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ショパンコンクール優勝チョ・ソンジンシンドローム、その後は?

◆ City Life 第505…STAR TAP ②/④ 

  • ショパンコンクール優勝チョ・ソンジンシンドローム、その後は?
最近オンラインリアルタイム検索語に「チョ・ソンジン」という名前が浮上した。チョ・ソンジンとは誰か?と思いながらほとんどの人たちは十中八九がどこかの芸能番組に登場して突如スターとなったのだろうと思っただろう。

驚くことに彼は先月開催されたショパンコンクールにて優勝した韓国の若いピアニストだった。驚くのはそれだけではない。続いてオンライン音楽サイト歌謡チャートに驚くべきことに彼の名前が登場し、アルバム販売チャートでは有名なアイドルスターのアルバムを抑えて1位となり、国内で発売された彼のアルバム5万枚が瞬時に品切れとなった。また彼のアルバムを買うために人々がCD販売店が開店する前に列を作る珍風景が見られたりもした。先日野宿事態を見せたあるファッションブランドの限定版セールを思い出させるほどだ。

けれど何かおかしい。売れている人気アイドル歌手のアルバムも低迷している状況なのにクラシック演奏アルバムを買うために列まで並ぶとは。売れているから悔しいということではない。国内音楽人が世界の舞台で達成した輝く快挙であることは明らかだが、どこか腑に落ちないような気持ちを消すことができない。ここに一部マスコミの動きも尋常ではない。世間ではピアニストのチョ・ソンジンの受賞が「音楽界のノーベル賞」を取ったものであり、キム・ヨナが冬季オリンピックにて金メダルを獲得したことと同じ快挙だと言う。ここに早くから彼に目をつけていたいくつかの企業の寄付金が彼を育てたという話しも出ている。けれどなぜかこのようなシンドロームが愉快なだけに終わらない。

最近流行の「イッソビリティ」という言葉を聞いたことはあるだろうか?韓国語の「ある(있다)」と英語「ability」を合わせた新造語だ。「あるように見せる能力」といった意味だ。別の言葉にすれば「虚勢」といったところであろうが、ともかくこの言葉が来る2016年の主要トレンドとなるという話もある。

この言葉がチョ・ソンジンシンドロームにも登場した。普段はクラシック音楽を聞きもしなかった人々がチョ・ソンジンのアルバムを買うために突如列まで作る形態が「何かあるように見せようとしている」ということだ。賑やかなマスコミと盲目的な「イッソビリティ」信者の資性を指摘する言葉であろうか。優れた若いピアニストの努力を一回性で消化しないことは彼の演奏、彼の音楽を応援する道ではないだろうか。
  • Citylife第505号(15.12.01)
  • 入力 2015-11-25 14:26:12




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