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3歳より前に全身麻酔をすると、言語・認知能力に影響


  • 3歳より前に全身麻酔をすると、言語・認知能力に影響
全身麻酔に使われる薬剤が子供の学習能力障害とADHD(注意欠陥多動性障害)の症状の発生危険性を高めるという研究結果が続々と発表されている中で、年齢が幼いほど全身麻酔が記憶と空間認識能力を落とすことが分かった。

米国コロンビア(Columbia)医学部は3歳以前に全身麻酔をすると、言語駆使と認知能力が低下し、特に推理能力に障害が発生する可能性が同年代の子供よりも1.73倍高いと最近、明らかにした。

これに先立ち、昨年9月、カリフォルニア(California)大学は、1才になる前に全身麻酔の経験をした患児28人を対象に麻酔経験がない同年代の子供たちと記憶能力を比較した研究を行った。まず、様々な境界線の色や位置が異なる画像を見せた後、思い出す実験を実施した結果、麻酔経験がある子供のスコアが、そうでない子供に比べて20%も低かった。また、空間認識テストでも麻酔経験がある子供のスコアが21%も低下した。

これは、子供の脳が盛んに発達する状況で、数時間に渡って全身麻酔をすると、麻酔剤が脳に供給される酸素を防ぐため、脳の機能が低下するという分析だ。

全身麻酔にはほとんど、吸引麻酔薬と亜酸化窒素が使用され、これらの製剤は脳の酸素欠乏症を起こして一時記憶喪失、幻覚、幻聴などの副作用をもたらすというのが専門家たちの共通した見解だ。特に成長期の子供の脳は、シナプス(synapse)を含めて主要な神経回路が生成される時期であるため、全身麻酔に対して脆弱にならざるを得ない。シナプスは多数の神経細胞同士の情報を交換する通路で、酸素の供給が円滑でなければ、その機能が著しく低下しやすい。シナプスが低下すると、脳の機能が全体的に萎縮し、様々な症状として現われる。

ソウルブレイン神経科のイ・イルグン院長は、「子供たちは小さな手術でも我慢できずに多く動くため、全身麻酔をする場合が多い」とし「しかし、全身麻酔は明らかに発育状態の脳に良くない影響を与えるだけに、その危険性と実効性の間で慎重な判断を下さなければならない」と助言した。イ院長は続いて「命のかかった手術は仕方ないが、全身麻酔ではなく睡眠麻酔や部分麻酔で代替が可能な診療は、全身麻酔を避けるのが良い」と付け加えた。
  • 毎日経済 イ・ビョンムン医療専門記者/写真=photopark.com | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-04-29 15:32:33




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