ワトソンは特に、臨床試験、論文などの医療データだけでなく、非医療データまで網羅したビッグデータに基づいて判断するということが強みだ。医療に活用されているデータは、遺伝学が5%、治療・臨床試験などの医学が20%程度で、残りの75%は人の行動のような非医療分野だ。ワトソンは、このデータを100%消化し、証拠に基づいたカスタム型がん診療を提供する。IBMグローバル生命科学分野のジュリー・バウザー(Julie F Bowser)常務は、「既存のがん治療は、初期に適用した治療法の44%が途中で変更され、このような臨床の決定の半分は証拠に基づいていないということが分かった」と指摘している。