トップ > テクノロジー > IT・科学 > モノのインターネットを活用したシンクホール信号機の開発が始まる

モノのインターネットを活用したシンクホール信号機の開発が始まる

ビッグデータを分析して地面が沈下する前に赤信号で警告 

  • モノのインターネットを活用したシンクホール信号機の開発が始まる
異常のなかった地面が突然深く沈む、目に見えない恐怖を誘発する「シンクホール」を解決するために、科学者たちが集まった。電子通信研究院(ETRI)が主管して建設技術研究院、鉄道技術研究院、地質資源研究院などが協業する国家科学技術研究会融合研究団がその主人公だ。個々の研究機関の能力を集めて社会問題を解決しようとするという点で意味がある。

4つの政府出捐研究機関が集まった「シンクホールドリームチーム」は、3年間の共同研究を介して、「シンクホール信号機」を作る。シンクホールが発生しそうなほどに地下空間の状態が危険になると赤信号などが表示される。赤信号が灯ると関連地域を統制して、対策作りに乗り出す。

2017年に技術開発が完了したら、2020年から首都圏地域に適用する見通しだ。研究団長であるETRIの知能型IoT(モノのインターネット)端末研究室のイ・インファン研究室長は「人の体内の癌を見つける磁気共鳴映像法(MRI)のように地下空間を隙間なく調べる地下空間グリッドシステムを作る」とし「地下の複雑な上下水道、鉄道、地下水情報を把握し、これをリアルタイムで監視することができなければならない」と説明した。

シンクホールは、地盤が力を支えきれずに崩れることをいう。都心の中では上下水道管や地下鉄、建物などの複雑な構造物が絡んでおり、このような現象がますます頻繁に起こる。上下水道の漏水によって水が漏れると地面が柔らかくなり力が弱くなってシンクホールが生じやすくなる。地下鉄用のトンネルを掘り、間に流れる地下水を抜くと、地下水が流れていたた部分が空っぽになりシンクホールの原因となる。地盤が花崗岩よりも弱い堆積層であれば、リスクはより高くなる。

特にソウルのように地上だけでなく、地下でさえ乱開発された都心では、あちこちに危険が潜んでいる。2010年以来、ソウル市で発生したシンクホールは、3119件に達する。

今までは地面が沈む前までは誰も地下鉄駅の近くで何が起こっているか把握することができなかった。国家科学技術研究会の関係者は、「上水管が破裂したら、その中に電力線があるのか、地下鉄からはどれだけ近いかを知らずにむやみに地下に入って補修して出てくるレベル」とし「総合的な情報がないから、より大きなリスクに直面することがある」と指摘した。

融合研究団の研究は、各自の情報を把握して一箇所に集めることから始まる。地質資源研究院は、土壌と岩盤を調査し、地下水の流出をリアルタイムで監視できる研究を進めている。建設技術研究院は、上下水道の漏水と亀裂を把握して周辺地盤が弱くなっていることを調査する。鉄道技術研究院は、鉄道構造物を監視する。続いて地下のあちこちの最適な場所にセンサーを装着して、ここで確保したビッグデータを分析してシンクホール危険度を測定する。

建設技術研究院のチェ・チャンホ研究委員は、「モノのインターネット(IoT)を活用して、無線で地上までデータを転送し、装置の位置を把握する」と説明した。

危険度は、鉄道構造内部の空洞、上下水道の漏水、地下水位モニタリング等に応じて1~9に区分される。指数3以下は、安全を意味する青信号、6以下は警戒を示す黄信号などで表示され、7以上は危険な状況である赤信号などで表示される。

イ・インファン団長は「2017年に技術開発を完了して大田広域市で実用化を推進し、2020年には市全体に広げる予定」とし「以後、中国などの海外市場への進出も考えている」と明らかにした。
  • 毎日経済_イ・セボム記者/ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-12-17 17:00:54




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア