ソ・イングク、「応答せよ」で花開いた演技「ルイ」で完成


「最初はキャラクター接近方式について悩みも多く、怖くもありました。視覚的な部分から素材や設定が陳腐だという話がたくさんありました。記憶喪失になったけれど、その人物が財閥2世で、女性が田舎から上京して出会った男が記憶喪失という『シンデレラ』ストーリーですから。陳腐だと言われますが、それでも僕は独特な魅力ポイントがあると考えました。その過程の中で記憶を失い、探し出す過程や人々の間でのエピソードが独特でした。そして第一に望んだこと、『財閥2世』といえば思い浮かぶイメージを消したかったんです」

MBC水木ドラマ『ショッピング王ルイ』にてルイ役を熱演したソ・イングクと今月24日、ソウル三清洞のカフェで出会った。清らかで明るいルイを演じながらとても悩んだという彼は、インタビューに先立ってドラマを愛してくれたファンを気遣う心の美しい姿を見せた。

『ショッピング王ルイ』は複雑な消費の都市、ソウルの真ん中に落ちた温室育ちの記憶喪失男ショッピング王ルイと、山奥からやってきたネンメン(パソコンをうまく扱えない)女コ・ボクシルの波乱万丈サバイバルロマンチックコメディで、最終回の視聴率は10%を超えて水木ドラマ1位で終了し、大きな話題を集めた。ドラマ開始序盤には同時間帯最下位からはじまった視聴率が最後には1位を記録する大異変を作り出したためだ。

序盤には同時間帯のライバル作KBS『空港に行く道』、SBS『嫉妬の化身』に押されて視聴率3位を記録したが、二転三転する視聴率の中でついに『ショッピング王ルイ』が笑顔を見せてヒーリングドラマという好評を得た。

「『ショッピング王ルイ』を愛してくださった方々にありがとうございますと言いたい理由が、最初の視聴率が僕らは5%でした。実際、最初は『ショッピング王ルイ』がそこまで大きな期待やスポットライトを浴びることができませんでした。素材も陳腐だという話が多く、序盤に制作発表会やこういった場所で『僕らのドラマはそういうものではありません』と話しましたが、すでに固められたイメージが強い状況でした。そんな中で最初に5%で始まった視聴率が10%で終わったことは本当に誇らしく思います。たとえば最初に10%が出て、最後までそれを維持していたら、それほど誇らしさはなかったと思います。けれど視聴率が反動し、ドラマが『面白い』ということを証明したようで、個人的にとても嬉しいです。ドラマに対する自負心が出来ました」

「ドラマが面白い」ということを立証することはは、現実的に最近の時局にはとても難しいことのひとつだ。国が内外で騒がしく複雑だ。ヒーリングドラマ『ショッピング王ルイ』は視覚的に現在としっかりあっていたため、視聴者により大きな愛を受けた。

「今ぴったり楽しみを与えることができるコードだったと思います。ヒーリング、クリーン、綺麗なドラマだと出演者同士でいつも話していました。僕らのドラマを見ながら笑ってもらえればと思い、他に考えはせずボクシルとルイを応援してくれればと思いました。主要キャラクターを見ながら、人間臭さを感じられ、笑うことができるドラマなのでぴったりだったんだと思います」

ドラマに対する「自負心」が生じたことは単に視聴者の愛によるものだけではない。多くの悩みの末にルイのキャラクターを作り出し、ルイとボクシルが生きる世界の中を美しく正義に満たして描き出したソ・イングクとナム・ジヒョンの努力があったからこそ可能だった。しかし最初にルイのキャラクターを見たとき、近づくことがとても大変だったというソ・イングクは、わざとより独特に表現しようと努力した。

「はじめて台本を読んだとき、とても独特でした。とても飛び跳ねていて面白い感じ?けれどそれを具現しようと考えたら先が見えませんでした。台本がそうというよりも、ルイのキャラクターがそうでした。最初に記憶を失い、2部を見ればルイは質問ばかりする。コ・ボクシルをはじめとした自分の周囲の人々に『僕は誰ですか?』、『僕を知っていますか?』、『君の名前は?』、『家はあるのか?』そんな風な台詞です。ルイの立場からすれば本当に純粋に気になっているのだけれど、そんな部分の接近方式も苦労しました。また記憶を失う前と後が同じ脈絡であればと考えました。記憶を失ったからと別の人間になるわけでもなく、取り戻すといって違う人間になるものでもありませんから。純粋性、本質を最後まで持っていこうとしました。だから正確に表現できるようにキャラクターを少し独特に掴もうと努力しました。ルイは少し正常なトーンよりも僅かに独特なトーンでいき、目も頻繁に瞬きし、手もじっとできない。内的に不安な姿を表現しようとしました」

今回のドラマを通じて、本人もまた得たことが多かったというソ・イングクは、ドラマのワンシーンを思い出して「人生の助けになると思いました」と愛情を見せた。ルイが祖母の家でピアノを弾きながら歌う場面だが、当時ルイは『時が来た(This Is the Moment)』を歌う。その空間の中ではルイの家族、ルイを苦しめた高校生たち、ルイが愛するボクシルまで全員が一緒にいた。

「ドラマから感動を受け、それが僕の人生において助けとなるだろうと考えたものが『時が来た』という歌をピアノで弾きながら歌う場面です。その場面で祖母の視線でカメラが周辺を巡るアングルが登場します。歌もあり、人々が笑っている。その中ですべての人々が幸福を感じている。そのとき祖母が『家がとても騒々しいわね』と言う。執事が『うるさければ誰も家に入れないようにしましょうか』と尋ねる。それに祖母は『いいえ。私は今この瞬間がとても幸せ。どうして私は一人で暮らし、どうしてルイを一人で放っておいたのか後悔する。今がとても幸せ』だと答え、翌日に祖母が静かに目を閉じます。周囲の大切なことをたくさん忘れて生きる雰囲気がありました。僕らは初めて会う人には最大限マナーを持ちますが、いざ僕ら家族、近くにいる人にはなぁなぁに接します。そんな部分において僕らのドラマを見ながら、自分の周囲を見ることになると思います」

ソ・イングクの演技人生は事実的にはtvN『応答せよ1997』を通じて花咲く。『応答せよ』の初シリーズでもあったこの作品は、ソ・イングクを演技者として再誕生させてくれた大切な作品だ。その後p「応答せよの呪い」という言葉が生まれたが、当事者はそんな単語について特別な意味を付けてはいなかった。そして今後も彼にとっては「応答せよの呪い」はないものと見える。

「僕が出演した作品の中にうまくいったものもあり、駄目だったものもあります。本当に困難だと言われた20%超えの作品も『主君の太陽』を通じてであり、続けて駄目だったところでOCN『38師機動隊』を通じて開局以来最高視聴率を取りました。視聴率にこだわるタイプではありません。自責するスタイルでもなく、ただあまり出ない日にはスタッフが先に心配になります。今回の『ショッピング王ルイ』のときも序盤は視聴率のためにみんな頑張ろうと撮影しましたが、最後まで視聴率が上昇曲線を描いてくれ本当に嬉しく思います。本当に不思議なことに、とてもうまく上昇してくれてました、グラフが。いつかは下がるというプレッシャーが心の片隅にありましたが、最後までうまく上昇してくれ幸福です。『応答せよの呪い』というものは実際にはいつから作られた単語で、僕が何で破ったのかも分かりません。ただ面白い要素だと思っています。わざわざ深く考えたこともないと思います」
  • シックニュース チョ・ヘジン記者 / 写真=イ・ミファ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-12-03 05:43:00