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シン・へチョル事件で見る医療事故…医療訴訟事件の処理件数:患者勝訴件数=1143vs20

昨年の1審基準…医療紛争は毎年1000件を超え、勝訴率は3%のみ 

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去る3日に行われた故シン・ヘチョルに対する国立科学捜査研究院の1次剖検の結果、胃狭窄手術を担当したS病院の手術過程で穿孔が発生し、これによる敗血症などで死亡したと推定した。しかし、S病院側の担当弁護士はこの日、「シン・へチョルの心嚢に穿孔が生じたのは私どもの側の腹部手術とは無関係だ」とし、「当初、禁食を条件に退院させたが、シン・へチョルがこれを無視して結局状態が悪化した」と主張した。

シン・へチョルの死亡は、病院の医療過誤である可能性が大きくなっているが、遺族と病院側の立場は依然として対立している。国内では1年に1000件を超える医療紛争が発生するが、被害者である患者が勝訴する場合は指で数えるほどだ。医療紛争で情報と専門性をもった加害者である病院側を「スーパー甲」と比喩したりもする。

大法院(最高裁判所)によると、2010年以降、毎年医療事故による損害賠償請求訴訟事件は少額事件を除いても1000件を超えている。2009年の1028件から2011年は1052件、2012年は1113件、昨年には1143件と増加の勢いを見せている。大法院によると、原告である患者側が病院を相手に全部勝訴した場合は、全体処理事件のうち3%にも満たないのが実情だ。

シン・へチョルの事故は世論の注目を受けて、警察の捜査などが一瀉千里に進行しているが、一般人には「絵に描いた餅」だ。実際に、法定に行く前の段階である韓国医療紛争調停仲裁院で受付された医療紛争を見ると、2012年の2万6831件から昨年は3万6099件と急増した。

ファン・ジョンソン氏(仮名・72)は、某病院で十二指腸乳頭部に癌があるという診断を受け、保存膵頭十二指腸切除術と共に放射線と抗癌治療を受けた。病院で腹部CTで撮影した結果、挿入されたステント近衛部の結腸穿孔と穿孔による腹膜炎の症状があり手術を受けたが、汎発生腹膜炎および敗血症で死亡した。ファン氏の息子は1次手術を担当した病院を相手に腸穿孔を腸閉塞と誤診して死亡したと賠償を要求したが、医学的に病院に法的責任を問うことができないとして敗訴した。

このように、医療紛争で被害者である患者が絶対的に窮地に追い込まれる理由は、病院側の医療過誤を患者が立証しなければならないためだ。民事訴訟法によると、損害賠償請求訴訟は、請求する側から証拠を証明するように規定されている。医療訴訟も損害訴訟に該当するため、患者が医療過誤を証明しなければならない。

しかし、医療行為は高度の専門性を要する分野だ。患者と医師間の深刻な「情報の非対称性」が存在する。医療訴訟専門のユン・へジョン弁護士は「患者の立場では病院の医療過誤かどうかを明らかにするのは難しい」と指摘した。

現在、医療訴訟で最も重要な判断基準は、診療記録などの鑑定結果だ。裁判部が医大の教授や大韓医師協会など第3者へ鑑定を依頼し、医療過誤かどうかの因果関係の糾明に助力を受ける。

患者側は「医師は医師の味方」としながら、同じ医療界の鑑定人達が出す結果の公正性を疑う事例が頻繁だ。医療事故は急増しているが、これを専門的に担当する弁護士が大きく不足している。医療人出身であるチョン・ヒョンフィ弁護士は「司法試験を通過した医療人出身の法曹人は、現在20~30人程度」とし、「現在としては専門性が落ちる弁護士や患者が病院の医療過誤を立証できず、訴訟で負ける場合が多い」と述べた。
  • 毎日経済_キム・セウン記者/キム・シギュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-11-04 17:43:02




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