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キム・ヨンラン法の後遺症…30万ウォンのロイヤル席→2万5千ウォンに

芸術の殿堂「マリス・ヤンソンス コンサート」 

  • キム・ヨンラン法の後遺症…30万ウォンのロイヤル席→2万5千ウォンに
28日、「不正勧誘や金品などの授受の禁止に関する法律(キム・ヨンラン法)」が全面施行に入ったなかで、文化・公演界で初の地殻変動が起こった。 「ダンピング」レベルに価格を大幅に下げた、いわゆる「ヨンランチケット」を出す苦肉の策を通じて後援企業さがしに乗り出したものだ。

業界によると29日、来る12月の世界的指揮者マリス・ヤンソンスのクラシックコンサートで、料金を最高12分の1ほどにまで大幅値引きしたチケットが登場した。

公演企画会社のヴィンチェロ(Vincero)が去る27日、チケットオープンで芸術の殿堂コンサートホールの2階全席をC席に一括調整し、2万5000ウォンで出したのだ。ほんらいはR席とS席そしてA席がすべて割り振られていた2階座席のすべてを、3階と同クラスのC席に下げる措置だ。これによって30万ウォンに達した2階のロイヤル席が、とつぜん2万5000ウォンに急落した。C席を基準にして見ても、ヤンソンスの昨年4月の公演時は7万~8万ウォンに達した。

ヴィンチェロ側は「キム・ヨンラン法に合わせてやむを得ず価格を調整した」とし、「C席のチケット2枚をスポンサー企業が顧客への贈り物として提供すると、キム・ヨンラン法の贈答品の上限額の5万ウォンに合わせられる」と語る。実際、2階C席の40%は後援企業に割り当てられた。企業はこのチケットをタダ券である「招待券」の形で、VIP顧客と公務員や大学教授などにプレゼントする予定だ。

ヴィンチェロ側は避けられない選択だと説明する。ヴィンチェロの関係者は、「企業スポンサーがなければチケットの価格は上昇し、消費者がクラシック公演に来ることができなくなり、公演の生態系が壊れることになる」とし、「チケットの価格を破局的に下げると業界から非難されるかもしれないが、スポンサーのためには仕方のない苦肉の策」だと訴えた。

公演界では、企業の協賛・後援なしでは無条件に赤字構造だと訴える。海外の有名オーケストラの招待に必要な3億~4億ウォンの費用のうち、50~60%が企業の後援でカバーされる。公演企画会社は後援を受ける代わりに、後援金全体の30~40%に相当する金額のチケットをスポンサー企業に提供するのが慣行だった。

ある大企業の文化メセナの関係者は、「ふつう500万ウォン程度後援すると、後援した金額の30%程度のチケットを手にする」とし、「一部の公演は座席すべてが招待券として戻ってくる場合もあると聞いている」と耳打ちした。

しかしキム・ヨンラン法施行で5万ウォン以上の招待券を公職者などに分け与えることが違法になり、クラシック・舞踊・オペラなどの芸術分野では活動が萎縮する可能性が大きくなった。来年上半期の公演日程を確定しなければならない年末シーズンを控え、大規模な国公立・民間団体はもちろん、零細な芸能団体までが頭を悩ませている。

中小規模のバレエ関係者は、「年間でつごう4000万ウォン相当の後援金を払ってくれる数百人の支持者の方々のために、感謝のしるしとして招待券を贈ってきたが、これですらも途切れる余地が大きくなっただけに、募金活動に大きな支障をきたした」と明らかにした。

このことから、公演業界ではヤンソンスコンサートのようにスポンサー誘致を目的として、価格を大幅に下げたチケットがさらに出てくるだろうという予想が多い。

国民権益委員会の有権解釈も、このような可能性を高めている。実際には最高30万ウォンのヤンソンスコンサートのチケットが2万5000ウォンに割引されたのはキム・ヨンラン法違反という指摘が出てきたが、権益委は問題ないとの立場だ。該当の企画会社が2階C席の座席の一部を、芸術の殿堂の有料会員に2万5000ウォンで実際に販売したからだ。権益委の関係者は、「特定人だけが利益を得るようにしたのではなく、一般消費者も割引価格の適用を受けられるならば問題の素地はない」と明らかにした。
  • 毎日経済_ユ・ジュノ記者/オ・シネ記者 / 写真=photopark.com | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-10-01 09:31:31




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