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「W」最終回② ソン・ジェジョン作家の挑戦が輝いた「問題作」

「W」16話(最終回) 

▶ この記事にはドラマ本編の内容の一部が含まれています。

MBC水木ドラマ『W』は、チョン・デユンPDとソン・ジェジョン作家の挑戦が輝いた「問題作」だった。

去る14日に放送されたMBC水木ドラマ『W』の最終回では、カン・チョル(イ・ジョンソク扮)とオ・ヨンジュ(ハン・ヒョジュ扮)がウェブトゥーン(ウェブ漫画)の世界から抜け出して、現実でハッピーエンドを迎える場面が描かれた。

この日、カン・チョルはハン・チョルホ(パク・ウォンサン分)に会って、ハン・チョルホは別の世界の秘密を知っているとカン・チョルの胸を撃った。辛うじて死ぬ危機をのり越えたカン・チョルはオ・ヨンジュの目の前で目を閉じて、オ・ヨンジュはカン・チョルに近づく前に現実の世界に戻ってきた。父オ・ソンム(キム・ウィソン扮)も、カン・チョルも誰も彼女のそばに帰ってこなかった。

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しかし、実はカン・チョルは生きており、ウェブトゥーンの中の世界で刑期をすべて終えて、現実の世界でオ・ヨンジュに会った。オ・ソンムがウェブトゥーンでハン・チョルホを死なせて、自分が消滅する道を選んだのだった。オ・ヨンジュの父オ・ソンムの犠牲により、カン・チョルとオ・ヨンジュは現実の世界でハッピーエンドを迎えることができた。

このドラマは、主人公がウェブトゥーンと現実の世界を行き来するドラマだ。時空を超越するし、推理力を発揮すればある程度は展開を予想できる他のスリラーとは違って、『W』は「設定値」や「消滅」など、ドラマ固有の用語と概念が存在して、確かに難しいドラマに属した。そのため、全年齢層に合わせることができないという欠点が生じて、視聴率の面でも爆発的な反応を期待することは難しいという予測があった。

しかし、『W』は予想とは違って、難しい展開にも着実に同時間帯1位を記録するなど底力を発揮した。ドラマが持つ新鮮さに魅せられたマニア層も作られた。ウェブトゥーンと現実を行き来するという全く非現実的な設定を、狂ったような映像とCGで現実的に描き出した『W』の衝撃的な新鮮さは、他の欠点を圧倒するほどの力があった。

『ナイン』で時空超越を素材にしていたソン・ジェジョン作家は、今回さらに一歩進んで、まったく別の世界をもう一つ作り出した。スリラーという枠組みに新たな世界を溶かし出したソン作家、それは自らにとっても挑戦だったはずだ。彼女は吸引力を失わないために果敢かつ迅速な展開を固守し、二つの世界を行き来する主人公たちの当為性を作るために、難しい装置を作り出した。

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複雑でどこか荒々しかったこのドラマは、確かに韓国の情緒に合わせたドラマではない。そのため、中高年層の視聴者の流入を期待することは困難だった。また、あまりにも複雑なストーリーにより、愛聴者も絶えず「解釈」しなければならない状況が発生した。ソン作家もまた「『作家一人で理解するドラマ』という言葉にドキッとした」と言うだけに、これについて十分に理解していた。

反転と反転の繰り返しのストーリーを16部作という時間内に「詰め込んだ」ソン・ジェジョン作家に「荒々しい展開」は仕方のない選択だった。ドラマがシーズン制だったり、時間がもう少しあったなら、視聴者が惜しむ部分を十分に説明して終わることができたのかもしれない。あるいは、本当に新しい素材だったため、ソン作家も慣れなかったのかもしれない。視聴者のしっかりとした理解を支えることができなかった部分は『W』の痛い失策でもあった。

だから視聴者は、序盤4話までは本当に衝撃的で新鮮で、驚いたという反応だったが、最後に近付くほどに反応が冷めていった。視聴者の間では、ストーリーを頭の中で整理する時間も持てずに、ドラマがすでに遠くまで走って行ってしまっているのを眺める虚しさが見え隠れした。

それでも『W』は、ソン・ジェジョン作家の挑戦ほどに大きく輝いたドラマだった。韓国ドラマ史上初めて見る「問題作」だったことは確かだ。カン・チョルが自分がウェブトゥーンの主人公だということを知った警察署のシーンは、ドラマの歴史に残るもう一つの名場面になった。2%不足する満足感ではあるが、果敢にこのようなドラマに挑戦したソン・ジェジョン作家の「次の挑戦」がすでに期待される理由だ。
  • MBNスターユ・ジヘ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-09-15 14:04:00




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