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伴侶動物1000万時代、ホテルやスパはもちろん、専用のテレビに幼稚園も…高級化傾向

5年後に6兆市場...「愛犬飼育」など新職業も 

  • 伴侶動物1000万時代、ホテルやスパはもちろん、専用のテレビに幼稚園も…高級化傾向
#1=「驚くのでむやみに入ってはいけません。大声は出してはだめですよ」。注意事項を聞き教室の中に一歩入るやいなや、お犬様たちの視線がいっぺんに集まる。「見慣れぬ男」の匂いを嗅いだ伴侶犬たちは、一斉に吠え出し始めた。この5日に訪れた、ソウル市駅三洞の伴侶犬幼稚園「パピースクール」教室は、多くの「学生」でごった返した。ボーダーコリー、ジャーマンポインターなどの中・大型犬からマルチーズやプードルのようなかわいい仔犬まで、各様各色の「伴侶犬学生」が先生の保護下に楽しく走り回る姿は、人間が通う幼稚園と別段変わりはなかった。

#2=「人生の半分よりも大切だったチャングンや。長いあいだ私や家族のそばにいてくれて本当にありがとう」。この5日、仁川のある伴侶動物葬儀場でイ・ヒヂョンさん(35)は、震える声で別れの言葉を伝えた。15年のあいだヒヂョンさんの家族とともに泣いて笑った犬のチャングンと最後にすごす時間。手書きの手紙、生前にチャングンがが使っていた首輪を前にして、ヒヂョンさんは静かに祈りをあげた。ヒヂョンさんは、「生まれ変わりというものがあるならば、親や子どもの縁で生まれ変わってほしい」と涙を浮かべた。

人間は孤独だ。いつも暖かく純粋な関係を切望する。しかし社会はますます殺伐となってゆく。他の人に情を感じられない人は、ペットに人生の仲間という意味で「伴侶動物」という名前を許した。

国内の伴侶動物人口はすでに1000万人時代が開かれた。2012年時点で伴侶動物とともに暮らす人口の割合は18%に達した。

以前は単純な町内の愛犬ショップ程度に限定されていたペット産業は、多様化・高級化している。成長も爆発的だ。7日、農協経済研究所によると、不況にもペット市場は毎年二桁以上の安定した成長率を記録し、今年のペット関連市場規模は1兆4300億ウォンに達するものと予想される。 2020年には5兆8100億ウォン規模の市場が形成される見込みだ。

「犬の八字は上八字(犬ほどいいものはなし)」という言葉がぎこちなくないほどに、ペット対象サービスはますます差別化・高級化している。ペットホテルに美容室・スパなどはすでに日常になったし、専用の幼稚園・葬儀場も人気だ。

中小企業庁と小商工人振興公団によると、専門の伴侶犬訓練所・幼稚園は全国で300カ所に達する。経済水準の高い江南一帯のみで、20カ所以上の幼稚園が集まっていることが分かった。一日預けるために2万5000ウォン~4万ウォン、月に通常40万~60万ウォンという多額の費用がかかるが、スクールバス・スパなどの追加サービスまで申請する人もかなりになる。

パピースクールのチョン・ヂウク院長は、「人が新しい場所で新しい友達と出会って社会性を学ぶように、子犬も社会的活動が必要だ」とし、「一人で暮らす会社員など、シングル族が頻繁に来る」と語る。

伴侶動物の葬儀業者も全国で約300社が運営されている。火葬作業だけで15万~20万ウォン、ファブンヂャン(花盆葬)などのオプションが加われば、これに5万~10万ウォンをさらに受け取る。伴侶動物の死骸の大きさと葬儀の質によっては、200万~300万ウォンほどかかる場合もある。伴侶動物のための保険まであり、幼稚園や葬儀場、総合文化センターに高級ブランド店も登場した。IT・メディア企業がサービスを提供する専用のテレビチャンネル、スマートフォンを利用した遠隔ケアシステムなども人気だ。人々が受けるサービスを伴侶動物も、すべて享受することができる時代が来たわけだ。

サービスの需要が増えた分、伴侶動物関連の職種も多様になって、新たな雇用創出分野として脚光を浴びている。繁殖の専門家である「愛犬ブリーダー」、伴侶犬を散歩させる「ドッグウォーカー」など新型職業が登場した。動物病院も2009年の2900ヶ所ほどから今年は約3600ヶ所に増えた。

農協経済研究所のキム・テソン畜産経済研究部研究員は、「高齢化と単身世帯、社会的ストレス要因の増加で、伴侶動物とともに暮らそうとする人が増えている」とし、「伴侶動物を家族や仲間と考える消費者の性向を考慮すれば、先進国のように関連産業が高度化・大型化・専門化され、新規市場と雇用創出に寄与することになるだろう」と語った。

しかし、伴侶動物が孤独な現代人の心の中に入り込んで、以前には存在しなかったいくつかの問題も発生している。

市民団体では伴侶動物を、金儲けの手段として考えてはならないと指摘する。動物保護団体カラ(KARA)の関係者は、「伴侶動物の大量生産と大量販売は不必要な所有欲をあおり、不適切な養育や放置はもちろん、動物遺棄と死の主要な原因になる」と指摘した。
  • 毎日経済_ペク・サンギョン記者/ウォン・ヨファン記者/ソン・ミンチョル記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-11-07 15:45:18




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