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サムスン電子、サーバ用10ナノプロセッサを世界初で量産


  • サムスン電子、サーバ用10ナノプロセッサを世界初で量産
  • 世界ファウンドリ市場シェア


サムスン電子は米国クアルコム(Qualcomm)社と提携し、世界初で中大型コンピュータ用(サーバー用)10ナノメートルプロセッサの量産に入った。尖端微細プロセス技術を武器にモバイルプロセッサに続き、インテルが掌握しているサーバー用プロセッサ市場に挑戦状を差し出したものだ。サーバ用プロセッサ市場への進出は、昨年5月に別途の事業部として独立したファウンドリ(半導体受託生産)事業の拡大にも勢いになるだろうという分析だ。

クアルコムは8日(現地時間)、米サンノゼで10ナノプロセス基盤のサーバ用プロセッサ「セントリック2400(Centriq™ 2400 Processor)」を発売し、サムスン電子を通じて量産を開始すると発表した。

スマートフォンやタブレットなどに使用されるモバイルプロセッサ部門で戦略的協力関係を維持してきたサムスン電子とクアルコムが、サーバ用プロセッサを発表したのは今回が初めてだ。

クアルコムのポール・ジェイコブス会長はこの日、「クアルコムはモバイル電話会社として知られているが、今回のサーバー用プロセッサを出すために4年以上のあいだ研究開発を進めた」とし、「サムスン電子と協力して世界初の10ナノFinFET(fin field-effect transistor)プロセスを基盤に設計し、価格性能比に優れていて消費電力も低い」と強調した。

半導体はプロセスを小さくすればするほど、ウェーハ1枚あたりの生産可能チップ数が増える。情報処理速度は速くなる一方で電力使用量は大幅に低くなり、中大型コンピュータが大量に設置されるデータセンターを構築する際のコストが大幅に減る。

サムスン電子は10ナノプロセス技術をモバイルプロセッサに適用してきたが、サーバー用プロセッサに適用したのは今回が初めてだ。サムスン電子とクアルコムがサーバ用プロセッサ進出を宣言したのは、Googleやマイクロソフト、アマゾンなどがクラウディング・コンピューティングに大々的に投資して、データセンターに設置されるサーバ用プロセッサ市場が急成長しているからだ。サーバ用プロセッサはこれまでマイクロプロセッサの強者インテルが、「Xeon(ゼノン)プロセッサ」で市場を掌握している。サムスン電子とクアルコムは世界初の10ナノプロセッサを通じて、インテルと充分に競争できると見ている。

今回のサーバ用プロセッサ市場への参入は、サムスン電子のファウンドリ事業に力を与える見通しだ。ファウンドリはクアルコムやブロードコム、アップルなどの生産設備を持たない(ファブレス)企業が設計した半導体プロセッサを委託を受けて製造する事業で、台湾のTSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー)が世界市場の半分以上を掌握している。サムスン電子はDRAMとNAND型などのメモリ市場では不動の世界1位だが、ファウンドリ市場でのシェアは7.9%で4位にとどまっており、新事業への進出が必要な時点だ。このことから、今回のサーバ用プロセッサへの進出は市場を広げるきっかけになるだろうという分析だ。

グローバル調査機関のIHSによると、ファウンドリの世界市場規模は今年の610億ドル(68兆ウォン)から、2020年には766億ドル(85兆4000億ウォン)にまで大きくなると予想される。
  • 毎日経済 ファン・ヒョンギュ記者/サンノゼ=ソン・ジェグォン特派員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-11-09 20:55:36




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