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敗血症抑制物質を韓国内研究陣が発見

IBS研究陣が「TIE2活性化時は敗血症の悪化を防ぐ」 

微生物に感染して、酷ければ命まで失うことのある「敗血症」。韓国の研究陣が敗血症の進行を防ぎ、治すことのできる可能性を見つけた。

基礎科学研究院(IBS)血管研究団長のコ・ギュヨン氏の研究陣は、敗血症の進行と治療に適した標的物質である「TIE2」を見つけ、これを活性化させれば、敗血症の悪化を抑制することができると明らかにした。研究結果は21日、基礎研究と臨床適用の可能性が高い研究を紹介する国際学術誌『Science Translational Medicine』に掲載された。

敗血症は、さまざまな細菌、バクテリアなどの微生物に感染して発生する病気で、血管崩壊および凝固、これに伴う過剰な全身炎症反応を誘発する。血管崩壊は臓器の損傷につながり、それがショックおよび死亡につながる。毎年、全世界で1900万人以上が敗血症で死亡し、末期がん患者などの重症患者の場合、40~60%の致死率を示す。過去20年間の敗血症治療剤の開発は、主に免疫反応を抑制したり、血液凝固を阻害する方向で行われてきた。しかし、これまでに開発された治療薬の候補は臨床効果が不十分で失敗し、現在、世界的に許可された標的治療剤は皆無の状況だ。

研究陣は、敗血症の進行過程で血管の損傷と、これによって血液が血管外に漏出することが症状の悪化に大きな影響を与えることに焦点を置いた。研究陣が注目したのはTIE2受容体とANG2タンパク質だ。 TIE2受容体は微小血管を保護する。血液中のANG2タンパク質は、TIE2受容体に結合して血管を不安定にし、血液の漏出を誘発する。

研究陣が開発した「ABTAA(ANG2-Binding and TIE2-Activati​​ng Antibody)」と呼ばれる物質は、二重機能を持つ抗体だ。ABTAAはANG2タンパク質に結合して血管の損傷を防ぎ、TIE2受容体を活性化させる。コ・ギュヨン団長は「敗血症にかかった実験ネズミは措置を取らない場合、80時間以内にすべて死亡したが、ABTAAを投与した場合、30%以上の生存率を示した」とし「特に、ABTAAと抗生剤を一緒に投与する場合、実験動物の生存率が約70%まで高まることを確認した」と説明した。彼は「まだ実験用のため、臨床をするには、多くの研究が必要だ」とし「MARS(中東呼吸器症候群)、エボラなどの新型ウイルス感染と各種バクテリア感染などにより、必然的に発生する敗血症の治療に、血管TIE2活性剤が追加の選択治療薬物として使用できるだろう」と付け加えた。
  • 毎日経済 ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-04-21 15:31:21




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