の若者たちを悲しいと断定することも難しいが、扱いを間違って受けていることは事実」だと話した。彼はコメディジャンルがこのような「ルーザー」の感性をもっともしっかりと代弁してくれる手段だと話した。

ユ・ビョンジェは、「社会的な問題を風刺し、滑稽に接近することがコメディだ。個人的には『自虐コード』を持っているのだが、どれだけつらく、困難でもそれを笑いに昇華して良いエナジーに発散することが条項だと思う。素材が悲しいが、それを悲しみでは終わらせず、笑いにすることも似たような脈絡」だと「ルーザー」を登場させる理由を説明した。

また、彼は「自嘲だが、恥ずかしがらないことが『B級の情緒』だと考える。恥ずかしがりもせずに『俺はルーザーだ』と自慢したりもせず、ただ存在するそのままに受け売れることが本当に格好良いことだと考える」と話して自身が好む「ルーザー」の姿を伝えたりもした。彼は淡々と自分の姿を受け入れることだけにとどまらず、たとえ完璧でなくても自分だけの価値を探さねばならないと付け加えた。

  • [ルーザーの反乱] 「ルーザー」が伝えること…価値のない人間はいない
  • < ドラマ『ホグの愛』ポスター >

これについてユ・ビョンジェは、「最近は就職もできず、恋愛も簡単ではない状況に置かれた若者を使い物にならない人間のように決め付ける傾向にあるが、ドラマを通じて一番大きくは世界に使い物にならない人間はいないという話をしたかった」と伝えた。彼のメッセージは5月22日に放送された7話にて人材所所長(キ・ジュボン扮)のナレーションが明確にした。「たとえ拒絶されるかもしれなくても、自分が好きな人のために行動することを知っていたビョンジェ、他人に認められる、もしくは他人の人格を選ばずに自分の姿を守るために努力したチャンファン、自分だけの世界にはまっているように見えるが自分の夢のためにしっかりと挑戦することができたイギョンは他人の目には『ルーザー』のように見えても、本当の英雄」だという台詞から、現在の若者たちに「必要のない人間はいない」という慰労を伝えた。

専門大を卒業し、借金の督促に悩む銭湯の垢すり(銭湯管理者)に就職した後、新しい「垢すりの世界」に目覚める内容で大きな人気を集めたウェブトゥーン『沐浴の神』の作家ハ・イルグォンもユ・ビョンジェと似た脈絡で「ルーザー」の素材を選んだ。ハ・イルグォンはあるインタビューにて、「この世界誰もがそれぞれの価値を持っており、小さなことはない。ウェブトゥーンを通じてその価値を探してくれればと思う」と願いを伝えたりもした。就職難、無限の競争の中で淘汰される彼らが「負けた」と茫然自失になるのではなく、また違う自分の秩序と世界を作っていくウェブトゥーンの中の「ルーザー」の姿が彼のメッセージを代弁している。

tvNドラマ『ホグの愛』の中の男性主人公カン・ホグも特別なこともない能力と外見を持った男性だ。そんなカン・ホグは「水泳の女神」だったがシングルマザーとなったド・ドヒ(ユイ扮)のために雑草精神ですべてのことに耐えながら、ついにはド・ドヒの愛も受けた。このドラマの主人公を演じた俳優チェ・ウシクは「ルーザー」と相通じる「ホグ」という単語について、「チジリで少しは不足しているが、優しいという意味で解釈されれば嬉しい」と話した。『ホグの愛』を通じてみせたかったことは、カン・ホグそのままでも十分に格好良く、だから「ホグ」という単語そのものが肯定的な意味で心に届くようにしようとしたと説明を付け加えた。

  • [ルーザーの反乱] 「ルーザー」が伝えること…価値のない人間はいない
5月24日、SBS『人気歌謡』にて1位を記録して音楽ランキングプログラム10冠王を達成したBIGBANGの新曲はタイトルから『LOOSER』だ。『LOOSER』はBIGBANGが活動した一ヶ月間、各オンライン音源チャートにて10位圏内を維持したりもした。大きな人気を集めた『LOOSER』を通じてBIGBANGが伝えたかったことは、他でもない「共感」だった。

リーダーのG-DRAGONはインタビューにて、「僕たちは年齢からすると成功した。けれど見えないところで空虚さと寂しさがある。この曲を通じて大衆たちは『あいつらも同じ考えをし、痛みもあるんだな』と考えられないだろうか。20代を少しでも代弁して歌う曲でもある」と説明した。『LOOSER』は20代であるBIGBANG本人たちの話を盛り込んで、ワールドスターであるが同じ悩みを持つ「人間」であることを打ち出し、聴衆との距離を狭め、慰労を投げかける媒介体だ。

いっときは「ルーザー」という単語は「『希望』を夢見る特権さえもない分類」という意味と共に現実に迷い彷徨い絶望する姿として描かれた。しかし、最近の「ルーザー」たちは違う。無限の競争時代の中で疲れ、最高でなければ「失敗した者」となる世界から押されたりもするが、絶え間なく自分の中から価値を探し出す人々、だから本当に勝ちのある人となる、その過程が本当の「ルーザー」たち、そして若者の姿だ。
  • MBNスターユ・ジヘ記者/写真=「超人時代」キャプチャー、CJ E&M、MBNスターDB | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-06-02 13:05:10




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